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ユウグレノート一周年迎えました!
こんにちは。「謎」創作ミステリユニット、ユウグレノートの渡瀬です。
さて、止まったり急に動いたり、オニヤンマのような独自の時間軸で作品リリースを行っている弊サークルですが、めでたく2021年6月1日をもって結成1周年を迎えました~!!
これもひとえに、ユウグレノートのシナリオを遊んでくださったり、Twitterなどで交流してくださった皆様のおかげです。いつもありがとうございます!
思い起こせば一年前、右も左もわからないまま自粛生活の鬱憤をぶつけるかのように、『名探偵本夢写楽~最初で最後の事件~』をリリースしたことで始まったユウグレノートですが、たくさんの方が遊んでくださったことでそのまま深みにはまり、第二作『あの夏のアンタレス』、第三作『サイキック免許更新センターへようこそ』と、合計3本のシナリオをリリースすることができました。
最新作の『サイキック免許更新センターへようこそ』(長いので、以後『サイキック』と略)ですが、本作品のリリースを機として、ユウグレノートは自分たちのシナリオを「プレイアブルミステリー」と呼んでおります。「プレ…ブル…?」となかなかに耳慣れない言葉かと思いますが、完全な造語ですので、ご安心ください。
今日は一周年の記念に、少しこの「プレイアブルミステリー」に込めた意味についてお話したいと思います。
プレイアブルミステリーって?
「プレイアブルミステリー」とは、簡単に言うと「遊べる推理小説」という意味です。そうです。ほぼ直訳です。文法的に合っているかもわかりませんが、心意気としてはそういうことになります。
ユウグレノートのHPには、こんなコピーが入っています。
プレイアブルミステリーって?
推理小説の世界に飛び込んで謎を解く楽しみを全身で味わう、新しいインタラクティブ型ミステリー。登場人物になって実際に事件を捜査し、推理し、提示された謎を解きながら、あなただけの物語のゴールに辿り着くこと。それが目的です。
マダミスの世界では「犯人当て」は重要な要件であり目的となることが多いですが、「プレイアブルミステリー」ではそれも目的の一つ。何よりもミステリの世界に浸って、全身でミステリを体感してもらうことをゴールとしています。
この言葉が生まれた背景
一年前にミステリへの情熱だけでマダミスの世界に飛び込んだ我々ですが、マーダーミステリーがこれだけ広まり、結成当時には思いもよらないほどの数のシナリオが生まれるにつれて、様々なニュータイプも登場して参りました。謎解き要素の強いもの、TRPG要素の強いもの、デスゲームや脱出ゲームを掛け合わせたものなどなど。それは間違いなく、マダミスの発展と進化の証拠なのですが、当然制作者の思惑とプレイヤーの求めるもののミスマッチも出てきたりして、「マダミスってなんだっけ」とマダミスの定義論がTwitterのTLを騒がせることもしばしば。
そんな中、件の『サイキック』をリリースする運びとなり、テストプレイを重ねているうちに「これはマーダーミステリーと言って良いのだろうか?」という疑問に我々もまた突き当たりました。「サイキック」は、マダミスを目指して作成してはいますが、ギミックやストーリーにちょっとした変化技を盛り込んでいます。テストプレイに参加してくださったある方は「これはマダミスである」と断言し、またある人からは「語弊が出るかも」とご心配をいただき、自分たちでもよくわからなくなってきた頃。テストプレイに参加いただいたRabbitholeの酒井りゅうのすけさんから「ユウグレさんは独自のやりたいこと、カラーがあるので、それを名付けたらどうですか」という提案とともに、例えば、と前置きしていただいたのが「プレイアブルミステリー」という言葉でした。
時刻は深夜一時すぎ。ユウグレメンバーもテストプレイ参加者の皆様も、眠い目をこすりながらの時間帯に発されたその言葉は、まさに雷のような衝撃をもって我々を射抜きます。
イイ…!その言葉、すっごく良い…!!
ユウグレがずっとやりたかったこと、「ミステリを遊ぶ」が言葉にされた瞬間でした。
そもそもの話
ユウグレノートのルーツは、メンバーが学生時代に発足した、とある大学の「推理小説研究会」です。いわゆるミス研と呼ばれるサークルですが、研究会と言いながら読書会もミステリ討論も大してせず、ひたすらに「ミステリっぽいこと」をして楽しむ日々でした。有名なトリックを再現実験してメンバーの下宿の設備を壊しかけたり、たまたま出くわしたアクシデントに勝手に事件の匂いを嗅ぎつけて「日常の謎」ごっこをしたり、学食でハンバーグを食べながら轢死と圧死の違いを語ったり、合宿中に連続殺人事件を起こしたり、推理合戦を演劇化したり…。殺し、殺され、「お前が犯人だ!」と互いに指し合う刺激的な関係。ああ、楽しかった。人生で一番、幼少時の夢「しょうらいはめいたんていになる」を体現していた日々でした。
そんな私たちですから、この言葉に出会った時にはすっと腹に落ちる思いでした。そうか、私たちがやり続けていたあのとりとめのないわちゃわちゃは「推理小説を遊んでいた」のか。まさに20年越しの伏線回収です。ユーリカ!
その興奮のまま、わずか12時間後(睡眠含む)にはユウグレのHPに実装されるというスピードをもって、この言葉が採用されるに至りました。
名付け親の酒井さんには、感謝の言葉もありません。本当にありがとうございました。
今後の話
「プレイアブルミステリー」という言葉の良さは、その広さにあります。
ユウグレノートの自己紹介にあるように、マーダーミステリーを中心としつつも、ミステリが体感できるものであればそれは「プレイアブルミステリー」と言うことができます。
夕暮れに現れる、見慣れた街の、見たことのない表情のように、日常をちょっと踏み外したところにあるミステリの世界に、プレイヤーのみなさんをお招きしたい。
(余談ですが、ユウグレノートのテーマカラーは九尾さんがデザインしてくれた「夕暮れ時のオレンジ」ですが、この明るいような暗いような、じっと見ていると異世界に誘われるオレンジが渡瀬は大好きです)
ですので、今後は私たちのルーツである「犯人当て推理劇」や「オンライン謎解き」「エリア周遊型謎解き」なんかも作っていきたいなーと考えています。
そう、ミステリの舞台は無限にあるのだから!
大言壮語を吐きましたが、これからもマイペースながらメンバーで協力して創作活動を続けられればと思っています。
今後ともどうぞ、よろしくお願いいたします。
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