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集大成を迎える友へ

今日は、大学生活の集大成である全日本学生大会に出場する親友に向けて、自分なりの想いを綴っていきたいと思います。

彼との出会いは、小学生の時でした。その当時から柔道が強かった彼と、試合で対戦したことをきっかけにお互いに存在を認識するようになったと思います。中学生の時は、彼が私の中学校と同じ市内の中学校に通っていたこともあり、何度も試合で対戦することがありました。高校に上がってからも団体戦で直接戦ったりと、常に敵チームいた存在だったのが彼です。

しかし、そんな彼は畳を下りれば、友達として気さくに仲良くしてくれました。中学時代から一緒に色々なところに遊びに行ったし、一緒に練習に行くこともあったし、一緒に年を越したこともあります。私は、何度も彼が同じチームだったら良いのになぁと考えたことがあります。こんなことを言うと本人は嫌がると思いますが、彼は小学生の頃から全国大会で活躍し、中学・高校の頃にも全国大会で入賞するような選手で、私から見た彼は輝かしい実績の持ち主でした。いざ柔道をすれば全国クラスで強い選手なのにも関わらず、プライベートではそんなことを感じさせないような性格で、常に明るく人気者だったことを強く覚えています。

そして遂に、大学で同じ大学に入学し、彼とチームメイトになり、彼とたくさんの時間を共に過ごすようになりました。一緒に寮生活をするようになったことで、練習だけでなく、生活の時間も一緒にいることが多くなりました。

そこで見えてきた彼は、私が見ていた彼とは違って、本当に柔道に対して神経質でストイックだったことに驚いたのを覚えています。常に明るく、いつも友達と楽しそうに過ごしていると思っていた彼は、実は本当の彼ではなかったことに気付かされました。自分の周りの人をとても大切にする彼は、誰かといる時に自分よりも他人を優先してしまう。その結果、明るく元気な自分を振る舞ってしまう。私には彼がそんな風に映りました。しかし、その彼の性格のおかげで私は彼と仲良くなれたのだと感じています。
私は、人と関わる時に自分の距離感をとても大切にしています。しかし、彼の気さくな明るい性格は、私のそんな距離感を無視して近づいて来ました。私の人生で、人と自分の距離を自分の思うように保てなかった人は、今までもこれからも彼だけだと思います。

そんな彼が大学生活の集大成である全日本学生大会に出場します。彼の大学生活の約4年間を間近で見てきた私が言えることは、彼は人として、柔道家として、立派だと言うことです。彼の大学生活は順風満帆なものではなかったのを私は良く知っています。怪我に苦しむ姿、階級に苦しむ姿、結果に苦しむ姿。色々な彼を見てきたからこそ、この大会にかける彼の気持ちは、理解したくても理解しきれないと思っています。

中学・高校とあと少しで日本一を逃してきた彼にとって、日本一という称号はどんな意味を持っているのか、日本一という景色がどんな風に見えるのか。彼の多くの時間を共有してもらった私から見ても、柔道にかける、日本一にかける、彼の姿は私には真似が出来ないと思っています。

彼には日本一になってほしいし、彼は日本一になるべき人間だとも思うけど、日本一を目指して多くの時間を費やしてきたのは、他の選手たちも同じだと思います。勝つことで見えてくるものがあれば、負けて見える何かもあるはずです。勝ったから正解とか負けたから不正解とか、彼の4年間はそんな簡単なものではないと思うし、そんな言葉で4年間を語れない程のものを積み上げて来たと思います。
私は、勝ち負けよりも彼が悔いなく、怪我なく、4年間の集大成として、全力で試合ができるのを楽しみにしています。

結果がどうなっても、大晴の学生生活は失敗じゃない。結果がどうなっても、大晴が積み上げてきたものがなくなるわけじゃない。結果がどうなっても、大晴の選択は間違ってたわけじゃない。

大晴らしく。明日はきっと良い日になる✌️

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