日本の家が「寒い」理由。
寒い。
ハンガリーの人に授業で、比較文型を使い、
「日本と、ハンガリーと、どちらが寒いですか?」と聞いたら
「うち? そと?」
と逆に聞かれた。
いわく、
外はハンガリーのほうが寒い。(※緯度は北海道くらい)
しかし、内(家)は日本のほうが寒い。メッチャ寒い。
とのこと。
聞いたら(韓国や北海道と同じで)セントラルヒーティングが発達、行き渡っているので、外がどれだけ雪が降ろうがマイナスになろうが、とにかく建物の中や家の中は半袖でも過ごせるほどなのだそうだ。通りを歩いていても、店やビルのドアが開くと中から暖気が漏れ出てきて暖かさを感じることもあるそうだ。
それを聞いて、私は、最後の心の糸がぷつんと切れた気がした。
そうだよ。
なぜ日本の家が寒いのかは、うすうす分かっている。
昨今は断熱とか気密性を向上させたとかいうけど、そういうことじゃない。
マインドの問題だ。もっと根本的な問題だ。
そもそも、「家を暖かくしよう、冬に家の中が暖かくてもいい」という発想がないんだと思う。
日本では家を造る際「夏対策」に全力を上げてきた。
電気がなかった時代、例えば平安時代のあの貴族の御殿。ぱーーって開け放たれている。壁が無くて、障子だか屏風だかで仕切る。風が通る造りだ。
エアコンがない時代、とにかく蒸し暑い夏を生きるためには、プライバシーがなかろうが、冬に隙間風が吹こうが、「夏の風通しの良さ」がすべてに優先したのだろう。
・・・でも、それ、いつの時代だよ。
電気が日本に普及してからもう100年は経ってると思う。
なんで1000年前の家の造り方、家のマインドを踏襲しているのか。
日本は我慢が美徳の国だ。
不便でも我慢。寒くても我慢。冬とは寒いものなのだ。
昔はもっとひどかった。寒かった。だから多くを望んではいけない。
お風呂場が寒いのも玄関が寒いのもしょうがない。
毎年ヒートショックでお年寄りが亡くなる。脱衣場を暖めましょう。
寒ければ窓に断熱材を貼って、どてらを着よう・・・。
本音で言おう! 省エネとかSDGsとかどうでもいい!!!!
寒いのがいやなんだよ私は!!!!!!
冬になると確実に私の精神状態は悪化し、体調が悪いから何もかもがどうでもよくなり、生活の質も効率もやる気も著しく下がる。
とにかく寒さのせいである。
一人暮らし向けのアパートは寒い。何度も引っ越したが、どこも同じだ。壁も床も薄くて、足元から冷えが伝わってくる。台所が玄関のすぐそばにあるから外の冷気が全部来る。
でも良い家(あたたかい家)に住めないのは、甲斐性がないからしょうがないと思っていた。
冬は寒いものである。だからとにかくみんな我慢すべき。
え、そんなことないのでは・・・?
今まで感じていた日本に対するさまざまなことが一気に噴出して、授業中なのに、心が折れてしまった。
なにもかもうんざりである。
あたたかい国に行きたい。行く。
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