パティシエの息子にして乳製品アレルギーを持つ次男の話
次男は乳製品アレルギーです
彼は小さい頃から保育園に行き、お給食は皆んなと離れた島で食べていました。
彼にとっては普通の事なのだが親としては中々切ない光景でもある。
そんな彼は子供園へ入学し、今は年中になりました。
彼の子供園での2年間はそれはまぁ大変な物で、彼は肌も弱かった。アレルギー対応のお給食を出して頂いてた時にフルーツで肌荒れを起こしてしまった
慌てた先生がアレルギーだと大騒ぎして、お迎えに行く事が何回か続いた。仕事中の奥さんも何回も早退せねばならず困り果ててしまった
アレルギーでは無いと説明しても受け入れてもらえず、小児科でこれはアレルギーでは無いと一筆もらってきて欲しいと
何故かそんな事する必要はないと拒否する小児科と子供園の板挟みにあい、結局次男は僕の手作りお弁当になってしまった。
親として子供には不憫な思いをさせたく無い
遅く帰っても彼のためなら早起きしてお弁当も苦ではないし、イベントの時はちょっとしたキャラ弁にもした
少しずつ食べる量が増えていき、これが美味しかった。これが好きだったと、伝えてくれもした。
そして明日はクリスマス会で特別におやつにショートケーキが出るそうだ。勿論次男は食べれない
子供園の方で、アレルギー対応のケーキを用意していただく事になっていたのだが、昨日の帰りに担任の先生から奥さんがこう告げられた
「みんなのケーキにはサンタが付くのですが次男くんのアレルギーケーキにはつきません。お家の方で用意して頂けますか?」と
奥さんは途方にくれていた。今から何て無理だと僕に泣きついてきた。
「いいよ!僕が作るから」そう、無いところから物を作るのがパティシエである
遅番なので真夜中に家に帰ることになるが、次男の為なら、なんて事はない。
小さい頃から何かとお友達と分けられてきた彼に、バカ親と言われようと僕は特別なサンタを作る
先生からは白い目で見られるだろうが、少しだけ、ほんの少しだけ彼に特別なクリスマスを
明日の昼過ぎ、おやつを配られる彼の笑顔を想像して僕は家路へ急ぐ
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