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大人のランはお金がかかる

大人のランはお金がかかる。

無理はしたくないし
なるべく快適に走りたい

暑い日には帽子がいるし
日焼け止めも必須だし
ズレ防止には股にワセリンを塗る。

今日装着したのは、
といってもそんな大袈裟なものではなく、貼りつけたのは男性用ニップレス。乳首ガードね。

長距離走るとランニングウェアに擦れて乳首が痛むのです。若い頃はずっとサッカーやっていたがユニフォームで痛くなったことはないけれど、ランニングウェアは痛む。通気性と速乾性を兼ね備えた現代テクノロジーが繊細な突起物をアタックするのだろう。かといって普通のコットンTシャツでは汗を吸って不快なことこの上ない。よってそこそこ高い繊維を選ぶのだが、こちらをたてるとあちらが立たず。

乳首を初めて認識したのは数年前にハーフマラソンに初めて出た時だ。

ヘロヘロになってゴールしたあとシャツを脱ぐと両乳首が流血していた。動揺した。認識すると痛みが込み上げてきた。初めてハーフマラソンでは足が辛すぎて乳首にまで気が回らなかった。でも目でみて認知した途端に患部がヒリヒリ痛み出した。このままポロリと取れるんじゃあなかろうかと怖れを抱くほど。

2年目のハーフマラソンでは絆創膏をつけた。走り終わると乳首とはまるっきり違う場所に張り付いていた。

そこでニップレスなのだが
フルマラソンでは効果を発揮した。そのはず。というのは覚えていないから。つまり痛くなかった。

でも先日思い出したのだ。
今月末にひさびさにフルマラソンに出るので練習ランで距離を伸ばしている。20キロ走るとやはりかなり痛むのだ。そうだニップレスを買わないと。とAmazonを開きかけて思い出した。前に買ったのが乳首10個分くらいは残ってるはずだ。

ところでこのニップレスとの触れ合いで気づいたことがある。中学生以来の謎の答えだ。

中学生になるといろんなところに毛が生えてくるものだが、その成長具合の遅い早いで、バカにされたり、バカにしたりして誰もがずいぶんとコンプレックスを感じるものだ。私にとってそれはパイ毛だった。正式名称は知らないが乳首の周りに生える毛だ。胸毛ではない。

まあともかく私はパイ毛が発達した。密度は薄いが黒くて長い毛が生えてきた。昔のカンフー映画に出てくる仙人の顔のホクロに生える毛のようなね。仙人と一緒で自分ではなんか神聖なものに思えて切ることはなかった。

でもプールなんてイヤだったね。いじられるから。当時西武ライオンズで「アジアの超特急」と呼ばれた豪速球投手、郭泰源(パクタイゲン)にちなんでガクパイゲンなんてあだ名で呼ばれたこともある。

ある日プール授業終わりの自由時間にいつものようにプロレスごっこが始まった。水中ではブレーンバスターズなんて簡単にできるから楽しいんだよね。その時だったもつれあいの中でパイ毛が身体と身体の間に引っかかり、ひとつの乳首分丸ごと抜けてしまったのだ。神聖なものを失った私は生気が抜けるように若い輝きを失い、それ以来、速球を投げることが出来なくなってしまった。そんなわけはない。

中学生の私はこんななんの役にも立たない毛がなんでオレだけ生えてくるんだと己を呪ったものだ。

で先日思った。これってもしかしてこのマラソンのためだったのか?ってね。剛毛があれば乳首ガードになる。でもね必要な時にはもう当時のように強い毛は生えていないのです。その毛よりさらに役に立たない小さなぽっち2つは無防備なままさらされている。

以上

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