製本するために色々調べたこと【原稿データ作成編】

あまりにも長くなってしまったので、以下の様に分けました。

・原稿データ作成編(ここ)
印刷編
製本編

■はじめに

印刷用データを作るだけなら苦労はしないと思います。
でも、後から電子書籍を作りたくなったときに困るので、はじめから電子書籍向けに対応しておいた方が後々楽になります。

今は紙媒体だけではなく、電子書籍で漫画や小説を読むことも増えましたし、自炊(自分で本の電子化)をする人も増えてきています。電子書籍用を用意すると受け口が増えるので、ぜひ作ってみてくださいね!
(電子書籍版は諸事情により、まだ販売していません。販売したらブログ等にて告知させていただきます)

■電子書籍の作成方法(kindle公式ツールを使う場合)

<手順>
1. PDFを用意する
2. アウトライン化させる
3. 『kindle comic creator』を使って電子書籍形式に変換する

<ぼやき>
なんで、公式ツールがどっちも100MB超えてるの……。
無線LAN(Wi-Fi)でダウンロードする時は回線が混んでいない時にするのをオススメします。(昼間ならまだしも、夜は複数回ダウンロードに失敗してその都度やり直ししたので……)

【注意点1:アウトライン化は必須】
・フォントを埋め込んでも日本語は容赦なく消えますので、アウトライン化は必須です。
windows10標準のPDF仮想プリンタ『Microsoft Print to PDF』で一度アウトライン化したPDFを作成した後、用紙サイズが選べるPDF仮想プリンタ『CubePDF』を使用して適切なサイズのアウトライン化PDFを作成するのがやりやすかったです。

※『CubePDF』はアウトライン化には対応していないらしいですが、用紙サイズが選べるPDF仮想プリンタなら『CubePDF』じゃなくても問題はありません。更に言うなら、用紙サイズが細かく設定できてアウトライン化したPDFができるなら、『Microsoft Print to PDF』と用紙サイズが選べるPDF仮想プリンタを併用しなくて済みます。

【注意点2:容量が簡単に超える】
・不要なページを減らしまくらないと、あっという間に容量が超えます。
例えばGmailの場合は、25MB以内じゃないとAndroidにメール転送(パーソナル・ドキュメント、Send-to-kindle)ができません。
印刷解像度を下げてPDFの容量を減らしたりページを削ったりしてmobiファイルの容量を極力減らす必要があります。

なお、以下の方法は全てできませんでした。

★別のツールを使用
 → まともに表示されず、崩れた状態の2ページ分くらいしか作成できなかった。

★圧縮ツールを使ってmobiファイルの容量を減らす
 → 送れるようになったので、転送後にkindleで閲覧したところ、真っ暗で表示されなかった。

★send to kindle for pcで転送を試みる
 → このツールで、50MBまでのファイルを送れるらしいが、インストール後のログイン画面で『該当するアカウントないよ』って言われたので以降は試していない。(調べたところ、アメリカのAmazonアカウントが必要になるらしい)

★Outlookのメールで転送を試みる
 → 33MBくらいまでしか添付できなかった。

一から自分でデータを作る以外でkindleデータを作る際、正規なツール以外で作った場合はまず表示されないものとして考えたほうが良いです。およそ120ページくらいのPDFから変換した場合はギリギリ25MB以内に収まりました。

■一からデータを作る

※私は『Aozoraepub3』と『威沙』を使用しています。
※2019年03月02日修正。何度も同じミスをしてその都度調べちゃうので手順を修正。改行コードについても補足や変更を入れました。

1. 青空文庫形式のテキストデータを作る
2. (1)でできたテキストファイルを『Aozoraepub3』を使ってmobiデータにする(epubデータを作ってもいい)
3. 電子書籍で問題がなかったら、できたテキストファイルを複製コピーして、威沙のサンプルを元に威沙対応データになるように修正する
4. 「青空→tnf」でtxtファイルからtnfファイルに変換し、本文も含めて変換できたことを確認する。
※PDFファイルに変換するときにエラーが出ないように修正し、印刷がちゃんとできるようにデータを調整する必要があります。

保存形式が、以下のようになっていればOK
文字コード:UTF-8
改行コード:CR+LF
電子書籍なら、2までの手順で済んじゃうよ。早いね。
※文字コードはSHIFT-JISでもいいみたいなんですが、UTF-8の方が文字化けしにくいようです。

『TATEditor』などを使う方法もありますが、青空文庫形式のテキストデータとtnfデータを作成及び編集するだけなら、どのテキストエディタでも問題はありません。
あと、気をつけるなら、フォントの著作権などでしょうか。使用する前にライセンスなどをきちんと確認しておくことをオススメします。

AozoraEpub3
https://www18.atwiki.jp/hmdev/pages/21.html

威沙
http://tokimi.sylphid.jp/
使用に関するライセンスのことはツイートで触れていました。

【威沙での作成方法】
※tnfファイルはテキストエディタで確認や編集ができます。

1.威沙のドキュメントにある『青空文庫対応タグ例.txt』を頼りに修正していきます。tnfにして本文も問題なく変換できていることを確認してからPDFに変換。エラーが出たら修正する。
※2018年11月28日追記→青空文庫形式でtxtファイルを作成する場合は、青空→tnfを使用しないとちゃんと変換されません。(久しぶりにやってみたときにちゃんと変換されなくて焦った……)

2.大見出し、中見出しはtnf変換前に以下のように変更しておく。
(例)○○○(見出し)[#「○○○」は大見出し]

3.画像タグが対応していないので、tnfに出力した後で、以下のように書き換える。(全角<>は半角にしてね!)
(例)<img src="画像" class="illustration" />

4.ファイル最後にある電子辞書用の青空文庫情報部分はいらないので、tnfに出力した後で削除。tnfに変換後、ファイルの冒頭にあるものをマニュアルを参考に書き換える必要があります。

【電子書籍変換するときのポイント】
・表紙をつけるなら、ファイル名を【cover.jpg】としたものを用意すると反映されます。
・電子書籍の場合は、画像でタイトルを設定した方がいいです。また、目次は素直に諦めましょう。
・ページ出力の『表紙画像』『表題』『目次』のチェックは全て外して出力するといいです。

■推敲・校正

はじめは「電子書籍にすると、スマホからいつでも確認できるぜ!」って思っていたんだけどね。
いつでも確認できるってことは基本的に確認しなくなるし、読み進めていくと、思ったよりもスマホ面倒だなと気づきましたので、素直に紙に印刷した方が捗りますね。100均で100枚超えのコピー用紙が売ってますし。

■最後に

データを作るまでは基本的に電子書籍も紙媒体もあまり変わりません。
問題はこれからの印刷・製本です。というわけで、早速印刷編に続きますよ!

<参考ページ>
これを見ながら作りました。

※ここで、文字コード、改行コードを調べました。
青空文庫作業マニュアル【入力編】
http://www.aozora.gr.jp/aozora-manual/index-input.html

※実際に青空文庫形式に原稿データを直すのに見ながら作りました。
原稿から青空文庫形式への編集
http://takenokoshobo.com/kdp/manual_ao_epub/2.html

注記一覧
http://www.aozora.gr.jp/annotation/index.html

AozoraEpub3 で電子書籍を作る方法 その1
http://tjbiz.net/densho/?p=769

※表紙がつけられなくて困っていた時に見つけました。
初心者向けePub簡単作成!ルビも挿絵も大丈夫!青空文庫形式で作るKDP出版基本テクニック
https://kindou.info/12762.html

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