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ゼンハイザー / SENNHEISER HD25使用感レポ

最近ミキシング作業に加え配信ライブを観る機会も増えてきたので、リスニング兼モニター用のヘッドフォンを1本増やしたいと考えてSENNHEISER(ゼンハイザー)HD25を購入しました。

選んだきっかけはお世話になっている方からの紹介。かなりのロングセラー商品のようで、以前のモデルHD25-1IIから比べるとかなり価格が抑えられているそうな。現行版のHD25と音質が違うとのレビューもありましたが、もとを知らないのでとりあえず試してみることに。

カールコードなど付属品が充実しているHD25 PLUSは5000円ほど高かったので、とりあえずストレートケーブルのみの無印HD25を買いました。サウンドハウスで購入したらなぜかLimited Editionが届いてイヤーパッドが黄色だったりケーブル先端のプラグがカギ型だったりしたのですが、どちらも気に入った仕様だったので全く問題なし。買うときは気をつけてね。

◾️ボーカルをストレスなく聴くことに特化したヘッドフォン

とにかくボーカルをストレスなく聴くためのヘッドフォンという感じ。周波数特性グラフ見たら3kHzが最大15dbくらい、6kHzあたりは最大25dbも凹んでいたので耳に刺さる"さしすせそ"の帯域を削るディエッサーがヘッドフォン自体に搭載されているような感じかな。

ボーカルに関しては驚くほど独立して聴こえる。目立とうとしなくてもがっちりセンターに定位してくれる感じ。そうじゃない音源聴くとどうなるのか検証したい。

逆にそれ以外のザリザリ感(エレアコのピッキングノイズ等)はモロに刺さる。正直この帯域に関してはこれまでの自分の環境だと気になってはいたものの判断がつかなかったから、このヘッドフォンで刺さるならミックスで削る必要ありだと思う。たぶん他の環境でも刺さるから。

◾️低域の処理はもはや魔法

70Hz以下の超低域は気持ちよくカット、可聴域限界までは出してない印象。このヘッドフォンでモタつきをなくせばMIXの仕上がりとしては合格点なのかなって感じ。

ただし100Hz〜200Hzをなんだかいい感じに聴かせてくれるEQっぽい魔法がかかっているので、他の環境で聴いたときにシャープさが失われたりブーミーになりすぎていないか確認が必要だと思う。

ベースの粒立ちは◎で、刺さりすぎない程度に輪郭が出る。のぺっとした音はそのままのぺっと聴こえる。それゆえMIXで使う時は中域の処理に繊細さを求められそう

◾️中域の処理は音程重視で質感は均一

他の環境だと鮮やかに聴こえていたストリングスはやや奥に引っ込むかな。ボーカルに完全にスペースを譲っているような印象。逆に左右に振ったエレキギターの音程はハッキリしているので今まで聴こえなかったオブリのフレーズが聴こえたりする。

笛系は音程もブレッシーさもある程度感じられる。ただしストリングスと同じで距離はちょっと遠い。とにかく質感が人の声に近くボーカルと喧嘩する楽器を遠ざけてる印象。

◾️高域はボーカル特化で削られまくり、隠し味スパイスバレ

超高域のハイも削れるのでそういう系のシンセが音圧下がって聴こえたときはコンプ挿したり細かいEQ挿す目安になるかも。逆にボーカルと干渉しない上の帯域使ったシンセパッドだけ空間的にも異様に輝いてた。そこだけ未知のスペースが空いてるんだよな……インスト聴いたら隠し味のスパイス、全部バレちゃう。笑

◾️ヘッドフォン自体の物理的な仕様

ケーブルがR側から伸びているから他のヘッドフォンと併用するとしばらく混乱しそう、だいたいL側についてるから。

◾️その他ざっくりとした感想

定位がハッキリしすぎて酔う人は酔うかも、ミックスする側が気をつけないとなという感じ。特に左右に振ったシンセのアタックはかなりくっきりする。

ダイナミックレンジに関してはどのパートもほどよくコンプで潰してくれてるような聴き心地、前に出すぎない感じ。このヘッドフォンで聴いてちょっとでも前に出てくるパートは他の環境で聴くと存在感デカすぎかも

センターにかなりきつめのコンプかかる感じなのでボーカルが物凄く聴きやすい反面、息遣いなどの空間処理系の演出がことごとく潰される印象。ハイがかなり削れる。ブレスをノイズの一種として扱う音楽なら問題なさそう。

以上です。リスニング・MIX両方に使ってみてまた改めてレポできたら。
良い買い物をしました!

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