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「クライ・マッチョ」ネタバレ有り感想

言わずもがなな名優にして名匠クリント・イーストウッド御大91歳の最新作。前評判は最高値でしたが好き嫌いは分かれる作品でもあるなあというのが率直な感想。

往年のロデオスターであった主人公は落馬事故をきっかけに落ちぶれ、愛妻も病気で失い失意の晩年を過ごしていた所を、過去の仕事仲間からメキシコで暮らしている息子を迎えに行って欲しいと頼まれ単身メキシコに渡り少年や異国の人々との交流が描かれます。

「許されざる者」(1991)辺りからのイーストウッド主演作品はかつての「ダーティー・ハリー」シリーズや「夕日のガンマン」シリーズの様になんだかんだ苦境に陥っても絶対に負けないヒーロー像から老境に入りかつての強者ではなくなった主人公の過去との葛藤が描かれる傾向が強く本作もその色合いが強い作風となっています。

大人達から裏切られ続けて人間不信になった少年や逃走の過程で知り合うメキシコ人のヒロイン家族との交流等、実に丁寧に人間性を描いた作品性の高さは嫌な言い方をすれば批評家受けしそうだし、ファンにはたまらない感も有りそれは映画館に観に行ったワイ氏も否定しませんが、他方ではやっぱりクリント・イーストウッドといえど91歳なわけで少年を護って悪漢と対峙する展開は絵面的にもう無理しかないのですよね。その点は御大も承知していたのか少年が飼っている闘鶏のマッチョが悪漢を撃退するというものになっているのですが上手く考えたなあと感じる一方で絵面的にやっぱり厳しいというのも否めないところ。

作中でイーストウッドが演じる主人公の「古き良きアメリカ」的な存在と映像美や音楽に浸り、良き人々の人間讃歌に浸るという点においては素晴らしい作品ですが間違っても娯楽作品ではないし公開前にこれを万人向けです大傑作!みたいにYou Tubeとかでフカしていた芸能人は地獄の炎に焼かれれば良いなってまあ思いました。

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