見出し画像

さぁ乾け!渇け!_rika-012

久々の投稿、理科noteです。

直近では「洗濯」や「水」をテーマに書いてきましたが、洗濯としてもう一つ大事な要素として「乾かす」ことが重要だなと思っていました。
(洗濯については009番代が関連記事になります。)


最近はゲームの記事を上げていますが、乾きの理科を書こうと思った矢先に、そうだ ともさんのこちらの記事が…

冷凍ドリンクを作るために、ペットボトルを洗って乾かしたい。ひっくり返して置いといたってのに、全然乾いてないやん!気持ち悪いやん!
というお気持ちを発信されています。


私にとっては、「汚れを取る」も「乾かす」も同じことなんですが…
この感覚、くろみ庵さんならわかってくれるはず😆


まずは乾くを説明するよ

文字ばっかりだと疲れちゃうから、今日は図で説明するよ。

例えば、まな板にしましょう。まな板の上の水は、放っておくだけで数時間もすれば水は見えなくなります。

乾く_図1-1

図1-1  水はどこへいった!?


実際には水は消滅したわけではなく、目に見えないカタチの「水蒸気」になっています。

乾く_図1-2

図1-2  水蒸気って見えない!


なんで水蒸気になるの!?って思った方は、子供の心を忘れていない!
スバラシイ!
簡単に説明することって難しいんだけど、地球のルールとして、
「ある」は「ない」に流れるからです。

滝など、水の流れは
・水は高い(位置エネルギーがある)ところから低い(位置エネルギーがない)ところへ流れる

風が起こるのは、
・高気圧から低気圧へ空気(風)が流れる

「ある」から「ない」に流れます。

別の言い方をすると、「差」があると差を埋めたくなるとも言えます。


…?解るかな?
さっきの水を拡大してみるよ…

乾き_図1-3

図1-3  こう考えたことってあまりないんじゃない?


拡大してると、水(ある)と水じゃない(ない)部分に見えませんか?
「ある」は「ない」に流れる
つまり、水は空気中に移動しようとします。
これが、乾燥です。


もちろん洗濯の科学でも同じです。

乾く_図1-4

図1-4 デタ!洗濯の科学!

洗った後のTシャツも、乾きます。
繊維に絡まった水が空気中に解き放たれた結果、乾く。

ここまでは、生活の中でも理解しやすい部分だね。


乾かないときの考え方

さぁ、ココからが本番だ!

洗濯物が乾きにくい、そんな事ってあるでしょ!?

洗濯_図2-1

図2-1  干し方下手だと乾かないよね


この状態で乾かして行くと…Tシャツの周りが水蒸気で満たされ、
「ない」が「ある」になっていきます。(正確には平衡になりますがここはわかりやすく)

つまり、Tシャツが含んでいた水=「ある」
Tシャツの周りが水蒸気で満たされている=「ある」
となり、水がTシャツから移動できず、乾きません。

洗濯_図2-2

図2-2  干し方に工夫が必要な理由

部屋干しをすると乾きにくいのは、干している部屋の湿度が高くなり、
部屋中の水が「ある」状態になってしまい、
洗濯物から水が抜けなくなるわけです。
「ある」と「ない」の差がなくなっている状態です。



外に干すことで、Tシャツから発生した水蒸気は、Tシャツの周りだけでなく、ある意味無限に広がる「外」に広がります。なので、ずっと「ビチョT(ある)」と「ない」の状態を作り続ける事ができます。

洗濯_図2-3

図2-3  部屋干しと外干しの違い


部屋干しをする場合は、扇風機などを使って空気を入れ替えてあげることが必要です。じとーっとした部屋と同じくらいの乾き具合にしかなりません。


もひとつ大事な要素「熱」

乾く上で大事な要素、熱です。冬より夏のほうがパリッと乾きますよね。
あれ?冬って外が乾燥しているっていいません?
どうして、乾燥しているのに、夏ほど乾かないんでしょう…。

水などの物質は、熱を加えると、
盗んだバイクで走り出す「尾崎」状態になります。

つまり、熱が高いほど水が水蒸気になりやすいわけです。

更に、水が気化する際に気化熱が発生し温度を下げますので、
冬では洗い物に含まれた水は、より水は水であろうという作用が働きます。

気化熱は、水辺、山の中の清流など、マイナスイオンが出ていそうな場所って、涼しいじゃないですか。もちろん、日が当たりにくいとかもあるんですが、涼しく感じるのは気化熱によって温度が下がるというのも理由の一つです。
マイナスイオンの効果というよりも、適度な湿度とちょっと涼しいことが快適だと思う、ということなんじゃないかと思います。後は、森林による「緑」と、酸素濃度も関係しているかもしれませんね。


ちなみに、除湿をすると涼しくなるのも、部屋が乾燥すると、肌から水分が気化するため、気化熱が発生するから…だとおもいます。


話がそれてしまったので戻しましょう…。


最後に、厄介なペットボトル!

ともさんの記事にコメントしておきました。
コメントでは、ペットボトルの形状についてと、対策としての珪藻土を。

画像8


では、どうして乾きにくいのか説明しますね。

最大の要因は、ペットボトルの形状、
水滴が水蒸気になった後、水蒸気の行き場がないためです。

ペットボトル図3

図3-1  乾かないペットボトルは部屋干しと同じや

下手な部屋干しと同じ状態、空間内が水蒸気で満たされ、水滴が乾いていかない状態が続きますので、何日も逆さにしていたとしても水滴は残ったままになります。

口の部分から、チョロチョロと水蒸気が漏れ出すだけなので、全然乾きません。理想は…

画像10

図3-2 乾かすならコレ

温かい空気をストローなどでペットボトル内に吹き込み、中の空気(水蒸気)を循環させることです。


めんどくせー😅


っということで、ひっくり返したペットボトルの口のあたりに、珪藻土など湿気取りを置くのがいいとおもいます。


まとめ

モノ・洗濯物などを「乾かす」という場合、
実際モノが乾いたか?に注目しがちですが、
濡れていた「その水」はどこへ行くのかを考え、乾かし方を設計すると効率的に乾かすことができるとおもいます。

ペットボトルがキッカケでしたが、洗濯物や風呂場の乾燥も同じです。
理科で快適生活が得られる!という例でしたね😁



それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?