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七星は駆けて霜月を斬る
冷たく青白い月光が冬の新都平安京を静かに覆う。その下の内裏の一室を燈火が照らしていた。
炎が揺らいだ。少年は剣の柄を握り角髪を揺らし踏み込んだ。相手の青年が剣を振り下ろす。少年は避け懐に飛び込む。木刀の切先が青年の喉元へ迫り、停止した。
「そこまで」
威厳のある声が制止した。少年と青年は声の主に向かって跪いた。少年の白い息が板間へ落ちていく。
「顔を上げよ、我が子よ」
少年は顔を上げた。父、桓
冷たく青白い月光が冬の新都平安京を静かに覆う。その下の内裏の一室を燈火が照らしていた。
炎が揺らいだ。少年は剣の柄を握り角髪を揺らし踏み込んだ。相手の青年が剣を振り下ろす。少年は避け懐に飛び込む。木刀の切先が青年の喉元へ迫り、停止した。
「そこまで」
威厳のある声が制止した。少年と青年は声の主に向かって跪いた。少年の白い息が板間へ落ちていく。
「顔を上げよ、我が子よ」
少年は顔を上げた。父、桓