見出し画像

赤ちゃんが難病と分かったときの手続き

 わが子が難病と診断され、治療が必要になったとき、悲しみ、不安、恐怖、心配…感情の振れ幅が大きすぎて、心の大渋滞が起こってしまいます。
 それでもちょっと落ち着いたときに、生まれてくる赤ちゃんのためにできることを少しずつ考えていくことが大切だと思います。
 特に現実的な問題となるのがお金に関わる手続きです。
 「わが子が大変なときにそんな下世話なことを考えるなんて」と思う気持ちはあるでしょうが、せめてお金の心配をなくすことで、大切な赤ちゃんのことに集中できるはずです。
 ここでは娘が「先天性横隔膜ヘルニア」と診断された際、娘の入院中にしたことをお伝えしたいと思います。その時の私と同じように悩んでいるご家族が必要な知識はここで得ていただき、赤ちゃんのことだけを考えられるようにするための参考になれば幸いです。

①出産する妻のためにする手続き

 妻は帝王切開で出産することになりました。帝王切開では、通常の出産以外の手術代がかかることになります。
ポイントは以下の通り

①出産育児一時金で出産にかかる大部分は支払われる。(約42万円)
②出産費用ー出産育児一時金の残額を退院時に支払う。
③高額療養費制度があるので、数か月後にそれを超えた額は返ってくる。
④限度額適用認定証を受ければ、数か月待たずに、退院時に支払い限度額を支払うだけで済む。

①まず、出産育児一時金として42万円が出ます。
 お住まいの地域によっては、さらに他の支援金がある自治体もあるようですので、ご確認ください。
※産科医療補償制度に加入していない医療機関等で出産した場合は40.8万円などになる場合があるようです。
②入院時や受診時に病院から案内される「出産育児一時金等直接支払制度」に登録してもらうことで、出産にかかる費用について一時金の範囲内で終わった場合は、お金を支払う必要がなくなります。42万円を超えた場合は差額を支払います。
③帝王切開等で医療費が何十万円もかかった場合でも、高額療養費制度により、所得に応じた一定額以上の支払いは後日返金されます。(下にリンクあり)
④高額療養費制度による返金には数か月がかかります。高額になるとその現金が一時的になくなるのは大変厳しいと思います。その場合は、「限度額適用認定証」を発行してもらうと、退院時は最初から高額療養費の限度額までの支払いをするだけで済みます。(返金を数か月待つ必要がなくなります)
 会社員なら職場で、自営業等国民健康保険の方は役所へ届けることで発行されます。私は職場で申請し、翌日には発行されました。発行されるまでの日数はそれぞれ違いがあるようなので、担当課へ問い合わせてください。

※高額療養費制度について(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/000333279.pdf

②赤ちゃんの治療費のためにする手続き

 ここでは出生届や子ども手当のような一般的なものは省きます。
 赤ちゃん本人の保険証や個人番号が必要になるものも多いので、出産されたらできるだけ早く出産届の提出や保険証の申請をされることをお勧めします。
 ※②③には赤ちゃんの個人番号が必要になります。個人番号は出生届を出せば、すぐに発行されます。個人番号付きの住民票を窓口で発行してもらえば即日確認できます(忘れてもマイナンバーカードがあれば、コンビニでも発行できます)。また郵送でも手続きができます。
 ちなみに下の①②③については、私の場合、先走って資料を集め、病院の事務さんに、必要な手続きがあれば教えてほしい旨を伝えていました。
ポイントは以下の通り

①子ども医療費支給制度(これは一般的なものですが、医療に関わるので)
②未熟児養育医療給付
③小児慢性特定疾病医療費助成

①子ども医療費支給制度(自治体によって名称は違うかも)
 保護者の支払う医療費(健康保険の自己負担額)の一部を自治体が支給する制度
 京都市の場合は入院でも通院でも一か月1医療機関につき200円を窓口で支払うだけで済みます。難病で出産・手術・治療した場合でも、これでだいたいはカバーできると思うと病院の事務さんがおっしゃってました。
 申請には赤ちゃんの保険証が必要です。「健康保険被保険者資格証明書」でもいいかもしれません。後者なら保険証ができるまで1~2週間待たなくても申請ができます。
②未熟児養育医療給付
 これは出産後1週間ほどしてお医者さんから手続きを勧められたものです。低体温、低体重、呼吸・循環器・消化器疾患等定められた症状に該当する場合に適用されます。お医者さんが書く「養育医療意見書」が必要になりますので、お医者さんが判断されたら申請するとよいと思います。
 ちなみに私の場合その書類の「治療費概算額」には450万円(!)と書いてありました。桁を見間違えたかと何回も見返しました。
 「日本に住んでてよかった」とつくづく思いました…。
③小児慢性特定疾病医療費助成
 小児慢性特定疾病にり患している児童の医療費の自己負担額の一部を助成する制度です。先天性横隔膜ヘルニアなどの指定難病は当てはまります。
 こちらも医師の「医療意見書」が必要になりますので、お医者さんが必要だと判断すれば申請することになります。
 ちなみに病院では、まだ必要ないと言われたので、結局この助成の申請はしていませんが、私は先走って区の保健所に相談に行ってしまっていました。赤ちゃんの保険証や個人番号がまだ手元に無かったので正式申請はできませんでしたが、担当の方が「事前受付にしておきますね。書類がそろったら持ってきてください。」と言ってくださいましたので、先に相談に行くことでスムーズな手続きにつながるのかもしれません。

子ども医療費支給制度(京都市)

https://www.city.kyoto.lg.jp/hagukumi/cmsfiles/contents/0000067/67393/annai(jap).pdf

小児慢性特定疾病医療費助成(略称;しょうまん)
https://www.shouman.jp/assist/

以上、娘が「先天性横隔膜ヘルニア」と診断されたときに私が行った手続きを列挙しました。参考になれば幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?