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軍隊の兵科(空軍とその他の軍)

皆さまこんばんは、弓削彼方です。
軍隊の兵科の話も今回で最後。
空軍についてと、近年新設されているその他の軍について軽く触れて行こうと思います。

配信のアーカイブでは44:00~最後までが、今回のお話の内容となります。


先に空軍について説明しますと、第二次世界大戦の時にはすでに空軍が存在していた国と、大戦後にようやく空軍が独立した国があります。
これは航空機がまだ新しい兵器であり、陸軍や海軍と同様に独立して運用する価値と必要性があるか不明だった事が大きな理由です。
皆さまの国である日本では、大戦中はそれぞれ陸軍または海軍の中にある一航空部隊と言うことで運用されていました。
ですので、今回の空軍についてのお話は、当時のナチスドイツを参考にお話致します。

■基地司令官
飛行場とレーダーなどの周辺の施設を一括した、航空基地の管理者です。
海軍の時に説明した、鎮守府(軍港)の司令官をイメージすれば大体合っています。
基地の管理や担当する空域に敵航空機が侵入した時の対処など、責任は重大です。
なお、国によっては数個の飛行場を管理する、より上級の空域司令官のような役職が設けられている場合もあります。

■飛行士(パイロット)
戦闘機・爆撃機・偵察機など、実際に航空機を操縦する人達です。
航空機は高価であることと、乗りこなすのに十分な訓練期間が必要だったのもあって、飛行士は士官(少尉以上)の場合が多いようです。

■整備
こちらは航空機を整備する技術者です。
航空機本体は当然、武装の手入れも完璧にこなし、飛行士たちが生還する可能性を1%でも上げるために、常に万全な状態で航空機を使えるようにしてくれる縁の下の力持ちと言えます。

■防空
この防空は戦闘機で敵の航空機を迎撃する役目ではなく、対空砲で航空基地や重要都市を防衛する人達です。
ドイツは対空砲の殆どを空軍が管理していましたので、防空要員は他国より多かったようです。

■警備
これは対地上用の警備部隊です。
比較的安全な場所に航空基地があるので、地上戦が多いわけではありませんが、通常の警備に加え、ドイツですとレジスタンスの活動もあったので基地の対地上用の警備も重要でした。
なお、敵が本格的に侵攻してきた場合は、陸軍の部隊が基地の防衛のために行動してくれます。

その他にも通信・衛生・法務・主計なども、陸軍や海軍と同様に居ました。

■空軍の地上部隊
これはドイツだけと言っても過言ではないぐらいのレアケースですが、空軍にも基地警備より遥かに強力な地上部隊が存在していました。
・空挺部隊
 あの飛行機からパラシュートで降りて来る空挺部隊をドイツでは降下猟兵と呼んでいましたが、この部隊は空軍の所属でした。
 なお他国では、降下した後は当然に地上部隊として戦闘を行うために、空挺部隊は陸軍の所属で、空軍の輸送機で運んでもらうだけと言う場合が殆どです。
・空軍野戦師団
 空軍なのに陸軍と同じように地上で野戦を行うための師団が存在していました。
 陸軍の正規の師団よりは小規模でしたが20師団近くあり、さらに装甲(戦車)師団も1個あると言う不思議な状態ですが、その理由は配信のアーカイブでご確認下さい

以上が空軍に関する解説です。
空軍も陸軍と違い、飛行士だけや整備士だけでまとまっても意味がなく、それぞれが自分の仕事をこなすことで一つの作戦を達成できると言う、役割分担の意味合いが強いのが特徴です。
全てを網羅しているわけではありませんが、以上で陸軍・海軍・空軍の主要三軍の兵科の説明は終わりです。

ここから先はおまけとして、比較的最近に成立した軍について簡単に解説していきます。

■海兵隊
アメリカでは陸軍・海軍・空軍と並ぶ第四の軍と言われる軍です。
元は敵の船に乗り込んで戦う兵士が発展し、海軍が上陸作戦を行う際の上陸部隊や陸戦隊となり、現代では独自に船舶・航空機・陸上兵器を持ち、どこかで異変があればすぐに対応する即応部隊となっているのが、この海兵隊です。
他国でも同じような即応部隊が設立されており、皆さまの住む日本でも日本版海兵隊と呼ばれる「水陸機動団」が編制されたようです。
今後も大規模ではないにしろ、陸海空の全ての機能を備えた即応部隊が重視されていくことでしょう。

■宇宙軍
今後を見据えて空よりももっと高い位置にある宇宙に関連する分野を担当する最近設立された軍です。
今の所は、自国の軍事衛星の管理、他国の軍事衛星の監視、今後他国の衛星への攻撃や、他国の衛星からの攻撃に対する防御を研究ないし実施と言うのが、主な活動のようです。
名前にこそ「軍」と付いていますが、まだまだ小さな部署と言う国が多いようです。

■サイバー軍
こちらも最近設立された軍です。
情報ネットワーク、身近な所で言えばインターネットの保護・監視、ウィルスや他国からの攻撃に対する防御などを担当します。
現代ではネットが使えないだけで国の機能がマヒしてしまうほど、ネットワークと言うものは重要であり必須のものになっています。
こちらもまだまだ小規模ではありますが、重要な任務であるのは間違いありません。


これにて全三回に渡っての軍隊の兵科の解説と、近年新設された軍の簡単な説明を終わります。
時代や各国の制度の違いにより、必ずしも全てを網羅したわけではありませんが、基本的な部分は解説出来たと思います。
こう言う知識をなんとなくでも知っていれば、歴史を学ぶ時により楽しめる事でしょう。

それではまた、次回の講義でお会い致しましょう。

            おまけの兵科の一覧図

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