スーパー講師が見せた教育現場において心理的安全性を一瞬で確保する方法
「心理的安全性」をいう言葉をご存知だろうか?
組織開発に関わる方や部下を持つ管理職の方は、
ここ数年よく耳にする単語だろう。
Google社が数年前に行った生産性調査のプロジェクトでレポートし注目を集めたと言われている。
一次情報を探してみると以下のように記述されている。
出典:re Work
Googleさんに翻訳してもらうと以下のような日本語訳となる。(一部筆者意訳)
心理的安全とは、個人が無知である、無能である、否定的である、または(チームに)混乱を招くと見なされうる行動、振る舞いをしたとしても、てものリスクを冒した結果、また、チームにおいてその個人の安全が確保されるでいう信念を個人が認識することです。心理的安全性が高いチームでは、チームメイトはチームメンバーの周りで危険を冒しても安全だと感じます。彼らは、チームの誰もが間違いを認めること、質問をすること、または新しい考えを提供することに対して誰かを当惑させたり罰することはないと確信しています。
「心理的安全性の確保がチームの成果を高める」ということが言われている。
部下や後輩に対してこの心理的安全性を高めるコミュニケーション手法は、考え方からハウツーまで様々ある。
・話しやすい場作りをしましょう
・役職、立場が上の人から面白い話題提供しましょう
・リーダーから自己開示しましょう
などなど
ポイントは自己開示だと個人的には考えている。
そしてこの自己開示に関して、一気に心理的安全"圏"を突破し、なんなら成層圏まで到達するのではないかという、場面をつい先日目の当たりにしたので、以下にその例を紹介したい。
普段お世話になっているビジネス上のパートナーHさんの話である。
その方は、若くからエンジニア/プログラマとしての経験を積んでおり、並行してプログラミングスクールの講師を務めている。
生徒からの人気が高く、所謂”人気講師”である。
そんな人気講師であるHさんと、とある企業研修(新入社員にプログラミングを教える)を実施した時のことである。
まず私が企画者として、その講座の趣旨や内容をオリエンテーションし、そのあとに講師であるKさんを紹介する。
「とても優秀なエンジニアであり、当社でも人気No1講師です。遠慮なく質問して、色々吸収して下さい」と。
次にマイクを持ったKさんは、開口一番に受講者にこう言った
「みなさん、緊張していると思いますが、自分も緊張しています。
多分みなさんよりも緊張していて、今にも吐きそうです。。。」
優秀なエンジニアであり、人気No1講師という私が付けた”箔”を自ら一瞬で剥がした。
次に2次元の世界が好きなこと、休日はゲームセンターで超人的な速さでパフォーマンスゲームに没頭すること自己紹介していく。
さらに所々でこのネタを引っ張る、引っ張る。
するとどうだろうか、、、
新入社員ということで着慣れないスーツを着て、窮屈そうにしていた受講者が、リラックスし、自分の趣味(結構講師と一致してた)に絡めてプレゼンのネタを考えたり、未完成である点をさらけ出し出来た部分をしっかり発表するという前向きな感じで溢れていた。
講師業とはややもすると、
・専門性
・実績やそこからくる威厳、安定感
• 経歴など
を重視しがちであり、受講者(生徒)との距離が生まれやすい。
一方で、個人が不安や恐れを感じたり、躊躇したり、萎縮する環境では、学習効率が高まることは恐らくない。
特定の分野の知識経験があり、プレゼンテーションやファシリテーションに長けているということは講師にとって必要である。
だがそれ以上に必要なもは、受講者(生徒)との距離を縮めることだと思う。
タイトルに書いた、
スーパー講師が見せた教育現場において心理的安全性を一瞬で確保とは、
「心のパンツを躊躇せずに一気に脱ぐ、そして途中で(心が)寒くなっても脱ぎ続けた状態でいる」ということではないかと思う。
ただし、これはバカをやればいいというものでもない(舐められるだけ)
その場その場に合わせたパンツの脱ぎ方は、やはり経験を積むしかないのだろうと感じている。
お読みいただいてありがとうございました。
@S_YUDAI
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