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軽い気持ちで1000ピースのパズルに挑んだら大変なことになった【完成後追記あり】

これは、「パズルを始めるときは計画的にね!」という、ド素人パズラーによる覚え書きです。

昨年の夏、ひょんなことから大がかりなジグソーパズルを購入したのですが、「友人宅で集まって挑戦しよう」という始まりだったこと、選んだパズルそのものが初心者にはどぎつい難易度だったことから、完成まで1年近くかかってしまいました。その大変さと、大変すぎるがゆえのおもしろさについて、忘れないうちに書き残しておこうと思います。



はじめに:挑戦したパズル

1000ピースのジグソーパズルです。
絵柄は、廃墟と化した東京の街並みを描く「東京幻想」シリーズより、東京ビッグサイト。完成サイズは「38cm×53cm」。

手間をかけて組むからには、完成後もバラさずに飾れるような絵柄がいいよね、ということで、額に入れたら映えそうな絵を選びました。
パズルをたくさん置いているタイプのおもちゃ屋さんで購入。


【DAY 1】2023年8月 挑戦タイム:3時間 人数:4人

購入したパズルを友人宅に持ちこみ、夕方ごろからスタート。まずはパズルの基本にならい、「絵柄の端の四辺を固める」という作業から始めます。

とはいえ、1000ピースもあると「端っこのピース」を見つけるだけでも困難を極めるので、「建物」「空」「草」など、ピースを色の属性別に仕分ける人と、そこから探す人で作業の分担をしつつ進めていくことになります。

~パズルの学び Part1~

ピースの仕分けにあたっては、できるだけ多くのピースがひと目で把握できるように大きな器に入れたくなります。これを、パズルを組むテーブルとは別の場所に置けるように、スツールをいくつか持ってきてテーブルの周囲に並べることにしました。(今回の挑戦において、これを「サテライト」と呼んでいた)

さらに、完成まで何日もかかることから、途中経過の大きなパズルを崩さず保存しておけるスペースがあることも前提となり……とにかく場所が要ります。場所を確保してから始めてください。

色の属性ごとにピースを分けたお皿。挑戦を中断するときは、分類したお皿ごとのピースをジップロックに入れて保管していました。
DAY 1の成果。4辺をなんとか組み終えただけでタイムオーバーとなり、「せめてここだけでも…」と探し出した右下の「東京幻想」ロゴが涙ぐましい。


【DAY 2】2023年12月 挑戦タイム:6時間 人数:4人

「すぐに続きをしよう」と話し合っていたものの、挑戦日が何度も延期してしまい、DAY 1から4か月も経ってしまいました。(大人が3人以上集まるというのは大変なこと…。)なので、DAY 1のことはいったん全部忘れた状態で久しぶりに向き合う感じになります。

ちなみに、初めはさほど深いことを考えずに「大きなチラシ紙」を敷いてパズルを組み始めたのですが、こういう大がかりなパズルは「フレーム」(額)を先に用意したほうがいいらしいということが判明し、DAY 1のあとにあわてて購入しました。チラシ紙→フレームの台紙への入れ替え作業がかなり難しかったので、これから始める人はサイズの合ったフレームも必ず事前に用意することをおすすめします。
(↓今回購入したもの)

~パズルの学び Part2~

今回選んだパズル「東京幻想」は、建物・空・草木のどれも色味がとても繊細な絵柄です。環境にもよりますが、今回使用した挑戦部屋では自然光が入らない時間帯になると手もとが暗くなってきてしまい、ピースごとの微妙な色味の差がまったくわからなくなることが判明。

このためDAY 2以降は「昼ごはん後から始めて、日が沈むまでがんばる」というのを基本スタイルにしました。日没後も電気スタンドで手元を照らすことである程度続けられたけど、日が短い冬場はつらい。

属性ごとのピースをお皿に盛っていると、何か「そういう食べ物」に見えてきます。(草は野菜、空はアイシングクッキーなど)
DAY 2の成果。中央部の建物と、「縦に白く流れる滝」を中心に攻略しました。そして、ここまでの進捗から「もう1日やってもまだ終わらないだろう」というのを確信。


【DAY 3】2024年3月 挑戦タイム:6時間 人数:5人

さらに3か月が経過し、年をまたぎ、2年目の春。「なんとか終わらせよう」ということで仲間を1人増やしてスタートしました。

挑戦中盤のトピックとして、「まだ位置は確定できないものの、どの辺りに置くかの見当はついているピース」が出てくるようになります。色などの分類とは別に「分かったコーナー」などといい自分だけ分かる場所にキープする人が現れはじめたのが印象深い。

~パズルの学び Part3~

パズルの絵柄全体の「完成見本」はとても重要な存在です。
基本的にはパッケージの箱絵だけが頼りですが、購入したパズルの場合は箱絵が実寸大の半分以下と小さかったのと、今回のように参加者が何人もいる場合だと常に「ちょっとそれ見せて」になってしまうので参考にしづらい。

当初は「WEBに公開されているパッケージ画像を大画面テレビに映し、みんなで見る」という策をとってみたものの、商品画像そのものがあまり高解像度ではなかったり、静止画を映したテレビ画面が数時間後に自動オフになってしまったり、効率がイマイチでした。

紆余曲折があり、最終的に落ち着いたのが「パッケージそのものを拡大コピーして人数分用意する」という手段でした。さらに、実際のピースの分かれ目に合わせた線も引くことによって、あらゆる位置の目安がつけられるようにしました。この目安線を引いた完成見本は大きな効果を発揮し、「チートの紙」とまでいわれる存在になりました。

DAY 2の終盤に導入されたチート完成見本(B4サイズ)。パズルの箱をそのままコンビニのコピー機につっこんで拡大したものです。
DAY 3終盤の様子。ライトを2灯使って照らしながら組んでいます。テーブルの上の飲みものが危なっかしい。


【DAY 4】2024年7月 挑戦タイム:6時間 人数:6人

再び4か月が経過。さすがに終わらせたいDAY 4、さらに参加者が増えて6人になりました。

「東京幻想・東京ビッグサイト」の難関である「空」と「草」に向き合わないといけない終盤戦。ここからはいよいよ人海戦術という感じになります。「ピースの分類係」「ピースの細かい特徴からピンポイントで当てにいく係」「特徴のない同じ色・形のピースを手当たり次第はめていく係」「それを見守ってほめる係(?)」というような役割でがんばります。

そもそも、パズルってそんな人数でやって効率上がるのか?という気もしますが、ばらばらと好きな時間から参加したり、交代で休憩しながら進める分にはそれほど悪くないと思いました。(6人同時参加はさすがに無理めですが)

~パズルの学び Part4~

今回挑戦した絵柄の場合、終盤は特徴がほぼない「空」のピースばかりになりますが、絵の右側と左側で空の色味が違うことに注目して「上手(かみて)の空」「下手(しもて)の空」という分類をすることにしました。さらに、そこから「白い雲混じりの空」「濃い雲混じりの空」と細かく分類していくことで、次第に数を絞れるように。

数が絞れると、似たようなピースを総当たりではめていく作業でも命中率が上がっていくので、これが連続でヒットしだすと大変盛り上がります。1000ピースの終盤は、この総当たりをいかに効率化していくかといったゲームでした。

全部同じ色と形の「キ」の群れと向き合い続けて頭がおかしくなった。


20時間以上かけた挑戦のラストは、最後の最後に1ピースだけ足りない…というお約束のような出来事がありました。今回はテーブルに広げたパズルの真下からピースが出てきて事なきを得るも、「これはメーカーにお問い合わせか?」と一時はザワついたものです。

1000ピース、完成!


こうして、1000ピースのジグソーパズルがひとまず組み終わりました。ただし、今回完成したパズルはフレームに入れて飾ることにしたので、まだやらなければいけないことが結構残っています。


※ここから8/15追記※

完成後①お姉さんにのり付けを教わる

お家にジグソーパズルを飾るため、完成後は「全体をのり付けして固定すること」「フレームに入れて飾ること」の2工程に入ります。

ジグソーパズルののり付け経験がある人って、あまりいないのではないでしょうか? 今回集まっていた6人ともに初めての体験だったので、解説動画を見て学ぶことにしました。

ジグソーパズルが完成したらのりづけしよう!そのやり方を詳しく教えます!【Produced by YANOMAN】

パズルおねえさん的な人が上手に教えてくれる。これにならってのり付けをします。パズル用ののりは、ジグソーパズルに同梱されているものを使えばいいのですが、量がかなり少なめなので、別売ののりを買い足さないとちょっと厳しかったです(後述)。

のり付けのポイントは、絵の外側にたらしたのりを内側に向かって塗っていくこと。逆に、中央→外側に向かって伸ばしたくなりがちですが、これをやるとパズル全体が少し広がって(大きくなって)しまい、フレームに収まらなくなることがあるんだとか。

のり付けが終わった後は、完全に乾くまで1日~2日ほど待ちます。今回は友人宅で組んだパズルを自分の家に持って帰る約束だったので、数日経ってから回収しに行きました。このあと最終的な調整は自宅でやることにして、パズルをいったんフレームの中に入れて持ち帰ります。

緩衝材で包み、なるべく傾けないように寝かせたまま車(バス)に乗せて運ぶこと約1時間。


完成後②飾り方は誰も教えてくれない

のり付けを終えてパズルは完全に乾いたものの、先ほどのセオリー通り外側→中央方向にのりを塗っていった結果か、外周部の塗りがけっこう甘かったらしいことが判明。

パズル全体を持ち上げたとき、のり付けが甘い部分はぼろぼろと崩れてしまいます。

そこで、別売のジグソーパズル専用のりを購入することに。1つ2~300円ですが、Amazonだと最低注文数量が「3個から」に固定されてしまうため、今回はヨドバシカメラで買ってきました。これ1つあれば量の心配がいらなくなるので、マストアイテムといってよさそうです。


追加で塗り直しをして乾くのを待ち、再度パズルを持ち上げては塗りムラを発見し……というのを何度か繰り返し、のり付けが完了しました。のりは、割とたっぷりと塗りたくっても完成時の見た目に悪影響がない反面、何度も上塗りを繰り返すと表面が若干汚くなるので、初めの1回で塗り切ったほうがよさそうです。

全体がパリッと固定できました。


完成したパズルをフレームに入れたら、さあ、飾ろう!ということで、説明書を広げます。フレーム付属のひもを使って飾るらしいですよ。

フレームの取説

しかしこれを見ても、ひもの通し方が書いてありますが、ひもを三角形にして通すことと、これを壁に固定することとが結びつかず、ちょっと悩みました。(単純に画鋲とかでぶら下げられる作りにはなっていないということ?)

例えばこんなふうにして壁に掛けます、という具体例がメーカーHPなどにも書いていなかったため、「おそらくこういうことじゃなかろうか」という自分なりの答えを書いておきます。

壁掛けに使えそうに見える道具、フックの類はたくさん存在するのですが、壁からあまり出っ張らず、耐荷重がそこそこ大丈夫で、2か所で固定できるものがいいかなと思い、ダイソーでそれらしいものを探して買ってきました。

「壁面にしっかり固定ピンフック」(クロスタイプ 小 ×2)、「ハンマーで軽くたたくだけフック」(ピンフック 3本 ×3)
「ハンマーで軽くたたくだけフック」で固定してみます。

2か所にピンフックを固定し、そこからフレームのひもをぶら下げる形で、パズルを飾ることができました。

絵画のような美しさ!

飾ってから1週間くらい様子を見ていますが、傾いたり落ちてくる様子もないので、たぶん大丈夫なはず。これでようやく完成です。

~パズルの学び Part5~

ジグソーパズルを飾るためには、パズル本体の他に「フレーム」「パズル専用のり」「壁掛けの道具(フックなど)」を別途買う必要があります。壁掛けに関しては、常識的なことだからなのか、人それぞれだからなのか、「こうやってやればいいです」という正解がどこにも書いていないのが思いのほか面倒だなと思いました。

今回組んだパズルの完成サイズは「38cm×53cm」。それほど大きくないので、飾る場所を選ぶ楽しさがあります。Amazonでパズルフレームの購入者レビューを見ていたときに「夫婦でジグソーパズルを始めて3ヶ月、我が家が美術館化してきました」と書いている人がいましたが、それ今ならわかるな~。

ジグソーパズルだけじゃなく、何か別のきれいなものを入れて壁に掛けるのもいいなとも思うような学びでした。