30歳の時、僕の劣等感を払拭してくれた魔法の言葉があります
僕にはどん底から救ってくれた魔法の言葉がある
垣根涼介さんの「君たちに明日はない」シリーズ第4作目永遠のディーバ、そこに出てくる登場人物が言った「もう必要とされなくなった場所にいてはいけない」という台詞がある
それを語るのに少し昔話をしたいと思う
僕は不器用なのにパティシエになったが故に、人よりも倍練習しなければいけなかった
そんな自分を情けなく思ってはいたが
仕事自体は好きだったので、練習も苦では無く、毎日の長時間労働にも耐えれた。
そして2年目に店舗を移す時に、先輩達が激務に耐えきれず、全員退職した。
僕の同期たちは置かれた状況に暗くなっていた
でも、僕はチャンスだと思った
これで自分がなんでも任せてもらえるようになると、毎日練習もしたし、勉強もした
才能よりも根性で道を切り開いた
こんなにも不器用で出来損ないだった僕は、主任として1つの部署を任される様になった
それはもう、自分にも周りにもかなり厳しくやっていた。みんなには怖い先輩と恐れられながら何年もやっていた。
そんな僕に転期が訪れた。
結婚して子供が産まれたのだ。
今までのワーカーホリックが嘘の様に、仕事を終えたら真っ直ぐ家に帰る様になった。
コンテストの為に遅くまで残るスタッフと徐々に距離感がでてくるのを感じた
ある日パートの女の子と揉め、シェフに呼ばれた
その話し合いの中でハッキリとシェフがパートの子の肩を持った事で僕は気がついた
あぁ…ここにはもう僕の居場所は無いな。と
そこからは早かった。シェフに退職の相談をし、とても熱量のある社長さんの紹介してもらい、少し田舎のお店に就職を決めた
田舎の方だったので技術者もいなかった事もあり、とても重宝され、下の子達からも慕われた。
特に問題も無く熱量もない長い1年が過ぎた
でも、いつも心の中はモヤモヤで溢れていた
ある日休みの日に手に取った一冊の本。それが永遠のディーバでした。その中の「もう必要とされなくなった場所にいてはいけない」
稲妻が走ったような衝撃だった。最初のお店は千葉でもNo. 1売れてる程のお店で、そこの主任としてのプライドを持っていた
いや、ただ栄光にしがみついていただけだった。必要とされなくなった場所から必要とされる場所に移ったのに腐っていただけだった
目が覚めた僕はそこからはお客様の為、お店の為、スタッフのために走り回った。不器用な自分の泥臭いスタンスで
誠実に全てに向き合う事に比例して、売り上げも右肩上がりになり、生ケーキの製造責任者として最年少の課長職に就くことができた。
今は縁があって違う場所で働いているけれど、迷った時にはあの魔法の言葉を思い出す。
僕にエンジンをかけてくれた魔法の言葉を
「いま僕は必要とされている場所にいるのか?」
そんな風に自分に問いかける
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