パルワールドについて思う事のまとめ

※当記事はパルワールドに対して思う事を書いた内容となりますが、私自身パルワールドに対して批判的な立場なわけではありません。良くも悪くもゲームに対する良い潮流となる面もあれば、悪い影響もあると思っています※


■はじめに

パルワールド、とても勢いがあります。
記事投稿時点で発売から5日半で売上本数800万本と、凄い勢いです。

私も買って、少しやりました。

開発元のポケットペアの(おそらく溝部さんが書いた)noteも読みました。

制作にはかなりの労力と奇跡が折り重なったのだな、というのがnoteを読んで伝わってきます。
もちろん、どんなゲーム開発の現場でも苦労はあるはずです。なので、noteを読んで「ポケットペアはパルワールドを開発するのにとても苦労したんだ!」と声高にいったりはしません。ものづくりにおいて苦労を積み重ねているのはどの現場も同じはずです。

ただ、奇跡や幸運が積み重なったのは、たまたまではなく、開発者の行動と判断の結果、だと思います。良いと思った人に声を掛けたのも、応募してきた人の実力を見込んで採用したのも、それぞれが行動と判断の結果です。

と書きましたが、その辺りの話をすると本題とずれてしまうのでやめておきます。

■爆発的に売れた理由を考える

冒頭でも書きましたが、記事執筆時点で5日半で売上本数800万本です。

これまでの売り上げ本数の経緯をなぞると、下記のようになります。
発売から8時間 …100万本
24時間 …200万本
40時間 …300万本
3日目   …500万本
4日目  …600万本
5日目 …700万本 ←一日で100万本?!(゜ロ゜)
5日半 …800万本 ←半日で100万本?!(゚Д゚)

※2024/02/01追記
2024/02/01時点でプレイヤー数1900万人

※2024/02/23追記
2024/02/23時点でプレイヤー数2500万人

どえらい売れ方です。

フルプライスではないとはいえ(無料でもない)、大手の企業が発売したゲームでもこのような売れ方をする事はなかなかありません。

開発側も、ここまで売れる事は予想していなかったようです。

私自身も、以前からPVなどを見て存在自体は知っていましたが、そこまで注目はしていませんでした。「クラフトピアの開発会社が作っている、ポケモンパロディ風のゲーム」という認識でした。ものすごいグレーな事をしているな、と思っていました。まさかこんな売れ方をするとは思ってもいませんでした。

なぜこんなものすごい売れ方をしているのでしょうか。
私が思うに以下の要素があります。

・事前に配信者向けに事前リリースしていた
・発売後もいろんな配信者がプレイし始めたので、話題になった
・発売してからの売り上げと経過時間をツイートする事で、流行っている事をアピール出来ていた
・純粋に面白い?
・良くも悪くも賛否両論となり、注目を集めた

主にX/Twitterでバズった事が大きいと思います。鬼滅の刃の時もそうでしたが、数年に一回はこういった事が起こるようです。

■ポケモンはどうなる

明らかに見た目をオマージュ(+_+)されているポケモンは、今後どうなるのでしょうか。
・新しい事をやりづらくなる?
 今後、何か新しい事をした際に、「パルワールドを意識している」と言われてしまうかもしれません。現状パルワールドでやっていてポケモンでやっていなかった要素はたくさんあるため、その分ポケモンは別の道を行かなければならなくなり、アイデアの選択肢が狭まったともいえます。

・特に気にせず我が道を行く?
 ポケモンのような大手のゲームは今後数年の予定が決まっているだろうとは思います。なので、パルワールドのことは意識せずに予定通り我が道を行くかもしれません。

・パルワールドから刺激を受けて、尖ったことをする
ポケモンも剣盾からSVにかけてオープンワールド化したりなど、既に新しい要素を取り入れていると思いますが、パルワールドが出た事によって、今までのポケモンではやらなかったような事をやるようになるかもしれません。

ちなみに、ポケモンSVの売り上げを振り返ると発売3日目で1000万本、去年の2023年初頭時点で2000万本と、流石にポケモンの方が売り上げのペースも含めて高いです。ただ、パルワールドは新規IPである点を踏まえると、充分凄いと言えます。

また、先日、株式会社ポケモンから、パルワールドの件に対しての声明と思われるお知らせが出ました。

任天堂から、第三者が作成したポケモンMODに対する削除要請も出ています。

どうなるかは分かりませんが、何も反応が無いより何かしら声がある方が良いと思うので、こうした対応をしているのは大事だと思います。

静観するか何かしら対応するかは分かりませんが、良い意味で、大手らしい適切な対応をしてほしいと思います。

■法的にはどうなのか

詳しくはゲーム夜話というチャンネルのパルワールドに関する動画で説明されているのですが、当動画を観たところ、
・ゲームシステムに関する部分は「アイデア」とみなされ、過去の裁判事例を踏まえても著作権侵害にはならない。
・キャラクターデザインに関する「表現」の部分は著作権侵害になる可能性がある。
・「ゲームシステムに関する部分は良く言えば過去作の模範だが、別の言い方をするなら、節度に欠ける模範ではないかと思う」
・「キャラデザインの類似に関しては本作の場合は流石に数が多すぎる」

という事でした。

たしかに、ゲームシステムに関しては他のゲームでも何かしらのゲームと同じようなシステムを採用していたりして、それは一つのジャンルとして定義されていると思います。(メトロイドヴァニアや不思議のダンジョン系、バトロワなど)
ゲームシステムに関して著作権侵害が適用されてしまうと、一つのジャンルとして普及しなくなってしまうかもしれません。
ただ、ジャンルとして確立する前にオリジナリティのあるゲームシステムを模倣してしまうと、たしかにそれはパクリだと言われてもしょうがないとは思います。ただ、法的に問題になる事は少ない、という事なのでしょう。

逆にキャラクターデザインのような「表現」に関する部分は著作権侵害になる場合がある、という事でした。また、動画では、パルワールドに関しては類似する数が流石に多すぎるという見解です。

ただ、開発側からは「法務のレビューは通っている」という発言もあります。

■2時間だけプレイした感想

2時間だけですが、プレイしました。
冒頭からいきなりブレワイみたいな効果音が流れて地名が表示されて、驚きました。

パルの見た目がポケモンみたいなのもそうですが、クラフト要素だったり壁上りの部分だったり、色んなところ含めて色んなゲームの要素を組み合わせている印象です。
制作チームの方達は恐らく色んなゲームをプレイしていて、色んなゲームを研究しているのだろうなという印象があります。

ただ、あくまで2時間しかプレイしていない上での感想ですが、ゲーム内の用語にあまり捻りがなかったり、色んなゲームの要素を組み合わせてばかりだったりなど、オリジナリティをあまり感じない部分があり、ビジネスとして売れるゲームを作ったような印象を受けます。自分は3000円も払って何をやらされてるんだろうという気持ちにはなりました。

発売直前に投稿された開発秘話のnoteはとても良く、開発にどれだけ苦労したのか、どれだけ奇跡が重なったのかがが伝わってきて、noteを読む限り、パルワールドに関してはふざけているわけでは無いと思うのですが、これだけオリジナリティを出さないで、ゲームをビジネスとしか捉えてないのか⁇という印象を受けます。

イメージとしては「ゲーム制作をテーマにしたドラマに出てくるドラマ内ゲームを実際に商品化した」ような感じ。

ただ、全くオリジナリティが無いというわけではなく、パルの精神状態の概念(働かせてばかりいると精神疾患にかかる、など)があったりなど、独自のシステムがある事も聞いているので、もう少しプレイすればパルワールドの良さを知る事が出来るかもしれません。私が分かっていないだけなのかも。

また、SNSのバズりの影響で物凄い売れ方をしていますが、本来はインディーゲームなのでここまで目立つつもりはなかったはずで、目立ってしまった分、作品としての評価のハードルが高くなってしまった部分はあると思います。ここまで売れると思っていたら、今のような賛否両論が出るような作り方もしていないかもしれません。

もちろん、有名配信者も含め、面白いという人たちもたくさん見かけるので、人を選びつつも面白いゲームなのだと思います。あくまでもまだ早期アクセス版という扱いのゲームで、これからアップデートを積み重ねていく上でもっと面白くなっていくのだろうな、と思います。

■プレイヤーとして

パルワールドがものすごい流行り方をしているので、やった方が良いのではという気持ちになりますが、そこまで面白そう/やってみたい、と思わないのであれば無理にやる必要はないと思います。世の中で流行っているものは星の数ほどあるし、純粋に自分が楽しいと思うものを選択するのが本来の楽しみ方です。

■最後に

想像以上にヒットしたパルワールドですが、今後どうなるかは分かりません。人気がこのまま続いて更に大きいコンテンツになるかもしれませんし、一過性のブームとして終わってしまうかもしれません。株式会社ポケモンとの関係性もどうなるか懸念するところとなります。


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