4.映画:ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-

ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-を観てきました。
テーマは尊厳死について。

特別本編映像はこちらです。

ざっと、綾野剛さんと北川景子さんのバディが、尊厳死を行うドクター・デスを追うという話。
予告編、本編映像などから、高齢化が進む日本での“尊厳死”について考えるきっかけになるかな、と思い、劇場へ足を運びました。

ざっくりした感想は、公式サイトで黒塗りされているキャストの方の演技が素晴らしく、その人の演技が始まると映像雰囲気が一気に変わり、役者一人によってここまで雰囲気を変えることができるのか、と圧倒されました。
テーマとして取り上げられている、尊厳死についてというよりは、エンタメに寄った作品の様に感じました。


ーーーー以下ネタバレありーーーー



内容はと言うと、、、
個人的にはナシでした。



高齢化が進む日本の状況から、真剣に尊厳死について向き合い、真剣に考えた方がいいと個人的には思っています。現在、日本国内では、回復の見込みがないとき、治療の施しようがないとき、延命治療を止めると言う方法はあります。しかしながら、薬を使用して尊厳死を行うということは認められていません。

中には、治療法がなく、日本からスイスに赴き、尊厳死を行う方もいらっしゃいます。

自分がその方と同じ、回復の見込みがなく、自分が人として生きていけるかわからない状況に立ったとき、日本の法律で認められている方法にのっとって最期を迎えられるか、と言われると「絶対そうする」とは言えない、と感じています。
そんな中、今回の映画はそれに真っ向からぶち当たっていくと予想していました。

しかし、「尊厳死は悪」というニュアンスが作中では強く、北川さんの「この事件、被害ってどこにいるんですか?」という台詞、そして最後に「私は尊厳死を選ぶかも」という意向を残す以外、観客に考えてみるきっかけを投げかけるシーンはほぼない。
また、ドクター・デスは尊厳死を行うことを患者のためではなく、自分の快楽のために行っていたという結果だった。

もちろん、尊厳死を簡単に認めてはならないし、尊厳死に賛否が生じるのは当たり前だと思っています。製作者の方々の意向や、現在の国内の状況や様々なものがあり、尊厳死をポジティブに捉えないように描かなければならなかったのかもしれない。
でも、きっかけがあまりに少ないのは残念に感じました。

残念に感じた部分もありつつも、木村佳乃さんのダウンメイクや暗い演じ方、それに反する、凛としたメイクと凛とした演技で生じる大きな印象の差に、こんなにも印象が変わるものか、と考えるきっかけを貰いました。
また、柄本明さんの演技は素晴らしく、河川敷を走るシーン、取調室で小さくなったりするシーンは本当に圧倒されました。役者さん一人でこんなにも映画の雰囲気、シーンの雰囲気が大きく変わるものなのか、と肌で感じることができました。残念と思っていた気持ちが吹っ飛びました。

あくまでも個人的な感想だけれど、「エンタメ」として劇場へ足を運ぶのはアリ。しかし、「尊厳死について取り扱った映画」として挑むと少しがっかりするかもしれません。


#ドクターデスの遺産 #映画 #綾野剛 #北川景子 #尊厳死

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