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【映画・アニメ】金ロー『すずめの戸締まり』

2024年4月5日、金曜ロードショーで『すずめの戸締まり』を観ました。

2022年の公開時、一度観に行っています。
今回、ほぼ2年ぶりに観て、映画や登場人物に対する好感度や理解度が深まったかな、と思います。

『すずめの戸締まり』は、閉じ師や産土(ミミズ)などに関するストーリーが展開される事が主軸だと思いますが、それに伴って九州の宮崎から始まり、愛媛、神戸、東京、東北を巡る、ある種の旅のようなストーリーが好きです。

『君の名は。』以降の新海誠監督特有の、現実とファンタジーを織り交ぜたセカイ系にあたる話にはなるのでしょうか。

所々で描かれる登場人物たちの人間らしい描写も好きです。

叔母の環さん、草太の友人の芹澤さん、すずめが道中で出会う千果やルミさん、そして草太さん、ダイジン。

■環さん

環さん

震災孤児となったすずめの事を引き取って一緒に暮らしている、すずめの亡き母親の妹。
すずめの保護者として、母親代わりとして、毎日すずめのためにお弁当を作りながら自身も働いています。弁当がすごい丁寧です。
すずめが宮崎を出た時も、すごい心配して電話やLINEを送ったり、最終的には東京まですずめを追いかけに行ったりと、本当にすずめの事を大事にしているのだなと思います。
LINEの文面や電話での会話、実際にすずめに再会した時の会話などからも伝わってきます。
東北までの道中の道の駅ですずめに言い放った発言(サダイジンに言わされた心情ではありますが)からも、すずめの事を大事に思う反面で、すずめが自身の負担になってしまっている事の葛藤も抱えているのだな、というのが分かります。あのシーンでは環さんの口元の皺などが強調されたりと、本当にすずめが環さんの負担になってしまっていた部分があったのだなと思います。

ただ、すずめ自身も、千果に会った時に話していたように、自身が環さんにとって負担になってしまっているかもしれない自覚はあったようです。
それでも、道の駅でのあの本音をぶつけ合うシーンがあったからこそ、すずめと環さんの中にあるもやもやとした疎ましさや葛藤を乗り越えて先に進むきっかけになったのかなと思います。(というか、そういう意味合いのシーンらしいです)

芹澤さんの車が壊れてしまった後、すずめと二人で自転車に乗って20kmの道のりを行くシーンは、二人がお互いの中に抱える問題を乗り越えたように感じるシーンでした。

■千果

千果

すずめが愛媛で出会う同い年の高校生。実家の民宿の手伝いをしているようです。
すずめは千果の実家の民宿に一泊させてもらいますが、その一連のシーンも良かったです。同い年の高校生同士らしい会話をしたり、一緒にご飯を食べたり。民宿の食事は、魚の切り身やミカンのゼリーなど、とてもおいしそうでした。

あと、すずめが旅をしている理由に対して、「すずめは魔法使いやけんな」と深くは追求しないところもありました。

すずめにとって、旅先で出会った大切な友達になったと思います。

民宿を出発するすずめに対して、服やボストンバッグを譲ったりしているのも良いシーンでした。

エンディングで、すずめに再会しているのも良いシーンでした。

■ルミさん

ルミさん

神戸で出会う二児の母。スナックのママさん。
雨の中、バス停でバスを待つすずめを「バスなんか待っても来おへんでー」と呼びかけ車に乗せます。
すずめはルミさんの子どもの相手をしたり、スナックでお店のお手伝いをする事になりますが、その一連のシーンも草太さんが活躍したり、実はすずめは子どもの相手が苦手?な一面が観れたりして面白かったです。
神戸の後ろ戸を閉めた後に、ルミさんがすずめを心配して起きてくれていたり、ご飯を作ってくれたりなど、ルミさんもすずめにとって、道中で出会った大切な恩人になったと思います。
エンディングでは、再会して、すずめや環さんと一緒にカラオケをしているシーンがありましたね。

■芹澤さん

芹澤さん

草太の大学の友人。
草太を心配して草太の部屋まで様子を見に来たり、
すずめや環さんを東北まで何時間もかけて車で連れて行ったり、
その道中に何気ない気遣いをしていたりなど、良い人物だなと思います。

御茶ノ水ですずめと環さんに遭遇した時は、環さんにすずめを連れ回していると勘違いされたり、通行人に「三角関係だ、男サイテー」と言われたり、他にも、道中で(環さんを気遣って?)懐メロを流して熱唱していたり、道の駅で環さんに泣きつかれた際も周囲の人に勘違いされたりなど、気遣いが出来つつもちょっと面白味のある人物だと思います。

金ローでの放送後も、X(Twitter)で芹澤さんに関する様々な好意的なポストが見受けられたりなど、結構好印象な青年のイメージでした。

すずめや環さん、草太さんら閉じ師の因果とは直接関係が無い人物ながらも、芹澤さん無しでは進まないストーリーだったと思いますし、重めの物語に少し賑やかな雰囲気を加えたという意味でも、良い人物だなと思います。

声優が神木隆之介さんだと知った時は意外でした。作中での声を聴いても、全く気づきませんでした。


■ダイジン

ダイジン

ダイジンに対しては、一回目にこの映画を観た時はあまり良いイメージを持っていませんでした。
すずめが嫌がる事をしていたり(実は違った)、すずめが自分の事を好きだと勘違いしていたり…
しかし、もう一度観てみると、違いました。
本当は空いてしまった後ろ戸のところまですずめたちを誘導していたり、劇中で名言されていませんが実は要石になる前は人間の子どもで、自身から申し出て西の要石になった過去があるなど。
ダイジンに関しては、「うちの子になる?」と言われたすずめに嫌われてしまったり、最終的にはまた要石になったりなど、報われない部分があります。
本当は幼い子どもで、彼もまた母親のような存在を探していたのかなと思います。

■最後に
『すずめの戸締まり』をもう一度観てみて、作品に対する理解が深まりました。
金ローで観たので、金ローのX公式アカウントや他の当作品に詳しい方たちの解説ポストを読みながら観れたので、それが作品に対する理解の助けになったのが大きいです。
それと、エンディングのシーンで、九州~東北の旅路で出会った人たちに会いに行くシーンがとても良かったですね。



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