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いくつになってもドリンクバーで語らおう

中学生三年生のときの同級生と会った。就職組も、進学組も間をあけずに会っている。珍しく、クラスみんなの仲がいいクラスだったが、それは今も続いている。


通常、クラスというものは学力/体力のバランス、ピアノができる人、リーダーシップがある人。といろんな要素を考えてつくられている。

しかし、わたしのクラスはかなり偏っていた。女子はほとんどが文化部。男子はサッカー部や野球部など、元気な人が多い部活の人がかなり少なかった。だから、奇跡的におだやかな人が集まった。


そんなおだやかな人の集まりなので、成人式も他クラスより異様に集まっていた。そのうえ、何かイベントがなくとも中学三年生から25歳の現在までコンスタントに集まっている。

大人になると会う場所を居酒屋になってしまうが、わたしたちはあの頃と変わらずファミレスのドリンクバーで長く語らう。


今回は6人集まった。頻繁に会う人も、成人式ぶりに会う人もいた。
「甥っ子が生まれた」「転職して引越した」「休職してから復帰した」
話の内容は大人になったものの、雰囲気は当時と変わらない。

まちがいさがしが難しくて怒り、ピザの切り方が汚くて笑った。
給食をいっぱい食べたいからジャンケンしていたのではなく、勝ちたいからジャンケンをしていたとか。
将来、老人ホームで麻雀する人になりたい!できないけど!とか。
昔の話も将来の話も、今起きたできごとも、おだやかなテンションで楽しめる。


閉店の時間が近づき、ファミレスを出た。
それでも「なんか、帰りたくない。感じだよね?」と駐車場のすみでなんとなく話していた。
長い時間話していたから「月がこんなに動いてる!」と、はしゃぎながら夜空を撮った。友だちがかまえるカメラに写りこもうとふざけてジャンプした。当たり前だけど盛れなかった。

友人の中のひとりが「あと一時間後には出勤しなくちゃ!」といった。続けて「私も明日十時に出勤」という友人。この時点で夜中の三時近くになっていた。みんなで「早く言ってよ〜!早死しそう!気をつけてよね!」とか言いながら解散した。


お腹が痛くなるほど笑ったけど、何がおもしろかったのかは覚えていない。

帰宅し、久しぶりの夜更かしでピリピリする身体とたくさんの多幸感で、ほほえみながら眠った。

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