ボーダーレスジャパン代表・田口一成氏トークセッション
先日、ふくおか食べる通信編集長 梶原圭三さんのお声がけでボーダーレスジャパン代表の田口一成さんのオンライントークセッションに参加しました。
自分は幹事団でありつつ仕事の都合でリアルタイムで参加できなかったのですが、後で見たセッションの内容があまりにも素晴らしかったのでnoteにてシェアしたいと思います。
気になる方はこちらのYouTubeを見てみてください!
■ボーダーレスジャパンの社会起業家を育成するエコシステム
(YouTube 12分~55分)
ボーダーレスジャパンとは、ソーシャルビジネスを通して社会問題の解決に取組む会社です。
「年間100社分の社会起業家を育てたい。」
という想いを胸に活動されている田口さんの組織作りについてのお話を3つのポイントにまとめてみました。
・ポイント①経済的相互扶助のシステム
「従来の資本主義の流れを変えたい。」という思いから、規模を追求する事業づくりはしない。持続可能な規模で事業を行っていく。スタートアップの資金は個人にリスクを負わせるのでも外部調達でもなく、内部で既に利益を出している事業の余剰利益を新規事業に回すようにしている。
田口さんはこれを「恩送り」のシステムと言う。
先輩たちが汗水垂らして稼いだお金を遣わせてもらうことへの感謝が、次の世代への分配につながる、というシステムです。
ボーダーレスジャパンの資金調達は全て自己調達と借入金で外部からの投資は受けていないそうです。また定款で「株式から配当は出ない」という方針を掲げており、既得権益を徹底的に排除されているとのことでした。
・ポイント②失敗できる環境づくり
自分は他の社長よりも圧倒的な経験を持っているが、答えを出さない。
その人のやり方でやってもらえたらいい、という思いで仕組みとして資金面・ノウハウ提供などを通して
「失敗し続けられる環境を提供できるか。」
を追求されているそうです。
・ポイント③チームづくり
起業家にとって壁となる「資金」「失敗できる環境づくり」を整えた上で最後のポイントは「チームでの支え合い」。「4人組」という起業家同士のネットワークを作り、月1回ミーティングを行うことでお互いの知恵を共有する仕組みを運営されています。
また、事業をローンチする際にはデザイン・マーケティング等のサポートを行いこれまでの起業ノウハウを惜しみなくシェアするそうです。
全ての仕組みが「年間100社の起業家を育てる」という方針を実現するために試行錯誤の上、今の形になったことがよく分かりました。
■地球にせまる気候変動危機とそのひとつの解決策
(YouTube 55分~)
ここまででも「組織」素晴らしい内容なのですが、ここからは現在田口さんが38社中唯一自身が社長としてコミットしている会社となぜその会社を経営しているのかについてお話いただきました。
・ポイント①気候変動危機
この7月から小売店でのレジ袋が有料化になるなど、国を挙げてエコに取り組んでいることがうっすら感じていたのですが実際どれくらいの危機レベルなのか。この危機感について分かりやすく説明してくださりました。
社会が回るために大事なものは経済<社会<環境です。
私たちが生きていく基盤となる地球環境を守るためには
2050年までにCO2排出量を2010年と同量まで削減、
そのためには
2030年までに2010年比の半分にしないと、
地球温暖化ループに歯止めがかからなくなるそうです。
(ここまで削減しても+1.5℃は上がる)
「今は戦争中と同じではないか」と田口さんは言います。
「このままではまずいと分かっていても、耳障りな言葉は聞きたくない」
「今の生活を変えたくない」
と思うのは人間の性。
でも子ども達が幸せに暮らし続ける地球を残すためには、今この問題に向き合わないといけない、という思いでハチドリ電力という新しいエネルギーの供給会社を立ち上げられました。
・ポイント②ひとつの解決策としてのハチドリ電力
「ハチドリのひとしずく」という動画が印象的なHP。
このサービスでは自然エネルギー100%の電気を家庭・工場に届ける仕組みを作られています。
火力発電よりもコストがかかる自然エネルギー発電をお客様に安い価格で提供するために、電気代に利益は乗せずに月会費(500円)+電気代実費で電気を供給しているそうです。
また、日本では現在15%ほどの再生可能エネルギーを増やすために、ハチドリ電力の売上の1%を自然エネルギー発電施設に充てているそうです。
更に、環境と共に社会もよくするために売上の1%は自分が支援したい社会活動団体に寄付ができる仕組みを作られています。
ハチドリ電力を利用することで、今のライフスタイルを大幅に変えることなく、地球温暖化を防ぎ、社会をよくする手助けができるというサービスです。
■今の自分にできること
一言一言から温かみと社会問題への覚悟をひしひしと感じることができた素晴らしいお話でした。
約2週間の呼びかけで110人の参加者が集まりましたが、みなさんとても熱心に聞いておられその後の質疑応答も活発に行われていました。
こんな素晴らしい話を聞いて、自分達も何かアクションを起こさねば!と思い以下のことにチャレンジしようと思います。
①ハチドリ電力への切替え
まずは自分がエネルギーを使うことで地球温暖化に加担しないように、ハチドリ電力への切り替えを行いたいと思います。ちなみに最近法人プランもローンチされたそうなので、企業や工場単位で取組たい方はぜひお問い合わせしてみてください。
②環境問題について知識をつける
田口さんがお話されていた「2030年問題」やレジ袋の削減の効果について、などまだまだ環境問題についての知識が足りないと痛感しました。
自分のライフスタイルの何が地球に優しくて、何が環境破壊を引き起こしているのか。
それは自分の心がけ次第で解決できるのか、もっと大きなシステムへの働きかけが必要なのか。
最低限の知識を付ける必要があると思いました。
(と思っていたらグロービスの同級生が素敵なイベントにお声かけくださった!これぞセレンディピティ)
③次世代に伝える
このYouTubeを見てすぐ夕食時にこの話を家族にシェアしました。
特に9歳の子どもの反応が顕著で
「2030年に地球はどうなるの?」
と真剣な様子で話しを聞いていました。
彼らにとってはこれは先送りにしていい問題ではなく圧倒的な自分事であることを幼いながらに感じ取っているのだと思います。
それからは「まずは自分たちにできることを」というのを合言葉に、不要な電気はこまめに切る、お風呂は追い炊きしなくてすむようにできるだけまとめて入る、買い物にはエコバッグ持参、など小さな行動から変えるようにしています。
今回のイベントを通して田口さんのリーダーとしてのお人柄、聡明さ、何より誰もが目を背けたくなるような社会問題に人生を賭けている生き様を垣間見ることができたのは貴重な時間でした。
このような企画に幹事団として声をかけてくださった梶原圭三さんやチームワーク抜群の幹事団の皆さまにも改めて感謝です!
☆ふくおか食べる通信
アツい編集長が真心を込めて素晴らしい生産者さんの食べ物を届けてくれるメディアです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?