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特別支援学校ってどんなところ?

特別支援学校ってどんなところだと思いますか?

障害のある子どもたちが通う学校というイメージはあるけれど、具体的にどんな勉強をしているのか。学校の中はどうなっているのか知らないことがたくさんありますよね。

私も、実際働くまで、知らないことばかりでした。
そのなかでも、今回は、教科について少しだけ語ります。


えっ、、「生単」って何…!?

私が最初に勤務することになったのは、ろう学校でした。

ろう学校には、聴覚障害の生徒だけでなく、なかには、聴覚障害と知的障害をあわせ持つ生徒もいます。

私は、障害をあわせ持つ子どもが在籍する重複障害学級の担当になりました。

時間割を見ると、「国語」「体育」「音楽」など見慣れた教科が並びます。
ふむふむ、これは、なんとなく自分もやってきたから想像つくな。

しかし、ところどころ、知らない教科がちらほら…。

そのなかでやたら出てくる「生単」の文字。

ん?生単って何??
わたしの頭には、はてなマークがいくつもならんでいました。

すかさず、先輩教員に聞くと、
「これを読んだ方がいいよ」
そっと指導要領を差し出されました。

パラパラとページをめくると、「生活単元学習」の文字が目に入りました。

生活単元学習とは?

生単とは、生活単元学習のことを指します。
普段は、生単(せいたん)と略して読んでいます。

知的障害のある子どもたちは、学習が断片的になりやすく、生活で活かすことがむずかしいことがあります。
そのため、実際の生活場面に即しながら、くり返し学習することで、必要な知識・技能を身につけることができます。

子どもたちにとっては、抽象的な指導よりも、生活場面のなかで、具体的に考えたり、判断したりするほうが、効果的なんですね。

で、実際どんなこと指導するの??

生活単元学習ってどんなものか、あらためて調べてみたらこんな文献が出てきました。


生活上の課題処理や問題解決のための一連の目的活動を組織的に経験することによって、自立的な生活に必要な事柄を実際的・総合的に学習できるようにする指導の形態である。単元は、学校行事を中心としたもの、地域等の行事を中心としたもの、トピック的な出来事を中心としたものなどがある。指導計画は、単元の配列、指導内容、活動の場の設定、個別の目標、課題等について工夫して作成することが大切である。

明治図書「盲・聾・養護学校教育の基本用語辞典」

上記にあるとおり、生単は、自立的な生活に必要な事柄を実際的・総合的に学習するための単元なので、自由度が高く、いろいろな授業を設定することができます。
たとえば、以下のようなテーマで、授業を行います。
(ほんの一例です。)↓

・学校行事との関連 ⇒「運動会をしよう」、「卒業生を送る会をしよう」
・季節の生活 ⇒「夏祭りをしよう」、「秋を探して楽しもう」
・生活上の課題 ⇒「宿泊学習に行こう」、「バスに乗って出かけよう」
・発表・表現 ⇒「みんなで劇をしよう」、「作品展をひらこう」
・制作・生産 ⇒「カレンダーを作ろう」、「野菜を育てよう」
・偶発的な事柄 ⇒「転入生を温かく迎えよう」、「~さんのお見舞い」

本当にさまざまですよね。私もいろいろな授業を行ってきました。

みんなで何かを作ったり、練習をつみ重ねたりして、
実践的に学ぶことで、生活に活かすことができるようになります。


生活単元学習は面白い!!

生活単元学習は、本当に生きていくために必要なことを学ぶ感じが
私は好きです。

目の前にいる子どもたちに必要な力はなんなのか、どんなことを身につけることができたら、この先、生きていくうえで役に立つのだろう。
考えをめぐらせては、先生たちとアイディアを出し合います。

子どもたちが一生懸命取り組んでいる姿や、「先生、できたよ」とうれしそうに報告してくる姿を見ると、やってよかったなあと思います。

そして、わたし自身も「何事も経験、くり返し学習することで身につけることができる」ということを学んだ気がします。

今回は生活単元学習について、振り返ってみました。
また、気が向いたら、書いてみようと思います。













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