腸内細菌小噺_002 〜あなたの腸内細菌叢タイプは?〜
腸内細菌に興味がある人は聞いたことがあるでしょうか?
エンテロタイプ(エンテロは腸管の意味)という腸内細菌叢の分け方があります。
血液型みたいなもんですが、血液型ほとガッチリしたものではないです。
血液型は赤血球細胞膜上に存在する糖鎖によって分けているものなので、生まれ持った血液型がそうそう変わることはない。
日本の腸内細菌研究の紹介
Peer Borkの研究チームが2011年のNature誌に投稿された。
日本の腸内細菌研究を紹介するって前回言ったと思いますが、なんとこのチームの中に日本人研究者がいます!
現在は東工大にいてる「山田拓司先生」です。
子供向けのコンテンツやバクテロイゴというボードゲームの開発もしています。
紛れもなく腸内細菌研究をリードするバイオインフォマティシャンです。
これも一般の方にとっては大して意味ないんですけどね
エンテロタイプとして3つのタイプが定義されました。
①バクテロイデス、②ルミノコッカス、③プレボテラ
バクテロイデスタイプ:欧米食(肉やあぶら)を主に食べている人たち
プレボテラタイプ:ベジタリアンや穀物を主に食べている人たち
ルミノコッカスタイプ:その中間の食生活
ちなみに、
私はバクテロイデスとルミノコッカスを行ったり来たりしています。
このときは完全にルミノコッカスだったんですけどね…。
この研究がもたらした意味(個人的考察)
不規則的に存在する腸内細菌を統計的にカテゴライズすること、
ある程度の層に分ける → 「層別化」する手法の開発をしたことで
腸内環境の研究の全容を照らしてくれたと思います。
ただ、このエンテロタイプ自体にあまり意味はありません。
食事によっても、母集団によっても変動します。
ただ、腸内細菌研究の母集団として世界のバランスを反映したものか、偏った母集団だったのかというモノサシができたのかなとおもいます。
先日のBlue Pooの論文でも、プレボテラの議論がされていなかったと指摘したのは、このエンテロタイプがあることを知っていたからなんです。
これはデブ体質とかで使われる「F / B 比」というものがありますが、
正直エンテロタイプの方が役に立つと思います。
いつも言うように、たくさん食べたら太りますよ。
そしてもう一つ
決められたエンテロタイプは血液型と違って、変える事ができます。
後に、Rob Knight らが改めてエンテロタイプを考えたように、
ヒト腸内細菌叢を異なるタイプまたは「エンテロタイプ」に分類することは、健康と病気における微生物の変動を理解するための魅力的なフレームワークを提供します。 ただし、ここで説明するように、エンテロタイプの変動をいくつかの個別のクラスターに折りたたむいくつかの異なる方法は、エンテロタイプの分布が連続的であり、個人内で大きく変動する可能性があることを示唆しています。(google翻訳そのまんま)
遺伝子検査などは、一度知ってしまったリスクはどうしようもないです。(確率が◯◯%と出ますが、実際に起こるかどうかはわからない)
ただ、腸内細菌は「私」ではない、大腸という「カラダの外」にいますので、変えることができます。
まとめ
今となっては当たり前になったエンテロタイプ
教科書に載っている研究成果に日本人が関わっているということをまずは知ってほしかったので紹介しました。
今日のはちょっと難しかったかもしれません。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
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