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踊る大捜査線(ほぼ)全シリーズ・観る順番メモ【ネタバレなし】

ちょっと前の話になりますが、年末年始にかけ「CSで19年ぶり放送!」という告知を見かけ、フジテレビTWOにて『踊る大捜査線』TVシリーズ全話を久しぶりに観ました。これがなんだかんだで超面白くて、『踊る』熱がたちまち再燃。その勢いで、かつて追いきれていなかったTVスペシャルなども含め、シリーズ完結までをイッキ見してみようと思い立ちました。

とはいえ、『踊る』全作をサブスク配信しているサービスはなさそう(2023年春時点。メインどころは「FOD」にあるものの全網羅にはほど遠く…)なので、久しくお世話になっていなかったDVDレンタルをメインに攻略していった感じです。

『踊る』には“過去編”っぽいエピソードが基本的にないので、最初のTVシリーズを観た後は、ナンバリングされた劇場版を観ていけばストーリーも時系列順になるようになっています。ただし、その間に放送されたTVスペシャル・スピンオフなどの順番が今となってはわかりにくく、これらを含めた通しの時系列を下調べしてから見始めました。

以下、全シリーズをチェックしながら書いたメモを(ネタバレを極力避けた概要とともに)残しておきます。PR用のミニドラマなど、細かいものを含むともっとあるのですが、その辺を入れ出すと全体像がわかりにくくなるので今回は省きました。

【1】『踊る大捜査線』TVシリーズ

1997年1月7日~3月18日放送・全11話
視聴方法:CS放送(フジテレビTWO)
個人的評価:★★★★★

【説明】
ダメなものにはダメと言う新人熱血刑事・青島俊作(織田裕二)が、湾岸警察署のすみれ、和久、真下、そして官僚の室井といった面々とそれぞれ別の形でバディの関係を築きながら事件を解決していくストーリー。1話完結型・全11話による軽快な刑事ドラマ。

【メモ】
・女性/男性像のありかたなど、今見ると古く感じられる部分もありつつ、作品としての面白さは揺るがず。
・すみれさん(深津絵里)、25年経って見てもブレないそのかわいさは衝撃的。
・『新世紀エヴァンゲリオン』から正式に許可をとって流用されているBGM(「Spending Time in Preparation」通称“EM20”)。1回や2回ではなく全編で頻繁に使われている。

【2】『踊る大捜査線 歳末特別警戒スペシャル』

1997年12月30日放送 演出:本広克行 脚本:君塚良一
視聴方法:DVDレンタル
個人的評価:★★

【説明】
年末の湾岸署は事件がいっぱい。「一見、無駄に見える仕事にもひとつひとつ全てに意味がある」的なお話。TVシリーズ終了後初の続編(TV・1話完結)ということで、同窓会を感じさせるお祭り作品。

【メモ】
筧利夫演じる新城賢太郎が初登場。そして稲垣吾郎、広末涼子ほか、当時まだあまり知られていなかった伊藤英明、仲間由紀恵、古田新太など含めゲストが充実しすぎ。

【3】『踊る大捜査線 番外編 湾岸署婦警物語 初夏の交通安全スペシャル』

1998年6月19日放送 演出:本広克行 脚本:尾崎将也
視聴方法:CS放送(フジテレビTWO)
個人的評価:★★☆

【説明】
「青島&和久コンビ」が女性だったらこんな感じ?内田有紀、渡辺えり子主演による初のスピンオフ(TV・1話完結)。いつもの湾岸署刑事課ではなく交通課の奮闘描く。

【メモ】
内田有紀演じる篠原夏美は後のシリーズでレギュラー入りするので、通しで観るならマストの一本。本作特有の「地味だけどちょっといい話」という印象は脚本家が違うことによる影響か。

【4】『踊る大捜査線 秋の犯罪撲滅スペシャル』

1998年10月6日放送 演出:澤田鎌作 脚本:君塚良一
視聴方法:CS放送(フジテレビTWO)
個人的評価:★★★★

【説明】
劇場版第1作の公開直前に放送(TV・1話完結)。「職場の信頼関係」をメインテーマに据えたシリアス寄りのストーリー。青島&すみれの「つかず離れず」の距離感を特にクローズアップしている。

【メモ】
大塚寧々の美しさ。過去の犯人たちが協力者として登場するオールスター要素あり。

【5】『踊る大捜査線 THE MOVIE』

1998年10月31日劇場公開 監督:本広克行 脚本:君塚良一
視聴方法:Amazon Prime Video(課金あり)
個人的評価:★★★★☆

【説明】
TVシリーズ当初から作中の強いメッセージとしてあった「事件は会議室ではなく現場で起きている!」をメインテーマに、これまで以上にスケールの大きな事件を扱った初の劇場版

【メモ】
小泉今日子のインパクト。「お金」と「領収書」のミステリー、そのオチはちょっとひどくない?

【6】『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』

2003年7月19日劇場公開 監督:本広克行 脚本:君塚良一
視聴方法:DVDレンタル
個人的評価:★★☆

【説明】
前作から5年を空けてつくられた劇場版第2作。この間にすっかり観光スポットとなったお台場という舞台、そしてレインボーブリッジ封鎖というわかりやすい大仕掛け。『歳末特別警戒スペシャル』に続く「2度目の同窓会」というおもむきがあり、ファンムービー的な側面がより強まる。

【メモ】
新キャラの管理官・沖田を演じる真矢みきが早々に告げる「事件は会議室で起きてるのよ」というセリフが象徴的。和久さん=いかりや長介はこれが生前最後の出演。

【7】『交渉人 真下正義』

2005年5月7日劇場公開 監督:本広克行 脚本:十川誠志
視聴方法:DVDレンタル
個人的評価:★★★

【説明】
『踊る大捜査線』を冠していないスピンオフ劇場作品。犯罪者との交渉術をきわめたという真下正義(ユースケ・サンタマリア)とテロリストの対決描く。シリーズものの要素もありつつ、「東京を舞台とした地下鉄パニックムービー」を新たに作ったような雰囲気。

【メモ】
『THE MOVIE 2』の劇中に「ネゴシエーターを呼んで!」(by 真矢みき)の一声とともに真下が登場するシーンがあり、そこから派生している。ユースケ以外には『踊る』メインキャストの共通項は少なめ。

【8】『容疑者 室井慎次』

2005年8月27日劇場公開 監督:君塚良一 脚本:君塚良一
視聴方法:DVDレンタル
個人的評価:★★☆

【説明】
『交渉人』に続けて同年に公開されたスピンオフ劇場作品。警察上部の派閥・権力闘争に室井慎次(柳葉敏郎)が巻き込まれる。『踊る』のわちゃわちゃ感が影をひそめる渋い作風ながら、新たな舞台になった新宿北警察署がかなり変な場所でアクが強い。

【メモ】
監督・脚本ともに君塚良一が務めており異色の内容に。ゲスト俳優には田中麗奈、柄本明、哀川翔、八嶋智人、佐野史郎など。

【9】『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』

2010年7月3日劇場公開 監督:本広克行 脚本:君塚良一
視聴方法:Blu-rayレンタル
個人的評価:★

【説明】
スピンオフを除いた、正統続編としては7年ぶりの劇場作品。青島は係長に昇進、亡くなった和久さんに代わる新メンバー追加、さらに湾岸署自体も引っ越しをするという転機の一本。

【メモ】
小栗旬演じる鳥飼誠一が初登場。湾岸署の新キャストには内田有紀、伊藤淳史、滝藤賢一が加わる。本作以降の音楽(サントラ)はこれまでの松本晃彦に代わり菅野祐悟が担当。

【10】『踊る大捜査線 THE LAST TV サラリーマン刑事と最後の難事件』

2012年9月1日放送 演出:本広克行 脚本:君塚良一
視聴方法:Blu-rayレンタル
個人的評価:─(星なし)

【説明】
劇場版第4作の公開直前に放送。14年ぶり&これが最後のTVスペシャル。湾岸署の新メンバー・王さん(滝藤賢一)の結婚にまつわるエピソード。

【メモ】
その番組タイトルは煽りすぎです。

【11】『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』

2012年9月7日劇場公開 監督:本広克行 脚本:君塚良一
視聴方法:Blu-rayレンタル
個人的評価:☆

【説明】
警察組織の隠ぺい体質を暴くことを改めて主旨に据えた劇場版第4作にして、シリーズ完結作。

【メモ】
最後の大物ゲストとして香取慎吾が登場。本作は特にネタバレ要注意であり、考察めいた話を見聞きする前に観るべき一本。

見終えた感想

『THE MOVIE』(劇場版第1作)は、TVシリーズのすぐ後に作られたものと思い込んでいましたが、実際は少し空いていて、その間にTVスペシャルが3本もあったとは今さらながら意外でした。盛り上がってたんだなー。

その『THE MOVIE』がシリーズ全体の盛り上がりのピークにあたる印象で、その後の興行成績で歴代トップになったという『THE MOVIE 2』よりも個人的には好きです。

『THE MOVIE』パンフレット

シリーズを通して見てみると、時期が近いもの同士でも評価がけっこう分かれる感じがあります。中でも「久しぶりに撮った作品」特有のお祭り感は、後年になって冷静に見るとドンチャン騒ぎ感が鼻につく…というのがあったりなかったり。

しかしこうして全部観ることで、あれがよかった・悪かったという議論に参加できるのはやっぱりいいですね。作品自体の評価はともあれ、『THE FINAL』を観たあとは必ず誰かと話したくなると思います。この記事も、そこに至るまでの参考に多少なりなってくれたら幸いです。

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