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「マークスマン」ネタバレ有感想

リアム・ニーソン演じる主人公の元海兵隊員は凄腕の狙撃手ですが退役後の人生に失敗し愛妻も病で失い鬱々とした日々をアメリカとメキシコの国境地帯にある牧場で過ごしている所に麻薬カルテルに追われた不法入国者の母子と出合ったことがきっかけで少年とともにカルテルの殺し屋の追撃から逃れながら少年の親族が暮らすシカゴを目指すというのがあらすじ。

父性が不在の少年と強い男性主人公の出合い交流別れ、そして少年は少年ではなく男になる。物語定番と言える話で古くは「シェーン」「怒りの荒野」、邦画なら「刑事物語2りんごの詩」「友よ、静かに瞑れ」等々名作良作揃いなのです。

本作も大筋はお約束の展開を全くもって逸脱せず脚本上の意外性は皆無です。また予告編ではさもアクション映画の如く広報されていましたが少年と老海兵隊員の交流が主題でアクションシーンは然程多くありません。

高評価点としては愚直にお約束を守り、落ちぶれて迷う描写もあれど「男」を曲げないリアム・ニーソン演じる主人公は良かったです。元海兵隊員という設定で序盤はM1A(M14ライフルの民間向けモデル)、愛銃を失い行きずりのガンショップで従軍経験者の店主がその場で銃を販売して手渡す事は州法で出来ないわけですが主人公の苦境を察して盗難されたという体にして販売してくれるのですが、そこで武器を補充する際もMINI14かAC556系と思われるM14ライフル系列の武器を選ばせるあたりに製作者のこだわりを感じました。

他方で評価マイナス点としては不法入国者である少年が主人公に反発するくだりを描くのはわかりますが、そのくだりが些か冗長だったように感じます。反発するのはわかりますが目の前で母親がカルテルの殺し屋に殺されたのにアメリカは嫌だメキシコに帰るとか言い出すのはローティーンの少年としてはちょっと幼稚過ぎない?反発を感じるにせよ子供でさえ自分の命がかかっている状況なのがわからない筈無いわけでモヤった次第。

総評として船戸与一や大藪春彦、樋口明雄といった落ちぶれても男の誇りを捨てられない主人公を描いた古き良きハードボイルド作品としてはなかなかだったかなあと。万人向けではありませんがワイ氏的には大好物なジャンルなんですよぬ。

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