自分の事がよくわかる。

祖父が死んだ。

享年86。ガリガリで「もう駄目だぁ」なんて20年くらいずっと言ってたから、ずっと平気だろうと思ってた。
死の数日前からは夜、死を怖がって祖母に泣きついていた。もしかしたら死神が見えていたのかもしれない。

生まれた時から爺だったのでずっと爺のまま生きていくんだと思ってたけど、爺のまま死んだ。

コロナの影響もあって帰ることもできなかった。
私に死んだ“父”の亡骸をスマートフォンで見せながら泣く母の声で私も少し泣いた。
出棺のときもそうやっていたので、カメラ越しでなく自分の目でしっかり見てくれと伝えた。

それは殆ど本心だったが、やってる事だけは炎上系Youtuberみたいな母を少しだけ止めたかった気持ちもある。

そんな感じなので未だに墓にも行けてないし、遺影も見ていない。

いつもそこに居た祖父の写真が遺影として飾られているのを見たときにはじめて、私は本当の意味で喪失感を味わって、泣くのだろうと思う。

帰るのが少しだけ怖い。

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