取材の極意は、誰よりも相手のファンになること
取材・執筆・推敲 書く人の教科書に書かれていた言葉だ
著者は、古賀史健さん。
大ベストセラー、嫌われる勇気を書いた人だ。
タイトルからして、いかめしく、重厚感のある本書をなぜ読もうと思ったのか。
それは現在自分が受講している、書くことについて学べる「マーブルスクール」の課題図書として挙げられていたからである。
実際読んでみると、その読みづらそうなタイトルとは反対に、
とても読みやすいく、著者の書くことへの情熱が伝わる内容だった。
本書から伝わることは、
テクニックや知識などの小手先ではなく、
どれだけその人に寄り添えたか、
どれだけその人のファンになれたか。
ということの重要さだ。
原稿が面白くなるコツは「自分の心がどれだけ動いたか」
文章の書き方や、作法を学ぶ前に、まずはどれだけ相手の話に興味を持って前のめりで聞くことができるのかが重要ということらしい。
確かに、日常生活でも思い当たることがある。
友達と話をしていてあまり興味のない人からは、どんな話を聞かされても、「へぇー」で終わってしまう。
そこからは、その人がどれほど面白い話を持っていようとも話は膨れないし、相手も話をする気力が失せてしまうだろう。
一方で、それが自分の大好きな人や尊敬する人であったらどうだろうか。
相手の話一言一句に対して、興味を抱き、適切な質問が見つかる。
その雰囲気によって、相手もウキウキと色々なことを話してくれ、会話が盛り上がるだろう。
仮説を持って質問する
好きな人と話す時は、自然に仮説を持って質問をする。
だから会話が盛り上がるのだと、著者は述べている。
例えば
「休みの日は何をしているんですか」
相手が「ゲームですね。」と答えたとする。
そんなに興味のない人が相手ならば、
「へぇ〜、そんなんですね」で終わってしまう。
しかし最初の質問を投げかける際に、こんな仮説を持っていたとする。
「あの人は、きっと休みの日でも勉強をしっりしているのだろう。
だからこそ、いつも頼り甲斐があって仕事もできるに違いない。」
相手の「休みの日はゲームをやっている」という質問に対して、
「ええ!、そうだったんですか!」と驚くだろう。
こんなふうに、自分が仮説を立てていると
相手の発言の一つ一つに驚きを持って返事ができる。
相手を好きになるために下調べをする
確かに相手が常に面白い話をしてくれるとは限らないし、
話下手な人であれば、一層会話を盛り上げることは難しい。
一方で、相手を好きになって自分が興味を抱くことは可能だ。
そして何か一つでもその人のことについて興味を持ったり、
好きになることができれば、前のめりで話を聴くことができる。
この考え方は日常でも同様だと思う。
相手との会話を楽しくできるか否かは、
常に自分に主導権がある。
自分が絶対に楽しくすると考えている人は、
きっと相手のことを想像して自然と仮説を立てるだろう。
反対に誰かと話をするのがいつも楽しくない人は、
自分が受け身的になってしまっているのだろう。
まとめ
今回は取材・執筆・推敲について、
「相手のファンになる」ということの重要性についてまとめた。
書く技術や、経験がなくても
相手のことを調べて、前のめりで取材、執筆をすることはできる。
まずは誰よりも相手のことを考えてファンになる。
書くということ以外でも、
日常的に相手との向き合い方を考えさられる一冊だった。
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