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メキシコ人だったら・・・の精神

日本人はとにかく真面目で、きっちりとしていて、そこが本当に美徳というか、良いところだと思います。仕事でも時間厳守、勤勉が良いとされます。
しかし一方ではきっちりしすぎ、融通が利かない、均一性を求める、他人に厳しい、自他のミスを許容できない、などの悪い面も出てしまうことも多々あると感じます。
私自身、仕事で他人のミスや常識の無さ、ルーズな面に気付くたび、心の中に普段しまっているはずのお局様が、嫌味ったらしく出てきてしまうことがあります。ずっと同じ会社、同じ風土にいるせいか、異なる価値観、異なる行動を許容できなくなっている自分に気付くのです。

そんなとき、学生時代にスペイン語を学んでいた際に、先生から聞いた小話をよく思い出すようにしています。

『日本では宵越しの金は持たない、って気風のいい江戸っ子のことを言うでしょう?メキシコではね、大晦日になると広場にテントがズラーっと並ぶのだけど、なんだと思う?公営の質屋が立つんです。なぜかというと年越しを迎えるためのお金を工面するためです。みんなクリスマスとかでパーッと使っちゃってね、スッカラカンなんですよ。毎年すごい大行列です。でも別に悲壮感はなくてお祭り騒ぎなんです。
つまり宵越しどころか、宵を越すためのお金をみんな借りるんですよ。信じられない!と思うでしょ?足りなくなることが分かっているなら、前々からちゃんとすればいいのにって思っているでしょ?いいですか、こんなに庶民が将来の為に真面目に貯蓄したり、計画的に節約している人は日本人だけです!
※先生個人(メキシコに20年ほど住み、メキシコ人の奥様を持つ日本人)の感想です。

メキシコ人を一括りにするのもどうかな、とは思いますが、まぁ気質は捉えている気はします。公営とのことなので、役所が施策として毎年行っている支援というか打開案なんでしょう。そう意味ではお国柄かもしれません。

ところで話は逸れますが、日本人は世界でも飛びぬけて不安を感じる要素が強いDNAを持っているそうです。地震、洪水といった地政学リスク、そして農耕社会などの理由で太古の昔から綿々と受け継がれているらしいです。

何が言いたいかと言いますと、私たちに美徳として刷り込まれている「節約」「貯蓄」などの精神は、恐らく非常に日本的だろうと思うのです。怖がりで真面目で不安症な気質が、非常時、将来の為にそうさせているのでしょう。ということは、世界基準で見れば、日本人の考え方の方が異質なわけです。

日本にずっと暮らしていて、ずっと同じ町、ずっと同じ会社、部署、周りの人たちと過ごしていると、当たり前が硬直化します。そうすると自分の価値観で判断し、「信じられない」「そんなの分かりきったことなのに」「少し考えたらわかるのに」etc.と相手を批判しがちになるのですが、それが果たしてあっているのか・・・?

特に文化的な意味での正しいか、間違っているか、に正解は無いですし、働いていう上で常識という基盤を疑ってばかりだと何も決まらず、進みません。
ただ、時折、「考え方が凝り固まったな・・・」「少しのミスに嫌味ったらしく言い過ぎたな・・・」「ちゃんとコツコツできなかったな・・・」と自省したり、へこんだときなどに、先ほどの小話を思い出します。

メキシコ人だったら気にしないだろうな
メキシコ人だったらへっちゃらだろうな
メキシコ人だったら・・・・・・・・・

ちなみに私はメキシコには行ったことはありませんし、友人もいませんので、あくまで小話から膨らませた仮想メキシコ人イメージです。

自分の”常識”に縛られていることに気付ける魔法の言葉になっています。

#仕事の心がけ

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