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BGM集 『ID -イド-』 をリリースしました

新しいBGM素材集をリリースしました。アンドロイドと機械都市をイメージしたシンセサイザーBGM集です。TRPGセッションや関連コンテンツ、その他の個人制作物にお使いいただけます。

■ 『ID -イド-』

【収録曲】 全11曲

1. イドの水脈
2. deep inside
3. improvement
4. scrap
5. accident
6. invasion/侵攻
7. 星の導き
8. after the hesitation
9. Cage of MACHINA

[ bonus track ]
10. 星の導き (ish ver.)
11. after the hesitation (ish ver.)

アンドロイドと機械都市をモチーフにしたシンセサイザーBGM集です。4月に正式リリースした『Dの世界』と同じアンドロイド×ディストピアシリーズの中から、緊張感のある楽曲を中心にまとめました。

AIに管理された都市やアンドロイドの出てくる近未来的な世界観の作品におすすめです。

▶︎ 『ID -イド-』 販売ページ

今回の素材集は、映像制作や同人ゲームなどの個人制作物への利用もできます。ぜひTRPG以外の創作活動にもお役立てください!

■ 作ってみた感想

新旧の価値観バトル勃発!調整難しかったー!

単純に「品質を揃える」とか「完成度を高める」といっても、目指す方向性によって無限に選択肢があるのが難しいところだな〜という学びがありました。

裏テーマは《価値観やプログラムの書き換え》。

9曲目のボスバトル曲以外はストックから選んだので、今の自分の感性では入れないところに音が入っていたり足りない部分があったりして、今回の調整で聴き味が変わった曲も多いです!

歴史や文化と同じで、上書きしたものがその後の世界に残っていってしまうので少しだけ緊張しました。ただ手を入れて後悔した曲はなく、使いやすさを重視した調整をしたので安心してお使いいただけたらと思います。

曲のタイトルは英字多め。英字だと覚えにくいという声もあるので使用タイミングを制限しているのですが、アンドロイド×ディストピアシリーズには英字タイトルのものが多いのです。

せっかくなので各曲のセルフライナーノーツも書いておきます!

■ 楽曲の解説・制作秘話

1. イドの水脈

去年の10月に『のーない補完計画2023』の年パスに収録していたもの。大枠は変えず、ループ部分の調整をしました。

本当は『Qualia』(クオリア)という《無意識シリーズ》のBGM集に入れる予定だったのですが、今回のアルバムタイトルをイドにしたのでこちらに入れることにしました。

イドという言葉が昔から好きで、いろんな意味を持たせられるのでここぞというときにタイトルに採用しています。(歌ものとして以前シングルリリースした「眠りのイド」など)

今回は精神分析学におけるイド(無意識の領域にある、本能的衝動や欲求など精神的なエネルギーの源泉)と井戸をかけてます。

導入パートや待機画面、夢や精神世界のシーンに向いていると思います。

2. deep inside

2018年制作の曲。もともとはお蔵入りになってしまったサウンドノベル用のBGMでした。曲自体はほとんど当時と変わらず、ちょっとした調整とマスタリング作業でループ使用時の聴き味を整えました。

精神世界や夢、狂気の最中にいる人の妙に生ぬるい精神の感触を表すのにおすすめ。不穏のほんの入り口のシーンなどにも!

3. improvement

管理されたサイバーシティ向け探索曲。

2023年の1月、TRPG向けのBGM制作を始める直前に書いた曲でした。

リメイクにあたり思考を邪魔しないよう聴き味を調整して、より開けた印象の雰囲気になったと思います。初期案は閉鎖的な地下都市のイメージでした。また、今回のリメイクでループ仕様になりました。

リメイク前のデータは『のーない補完計画2023』に収録しています。

機械音声による施設の案内や、探索・導入パートにおすすめです。

4. scrap

こちらは別シリーズ《DUST 〜警視庁特命捜査課清掃4係》のための曲でしたが、シリーズ自体の方向性を変えて宙ぶらりんになっていたのでこの機会にアンドロイド×ディストピアシリーズに引っ張り込みました。

結構音数が多くてノイジーな曲だったので、聴き味を調整して思考を邪魔しない方向に調整しました。角が取れてよりセッションで使いやすくなっていると思います。

事件発生や犯人の追跡、現場検証など緊迫したシーンにおすすめです。

5. accident

こちらはデジタルパーカッションのみの楽曲です。2015年に作ったものをリメイクしました。音階がなくかなりシンプルな曲ですが、使い所は多いと思います。

ちょっとした危機やバトル前に敵に囲まれるシーン、手がかりを見つけて事態が動きそうなシーンにおすすめです。

6. invasion/侵攻

通常バトル曲。ベースとパーカッションのみのシンプルな構成です。

探り合いや偵察、奇襲のための準備のイメージ。去年の『のーない補完計画2023』にデモ版を収録していて、リメイクでより長時間の使用に耐えうる聴き味に調整しました。

バトルシーン以外にも、作戦会議や取り調べ、敵の登場シーン(バトル前)におすすめです。

7. 星の導き

キラキラして浮遊感のあるドラムンベースの曲です。2021年3月の曲のリメイク。懐かしい!

この曲が一番変わったかも。公開当時はなんの反響もなく箸にも棒にもかからない曲だったのですが、リメイクにあたりテンポを上げて疾走感をプラス。ベースパートを追加してドラムを補強しました。

今の環境では使えないシンセの音色も含まれていたので、差し替えたりしたら完全に新解釈って感じの仕上がりになりました。リメイク前よりもしっくりきています!

Tr.10の架空言語バージョンも、当時の歌唱をそのまま使っているのですが気に入っています。

クライマックスに向けて物語が動き出すシーンや、崩壊する電脳世界からの脱出シーンなどにおすすめです。特殊戦闘でも使えるかも?

8. after the hesitation

真実に近づいた時にかける決意の曲。タイトルに「ためらいの末に」という意味を込めました。

もともとパーカッションの音色が違う「hesitation」というバージョン違いのトラックがあったのですが、リメイクにあたり両方の演出を混ぜて後半にストリングスアンサンブルとシンセベースを加えたロング版として仕上げました。

TRPGのBGMとしてはあまり大きく展開がないほうが喜ばれるというのは承知の上で、真実に近づいたタイミングならこれくらいの演出はしたい……!という欲が出たので!

星の導きの次に原型から変わった曲かもしれません。こちらもTr.11に架空言語バージョンが入っています。

ぜひ、真実が開示されるシーンやラスボス戦前の決意や対話のシーンにお使いください!

9. Cage of MACHINA

書き下ろしのラスボス曲です。いまだかつてなくアップテンポな曲になりました。珍しい!

全てを電子音にすると世界観から浮いてしまうので、骨組みのパーカッションとピアノ、クワイヤボーカルで生っぽい現実感を残しつつ、その他の要素を電子音にしてサイボーグやアンドロイド感を出しています。

管理された機械都市がテーマのBGM集なのもあり、人間的で有機的な要素は残しておきたくて。タイトルは「機械の檻」という意味です。

なんかいい感じのボス曲探してるけどちょっとだけサイバーな感じが欲しいんだよな〜の時に選んでいただけると嬉しいです!

古典的SFですがマザーコンピュータの暴走や、ハッキングされたアンドロイド軍団との戦いなどにもおすすめです。

■ ジャケットデザインの話

今回はなんと! 協賛企画「マキナ・カルタ」の主催・つきのわむくさんがジャケットを描き下ろし&デザインしてくださいました! かっこいい!

クールな未来都市がモノトーンと色収差で描かれていてめっちゃ素敵です。

マキナ・カルタでは世界観を共有したアンドロイドシナリオが多数発表されていますので、これまでアンドロイドものに興味がなかった方もきっとお気に入りが見つかるはずです。

もしぴったりなシーンがあれば『ID -イド-』の曲もセッションBGMとしてお使いいただけると嬉しいです!

▶︎ CoCシナリオ企画『マキナ・カルタ』公式サイト

■ おわりに

楽曲解説書いてたら長くなっちゃいました!

スマホやPCのスピーカーで聴くとあまりわからないかもですが、今回は自分の中で低音の存在感を意識しようキャンペーンを行っていたので今までとちょっと違う音像になったかな〜と思います。特に後半3曲!

イドは今日までリリース記念セールをしているので、よかったら!

ここまで読んでくださりありがとうございました。
ではまた次回!

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