見出し画像

卒業note_003 アンラーンとリスキリングの深淵にあるもの

世の中、専門家が常に正しいみたいな風潮やめましょう。
その”囚われ”からも卒業した方がいい。
専門的になればなるほどわからないことが出てくるので、
何でも分かっている風の専門家が一番怪しい。


卒業note_002の中に、
アンラーンとリスキリングという言葉が出てきました。

今回はその言葉の解説をしてみます。
なので、卒業noteというよりはビジネススキルの色が濃くなりますね。
でも、卒業noteとも関係のある話です。

この記事の発端は、僕は「アンラーンとリスキリングは本質的に同一」と捉えていたんですが、妻は「アンラーンとリスキリングは同じではない」と反論したので、同様に勘違いされている方もいるかなと思って書いています。



どちらの言葉も、ビジネス界隈で注目というか、近年頻繁に使われるようになった言葉です。

長いので、上の方の違いだけ参考程度に読んでもいいかもしれません。
両者の違いはこの後説明するので、上のサイトは「最近使われている言葉」というのが解ればOKです。


アンラーンとリスキリングの概念図


言葉で説明されてもどうもわかりにくい。
なので、図を作ってみた。

アンラーンとリスキリングのイメージ


アンラーンとは

アンラーン:これまでAでやってきたことも、環境が変わるので一度リセットして学びなおしする


例えば、あなたは看護師です。病院勤務20年のベテランです。
病院を移籍して、新たな環境で新生活を行う場合、過去に所属した施設でのアタリマエと、新施設でのアタリマエがぶつかることがありますよね。
そんなときに行うのが、アンラーンです。

自分のアタリマエを一度忘れ、あなたという新たな経験とこれまでの施設の経験が融合することによって生まれる新たな環境で、より良い環境を構築することです。

この新たな、より良い環境をつくるために
双方がアンラーンし、最適な環境を構築するのが本質です。

つまり、
これまでの状態(過去、固定概念、アタリマエ)に対する執着を卒業し、
未来に向けて現在の状況からより良い状態を目指すことになります。


リスキリングとは

リスキリング:これまでAでやってきたけれども、Bという新たなスキルを身に着け、AとBという自分で活躍する。

例えば、あなたは看護師です。病院勤務20年のベテランです。
少子高齢化の情勢、これからは在宅看護領域の需要が拡大することが見込まれるため、病院とは異なる技術が必要にはなるが、在宅看護師としてのキャリアを歩むことにする。
これが、リスキリングです。

自分のアタリマエを一度忘れ、訪問看護という新たなスキルとこれまでの看護の経験が融合することによって生まれる新たなスキルセットで、より良い活躍を構築することです。

この新たな、より良いスキルセットを構築するために
リスキリングを行い、最適な環境を構築するのが本質です。

つまり、
これまでの状態(過去、固定概念、アタリマエ)に対する執着を卒業し、
未来に向けて現在の状況からより良い状態を目指すことになります。


アンラーンとリスキリングの共通の問題点


既に、お分かりかと思うが、最後の文章は完全に同じである。
つまり、Aという状態、すなわち過去・囚われ・固定概念に執着していてはどちらも成立しないということだ。

過去・現在・未来の自分を如何にメタ認知(客観視)できるか、できていない状態では、アンラーンとリスキリングどちらも上手くはいかないということ。

これが、僕は本質的にアンラーンとリスキリングは同じことだと主張した点になります。


アンラーンとリスキリングの深淵にあるもの


実はこの「執着」を別の言い方で過去にも紹介したことがある。
なぜ、執着してしまうのか。

Immunity of change


現状(A)への執着とは、変化への免疫(抵抗)である。

僕が4年ほど前に読んだ本で、過去の記事にも何度も紹介している。
僕が、ビジネスマンに送るとしたらこの一冊だが、恐らく読んで理解できる人は多くはないだろう。


キーガンだけでなく、リンダグラットンのライフシフトでも同様の指摘、「変化への対応力」と表現されている。

仏教や哲学の言葉も、最近のメタ認知などの言葉も基本的には同じことを言っているに過ぎない。


順番的に、

1.執着(諸法無我)
2.変化への免疫・対応力
3.アンラーンとリスキリング

というように、同じことを言葉を言い換えてきただけだ。

結局のところ自己開示を行い、裏の目的を明らかにし、
そんな自分をぶっ壊すことで身につく能力であろう。
そうだ、”あなた”なんてのは周囲の人があって初めて成立するものだ。

そう、別に新しい言葉でも何でもない。
遥か昔から人類の共通の”難しいこと”としてあり続けているものに過ぎない。
ただ、変化への免疫を本当の意味で乗り越えることは至難の業だ。だからこそ、アンラーンやリスキリングの本当の意味を理解しておいた方が、実行しやすいのではないかと思う。


新たなスキルを身に着けようとしても過去の自分がチラチラこっちを見ている。


例えば、スプラトゥーンでも言えそうだ。
使い込んだブキだが、成長に限界を感じたとしよう。
考えた末、新しいブキを持ってみるものの、上手く扱えず、
やはり手に馴染んだ旧来のブキを手にしてしまうことは無いだろうか。

これまで経験したことのない分野は、
当然、苦労が絶えない。
上手くいかないことで、過去の自分との対比が始まり
つい、元に戻ってしまう。

新しいこと、経験したことないことに対する不安は誰にでもある。
だが、最初はだれでもそうだ。今、自身が持っている、自信のあるスキルでも、最初は上手くいかなかったはずだ。少なくとも過去の自分よりも今の自分の方が上手くできているはずだろう。

そうだ、誰でもやったことが無いことは上手くはできない。


もう一つの視点

なぜ新しいことに挑戦するのか?
リスキリングも新しいブキを持つことも、経験を拡張し環境(ゲーム全体)の理解度を高めることに貢献する。

同じブキに戻ってしまうというのは、アンラーンに近い。
他のブキを試すことで、これまでのブキの良さを再確認することもできるだろう。どちらのマインドの方が拡張(成長)として効率が良いかを考えればよい。

アンラーンをするのか、リスキリングをしてみるのか、どちらが効果的かはその時の状況や人によって違う。ただ、如何に客観的にその成長を感じられるかどうかだ。如何に過去に囚われず、前に向けて進めるかどうかだろう。

つまり、リスキリングをしてみることで、実は結果的にアンラーンしているということがおこる。本質としては過去の自分への執着を卒業するための手段として二つあるだけだと僕は思う。


一番のリスク

それは、逃走と無心だ。
何もしない逃走は、経験値を生まない。
無心でやるのは、効率が悪い。

何事も、向き合って仮説を立て、挑戦することが成果につながる。

いや、もちろん、休息は必要だ。
体力や精神が安定していないなか無心で実行することはリスクというよりもむしろデメリットになるだろう。論外だ。




過去の自分に執着はしないが、決して過去の自分が悪いわけじゃない


過去の自分への執着が悪いだけで、過去の自分はそれでよいですからね。
むしろ、過去の自分を悪者にすることは、執着しているようにも感じます。

「あれはあれでよかった。だから今があるし、これからそれを踏まえてどうするか」を考えることが大事だ。

過去の自分から逃げるのも違う。
現実から逃げるのも違う。
全部自分だから、それを背負って、前へ向かうべきではないだろうか。


最後に


過去の自分や周囲への執着を卒業し、
常に今と未来について考えることで、前に歩き出すことが出来るだろう。

そう、前を向いて歩こう!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?