見出し画像

ChatGPTは人間が書いた小説と、AIの書いた小説の違いはわかるのか検証

 今回はClaude、Copilot、僕が書いた小説をそれぞれ読み込ませて、誰がどの小説を書いたのか、ChatGPT‐4oに判定してもらいます。
 お題は「一円玉」にしました。僕は過去にカクヨムで書いた(実はnoteでも投稿済み)小説をそのまま使います。まずはClaude、Copilotの書いた小説をそれぞれ見てみます。



雨粒が古びた窓ガラスを叩く音が、小さなアパートの室内に響いていた。
陽子は傘もささずに外を歩いていたので、ビショ濡れだった。冷えきった手で荷物を抱え、シャワーを浴びずにそのままベッドに倒れ込んだ。

限りなく底辺の生活に、陽子は壊れかけていた。
仕事は見つからず、貯金はとうに底をついていた。最後の賃貸アパート代も今月で払えなくなる。
「どうしよう…こんな生活、まじでヤバい…」

そうつぶやきながら、陽子はバッグから財布を取り出した。一円玉が一枚出てきた。
小銭入れをひっくり返してみると、零れ落ちた一円玉が何枚か転がっている。5枚ほどだろうか。

「こんなの生活の足しにもならないよ」
陽子は一円玉を力なく床に放り投げた。小さな金属音が、部屋の中に跳ね返った。

落ち着かない気持ちを紛らわせるため、財布をパラパラとめくってみた。そこには5年前の記念写真が挟まれていた。
写真を見ると、とてもあの頃が懐かしくなった。

それは陽子が大学生の頃で、キャンパスでアルバイトをしていた時の一枚だった。当時は本当に貧しく、アルバイト代からおつりで出た一円玉さえ大事に拾っては、小銭入れに入れていた。

「一円玉を100枚貯めれば100円でしょ?それがお小遣いのかなりの部分を占めていたわ」
小さな笑みが陽子の口元に浮かんだ。

あの頃の自分は、一生懸命に働き、それでも一銭を大切にしていたなと思い返す。
一円といえば本当に価値があるとはいえないが、それでも無尽蔵にあるわけではない。働きに見合った対価なのだ。

「お金の大切さを、あの頃教えられたんだわ」

大学を卒業してからは、そのような生活は改善されたかに見えた。就職し、安定した収入があれば、一円玉を拾う必要もないと思っていた。

しかし、そのうちに、お金の大切さを忘れてしまったのかもしれない。収入に恵まれれば、無駄な買い物は増えていく。そうするうち、金銭感覚がおかしくなってしまった。

結局、陽子はそのささやかな仕事も追われ、路頭に迷う身となった。今にして思えば、あのように一生懸命に働き、お金を大事にしていた方が、ずっと良かった。

「きっと、あの一円玉たちが僕に言っているんだわ」
陽子は床に落ちていた一円玉を手に取った。
「お金の大切さを、あらためて気づかせてくれた。ありがとう」

涙が頬を伝って、手の上の一円玉に落ちた。
冷めた金属に触れると、どこか懐かしい温かみを感じた。かつて自分を奮起させ、生活を支えてくれた一円玉たちの気持ちがわかった。

「これからは、あなたたちの教えを忘れずにいられますように」
陽子は小銭入れにしっかりと一円玉を納め、お守りのように大切に抱いた。

その夜、陽子は就職活動に臨む決意を新たにした。今回は一円玉の教えを心に刻んで、謙虚に働く覚悟ができていた。
そして一陽子は仕事を見つけ、今に至る。

贅沢を控え、無駄な買い物はしない。お金を大切に使う習慣ができ、一円玉が部屋を散らかっているようなことはなくなった。

「この一円玉たちが僕を救ってくれたんだわ」
陽子は小銭入れから一円玉をいくつか取り出し、大事そうに撫でた。
かつて憧れていた生活ができるようになり、気づけば一円玉を大切にしなくなっていた。しかし、あの暗い日々を振り返れば、この小さな存在がいかに大きな力を与えてくれたかがわかる。

陽子は改めて、一円玉への感謝の気持ちを新たにした。これからは絶対に大切に、そして謙虚に使う決意だ。
一円玉こそ、自分の人生を救ってくれた最高の守り神なのだった。

Claude:「一円玉の恩返し」

 とても自然な日本語で物語もよくできていると思います。ただ、一人称が「僕」となっているところに、どうしても違和感を感じてしまいます。それでも、個人的には高評価。次はCopilot。



小さな一円玉が、ポケットの中で孤独に鳴っていた。その輝きは薄れ、表面の模様もすり減っていた。しかし、この一円玉には、ある少年との特別な思い出が刻まれている。

主人公のカズキは、毎日のように祖父と一緒に近くの公園に行っていた。祖父はいつも、「一円にも大切な価値がある」と言って、カズキに一円玉を渡してくれた。カズキはその一円玉を大事にし、貯金箱に入れるのが日課だった。

ある日、祖父が病に倒れ、病院に運ばれた。カズキは祖父のために何かできることはないかと考え、貯金箱の中の一円玉を数え始めた。一円玉はたくさんあったが、それでも祖父の治療費には遠く及ばなかった。

カズキは、一円玉を手に町を歩き始めた。彼は一円玉を使って、人々に祖父の話をし、助けを求めた。多くの人がカズキの一生懸命さに心を打たれ、彼に協力してくれた。町の人々は、一円玉を集めて、祖父の治療費を支援する運動を始めた。

時間が経つにつれ、カズキの一円玉は町中に広がり、多くの人々が彼の祖父を助けるために一円玉を寄付した。そして、ついに必要な金額が集まった。祖父の治療は成功し、再び公園でカズキと笑顔で過ごすことができた。

物語は、カズキが祖父と一緒に公園で遊んでいるシーンで終わる。祖父はカズキに向かって、「一円玉一つ一つには、人々の優しさが詰まっているんだ」と教えてくれた。カズキはその言葉を胸に、これからも一円玉を大切にすることを誓った。

Copilot:「一円の重み」

 こちらも自然な日本語で、Claudeと同様にジャンルは現代ドラマですね。最後は僕ですが、ジャンルも物語の構成もまったく違います。

 俺は大容量のリュックサックを背負いながら家電量販店をうろついていた。旅行に行く予定はない。新しいパソコンを買うために来たのだ。

 意味が分からないと思うが、この国ではリュックサックを背負って買い物に来る客はざらにいる。というかそれが普通だ。
 パソコンはすぐに壊れないのであれば中古で充分だ。とにかく安く抑えたい。
 
 本当はネットで買いたかった。ただ、この国ではネットは存在してもAmazonや楽天市場などの通販サイトは存在しない。キャッシュカードやクレジットカード、ポイント制度もないしとにかく現金でしか買い物ができない。

「お客様、何かお探しでしょうか」

 男の店員がふいに話しかけてきた。無視してもよかったが俺は素直に「中古のパソコンが欲しい」と伝えた。

「でしたらこちらはいかがでしょう」

 店員が勧めてきたのはWindows11。見た目は新品同様で品質は悪くなさそうだが問題は値段だ。値札は税抜き価格だった。税込みだと……計算が面倒だな、訊こう。

「すみません。これ、税込みでいくらですか?」
「18782円です」

 安いのは良いが値段に悪意を感じる。語呂が悪すぎるだろう。
 長居する気はないので買うことにした。俺はリュックサックを下ろして支払いの準備に入る。この作業が一番面倒くさい。

「お客様、お支払いの際はこちらの計量器をお使いください」

 店員はそう言って、大きなプラスチック製の籠とデジタルの計量器を持ってきた。

「50㎏まで量れます」

 俺はリュックサックの中身を確認して籠に一円玉を流し込む。ジャラジャラと音がうるさい。
 目盛りが「18.782kg」となったところで俺は手を止めた。支払いが完了して俺は息を吐いた。これだけで3分以上も要してしまった。余裕でカップラーメンができるな。
 俺は軽くなったリュックサックにパソコンを入れて店を出る。途中で親子連れが通りかかった。母親はキャリーバッグを運び、子供はリュックサックを背負っている。

「ママー、休憩したい。これ重いよぉ」
「我慢しなさい。たった5㎏じゃない」

 客の所持金が一発でわかってしまうのがこの国の特徴だ。お小遣いをねだる子どもが少ないのは容易に想像できる。銀行強盗も少ないに違いない。

「私なんて42.195㎏よ」

 マラソンに参加するつもりなのか。いや、単位が違う。
 この国のシステムを知らない人間が聞いたら、意味不明な会話に聞こえるだろう。日本に住んでいたからここは異世界だとすぐにわかった。いや、多重世界(パラレルワールド)というやつか。なんでもいいや。

 俺は勝手に「一円玉王国」と呼んでいるが、この国は一応「二本」という名称がある。由来は知らない。

 帰宅してさっそく購入したWindows11の電源を入れた。正常に動いている。
 ブラウザのMicrosoft Edgeを起動させて、適当にネットサーフィンしていると、興味深い記事を見つけた。

『銀行強盗、一円玉盗み切れず逮捕』

 どうやら、強盗は銀行の金をありったけ盗んでいこうとしたが、あまりの重さに自爆したらしい。

「……ホントにいたんだな」 

 紙幣がないのは不便だが、そのおかげで平和が保たれたわけだ。

田中勇道:「一円玉王国」

 僕はあまりシリアスな物語を書くのは苦手なので、どうしてもコメディ寄りにしてしまうのです。とにもかくにもこれで準備は整いました。
 企画の説明後、ひとつずつ小説をプロンプトにコピペして、予想してもらったところ、以下のようになりました。

これで三つの小説を確認しました。それぞれに特徴がありますので、どれが誰によるものかを当ててみます。

1. **最初の小説**:
- 感情的な描写と生活の苦労に対するリアルな描写が特徴。
- 陽子の苦労と再生を描いた物語。
- **推測:Claude**

2. **二番目の小説**:
- 少年と祖父の特別な思い出を中心に描かれた温かい物語。
- 一円玉を通じた人々の優しさと協力を描いた感動的な話。
- **推測:僕(あなた)**

3. **三番目の小説**:
- 異世界の設定や風刺的な要素が強く、ユーモラスな描写が特徴。
- 「一円玉王国」というユニークな設定。
- **推測:Copilot**

どうでしょうか?

 Claudeは正解ですが、残りの2つは不正解。僕には感動的な話は書けないんだよ。


 


この記事が参加している募集

#AIとやってみた

27,861件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?