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休校中の授業の鉄則7つ:最大の目的はFoundationづくり(後編)

薄く薄く下地を敷くことだけを心がけた1ヶ月でした。来る第二波に備え、いったんここで仕切り直すためにブログを書いています。不思議なことにリアル以上に今年出会った高校1年生が愛おしく、彼らのためならやれることは何でもやろうと思っています。そのためにオンラインで積み重ねてきたのかもしれません。まさに宇宙の采配です。

さて、こちらが全編でした。今日は5番目の鉄則からです。

Foundation  5)解決的できそうなところから早期に丁寧に補修

オンライン授業の障壁はたくさんあります。デバイス・回線の問題、家族の問題、心理的な障壁、生徒のリテラシー。クラスの生徒もデバイスがスマホだけだったり、PCがガチガチの設定だったり、回線がとっても細かったり、リモートで心細くなってしまったり、リンクをクリックする程度のことが理解できなかったり、いろいろあるはずです。詳しくはわかりませんが、 全員が少しでも参加して欲しかったので、日々個別対応をしました。

自宅に電話してやりとりしながら、Meetに実際接続するまで試す。少しでも不安があればすぐに対応する。愚痴が言いたい人がいればいくらでも聞く。これは誰でもできることではないし、やるべきとも思いません。でも、往復通勤時間200分が浮いた分くらいは働かなきゃ、ってところです。おかげで、最終的には全員がなんらかの形で繋がることができました。双方向は最高で22人中20人、100%ではありません。なんらか=デバイス・心・授業のどれか一つでいいと思います。

Foundation  6)保護者対応、生徒対応

上にあるように、問題があれば生徒対応にいくらでも時間を割きます。というと大変そうですが、実際の時間を測れば定時内に終わる程度。生徒の中にはサボりまくる人もいます。理由はそれぞれだと思うので、わたしは本人が困っていないのなら泳がせます。でも小言は保護者には絶対言わない。そしてオンラインで叱るようなことはしない。叱るっていうのは空気感が絶対だからです。保護者に言いつけて「コイツ参加してませんよw」なんていうのはもってのほか。あくまで困っているところだけを探します。

一方で、保護者懇談はゴールデンウィーク中に希望者だけ行いました。クラスの半分程度ですが、お話しすることができました。一番感謝されたのは、8:30のホームルーム。「前髪セットして、でてきてね。」というのを口癖にしていたせいか、朝早く起きて着替えて身嗜みを整え、勉強に入れるようになったと聞きました。実際は逆で、保護者が応援してくださったからこそ、オンライン授業もいい雰囲気で続いたのだと感謝しています。

Foundation  7)ほんの小さな変化を見逃さない

課題の出し方一つ、返答一つに生徒はSOSを出したり、自分の色を出します。たとえば、課題を出した瞬間提出する生徒は、サボっている生徒よりも気を使って接しています。ものすごく真面目か暇ならいいのですが、いろんな意味で何か伝えたい生徒である場合が多いのです。

また、小テストには今日の自分を振り返ることと、要望や感想・質問を任意で書いてもらっています。その中で質問があればできるだけ早くGoogle SiteやGoogle Classroomに反映させます。お礼の言葉を添えて。そうすることで、リアルな授業でなくても「先生も生徒も共に学ぶ場」に近づけるはずです。

さいごに

でも結局のところ、正解はないのです。大事なのは、「あの先生がオンラインでコラボ授業をしているから」とか、「」というような他人の情報に振り回されないこと。生徒をど真ん中に据え、今必要なことは何かをできる限り拾って返すこと。その先の成長が加速することがあるなら、その要素はなんなのかを導き出すことに尽きます。

それはいわゆる「生解」(せいかい、わたしの造語)であり、先生一人一人、目の前の生徒一人一人によって大きく変わります。形に囚われず、自分の在り方から生み出す1分1分は決して生徒のパケット代や身体的心理的拘束を無駄にするものであってはならない。肝に命じてやっていくべきだと考えています。少なくともわたしは、まだまだ何もできていません。精進します。

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