将棋めしとおやつの旅2022秋(関西)〜1・志津屋
志津屋は川又咲紀女流初段のYouTube「さとみさき」で知った。咲紀先生が志津屋のパンを次々と美味しそうに召し上がるご様子に心酔して、いつかはいただきたいと思っていたのだ。
志津屋は私が生まれたり住んだりしてきた関東圏では聞いたことも見たこともない。千葉県で例えたらマロンドのような存在なのだろうか。(わかってくれる人がいると嬉しい。)
なお、咲紀先生は新大阪駅の新幹線乗り場近くのベルマートキヨスクでパンを購入されたようだが、この志津屋は京都が本拠地だ。よって、今回の大阪への道程で、イオンモール京都桂川店内の志津屋に寄ることにした。
赤い看板が可愛いSHIZUYA。トングを構えて店内を回り、咲紀先生が美味しそうに召し上がっていたパンを探す。あれもある、これもある。期待でいっぱいの私の目は、子どものころ上野でパンダを見た時のようにキラキラしていたことだろう。
同伴者がどうしてもサンドイッチが欲しいと駄々をこねるので「いい?もうすぐ12時だけど、これはお昼のようでお昼じゃない、大阪に着いてからが昼ごはんなんだから、小さいパックの方にしなさい」と真顔で諭し、あらかじめ決めていたいくつかのパンと、小さいビーフカツサンドのパックを購入した。その一部をカフェスペースで頂くことにして、コーヒーも頼んだ。なお、持ち帰りと同じ税率での提供である。
まずは、たっぷりクリームパンだ。
片手でそっと持ち上げただけでクリームの重みでちぎれるほどに柔らかい。カスタードクリームがたっぷりだ。
焼きたてだったからだろうか、あまりに柔らかく、持つとつぶれてクリームが溢れてしまう。クリームをこぼさないように焦って口に運んでいたら、あっという間に吸い込んでいた。カレー同様に飲み物だったのかもしれない。
同伴者は京カルネ。冷蔵ケースの中で販売されていた。
咲紀先生は召し上がっていなかったが、これが志津屋一番の看板商品らしいので押さえることにした。
白っぽいバンズ(カイザーロール)にハムと玉ねぎが挟まっている。ちょっと温めて提供していただき、玉ねぎが大好きな同伴者に頭を下げて懇願し、一口分けてもらった。
マーガリンの香りの立ち方が普通じゃない。甘いようなしょっぱいような味と香りに深みがあり、「そそるぜ!」とDr.STONEの千空の口癖が思わず出てしまう。なるほど、マーガリン単独で、それもかなり大きな容器で販売されている理由は、この特製マーガリンが唯一無二の存在だからなのだ。このマーガリンがあれば、何もかもがほぼカルネとなるに違いない。
量的に物足りなくて、ビーフカツサンドイッチも開けた。軽くトーストされたパンに、たっぷりソースがしみ込んだ衣のカツが挟まっていて、大変しっかりした味だ。
小さいのでぺろりである。パン一切れが2センチ×4センチくらいだぞ、なんだ、これじゃ足りないじゃないか。誰だ、小さい方を買えと言ったのは!
…私だ。
昼ごはんは別の店でと決めていたので、残りのパンはホテルに持参し、別日の朝食にいただいた。その感想は以下の通り。
クラッシュチーズは咲紀先生が動画内での今日のランキング3位に挙げていたものだ。3種類くらいのチーズがのったボリュームのあるパン。ふっくらと弾力のあるパン生地に塩気のあるチーズがたっぷりで食べごたえがあった。
「ジャガイモの味がする人はします」と咲紀先生が言っていたが、私はジャガイモの味がしないタイプの人だった…。
ホワイトキャラメルロールは翌日になってもへにょんへにょんに柔らかかった。キャラメルソースのねっとりした甘みを抑えてくれる白いパンの口当たりが優しく、飽きずに何度も食べたくなるような味だった。
さて、志津屋のカフェスペースで念願のパンをいただけて、早くも満たされ感でいっぱいになってしまったが、ここはまだ1軒目だ。将棋めしとおやつの旅は始まったばかり。まだまだ美味しいものが待っている。
「京都に寄るってこれだけ?大体ここほんとに京都?寺が無いぞ、寺が!」と叫びながら車を走らせる同伴者に「じゃあ、竜王戦の前乗りで仁和寺にでも寄る?いと達のくま最中でも買いに行くかい?」と言うと「いや、神社仏閣全然興味ないです。」とつれない返答。混んでいる場所と渋滞が大の苦手な、そもそも王道旅にふさわしからぬ二人なのである。
では、京都を後にし、いざ大阪へ。
(つづく)
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