2022.12 市井ウォッチ14 サッカーとお葬式
シニア女性らの井戸端会議こそが日本の「世間」の縮図である。 これはそのウォッチの記録である。
▼三苫(みとま)の1ミリ
これを書いているとき、もう日本はクロアチアにPK敗けしてしまっているが、前回のバイトは、世間がスペインに勝った歓喜の雰囲気をひきずる中で入った。
とにかくあらゆるニュース、ワイドショーが、冒頭で「スペインに勝った」「三苫の1ミリ」を報道しまくっていた。
そんな中でマダムから一言。
「ボール、ラインから出てたよね? なんで入ってるの」
\(^o^)/
・・・私だって、スペイン戦を生で見ていたが、あのシーンはそもそも何が問題になってるか分からず、「VAR(ビデオ判定)」がなぜされたのかも分からず(普段サッカーを見ていないため動体視力がない)、そして「イン判定」の理由も分からず「??? まあ、実況の人が『入ったー』って言ってるからいいんだろう」と思いながら試合を見ていた。
後でYahoo!ニュースと数々のニュース解説によって、意味が分かった。
だからマダムのことは笑えない。
しかし!! しかーーーーし!!!!
そこは、さんざん解説されてましたけどーーーーーー!!!!
マダムたちはテレビが大好きだ。パソコンにもネットにもなんとか順応した。スマホもタブレットも持っているマダムもいる。LINEニュースが情報源のマダムもいる。
私だって昭和生まれ、テレビが大好きだ。とにかく暇ならテレビをつける。やっぱりテレビ。
その大好きなテレビが、連日あれだけ報道している「INの理由(FIFA公式見解も出た)」は見ていないのだ。
センセーショナルな物事はとにかく速く上澄みだけ伝わり、地味な事実は全然伝わらない。
人に物事を伝える(分かってもらう)というのがどれだけ難しいことか、お分かりいただけただろうか。
政治家は肝に銘じて置くがよい!!!!!!!
▼追悼 渡辺徹氏
サッカーの話題は秒で終わり(マダム達は基本的にフィギュアスケート以外のスポーツには興味がない)、渡辺徹の話。
私は渡辺徹のことを深くは知らないが、まったく嫌いではないし、子どもの頃からMCとして活躍していたイメージが一番強い。
一通り予想される話題は出た。
・まだ若いのに
・病気
・太って痩せてを繰り返し
・郁恵ちゃん偉い
・・・その後、マダムの1人から衝撃的な話題転換が出た。
「やっぱ、今は家族葬やね。流行ってる」
キタ――(゚∀゚)――!! さすがの目のつけどころーーーーーーーー!!!
そうなんです。
今「先に家族だけで近親葬をして、お別れ会は後日、または、しない」という人が増えている・・・という話は知っていた。それは私は新聞で読んだのだが、コロナ(というたった2、3年の出来事)が、日本人の葬式・見送りに関する感性を変えてしまった、いや実は潜在的に日本人は葬式・葬祭スタイルを変えたがっていたのか・・・というような論調だったと記憶する。
マダムたちは突如いきいきと話し始めた。
あるマダムが「直葬なら40万円(※数字の根拠は不明)」と言えば、別のマダムが「誰を呼んで誰を呼ばないかでモメるらしいのよ」「だったら誰も呼ばないでやりたんやろね」と相槌を打つ。
「昔はお葬式っていったらとにかく人を呼んで、盛大にやるほうがいいっていう感じだったけどねえ~」。
私は頭の中で(結婚式じゃあるまいし、葬式は基本来る者を拒んではダメでは・・・)と思っていた。実際は難しいのだろうが・・・。
▼生前葬しか勝たん
ちなみに私は自分で「60歳で生前葬をする」と決めている。
だって、死んだ後に香典もらっても使えないし、死んだ後に弔辞を読まれてもそれを私は聞くことができない。「すばらしい友人だった」という賛辞は生きているうちに聞きたいし、香典もほしい。
写真も(比較的)若くていいものが使える。生前葬しか勝たんと私は思っている。
この話は友人らにはめちゃくちゃ不評で、「そんなの生前葬ではない」「リサイタル・ディナーショーである」「参列してほしければあなたがお金を払って私たちを招待すべき」と言われている(誰も来てくれないらしい)。。。
生前葬説は、マダムから「私、もうその年越えたわ~」と一笑に付された。
言ったことをそのまま収録しているので、ソースや真偽は不明です。ノーエビデンス。
今週はここまで。
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