LIVE参戦記④2015/2/3 @ club Phase,Tokyo
“Mondovisione”ツアー
東京公演 2015/2/3
絶対にありえない!と思っていた、まさかの来日公演。
来日の第一報を耳にしたのは2014年の11月末。
新曲ビデオ“sono sempre i sogni a dare la forma al mondo”を紹介するRAI(イタリアのテレビ・ラジオ放送局。日本でいえばNHK)のニュースで「年明けは南米、オーストラリア、日本で公演」とアナウンサー。
南米とオーストラリアのワールドツアーはすでに発表されていたが、“Giappone”って言った?? 空耳じゃないよね? 何度も聴き返した。
オーストラリアに行くのなら、ついでに日本に寄ってくれてもバチは当たらないよね、それにアジアに来ずして「ワールドツアー」なんて言えないし、とつねづね思っていた。それに、この年にリリースした新作アルバム “Mondovisione”のブックレットには日本の写真が3枚も収録されているのだ!
しかし、この情報に関する公式発表は何もなし。さては、RAIのガセネタかと疑う。
数週間後、“La Repubblica”(ローマを中心に発行される新聞)のインタビューで Luciano自身が「アジアにもちょっと寄り道する予定」と語ったので、「アジアっつったら、東京でしょ?マジかっ?」と期待が高まる。
そして、ついにファンクラブ向けのクリスマス・メッセージで「東京と上海に行く」と Luciano自身が明言。
実はこのとき、すでにチケットは確保していたものの、ファンクラブおよび公式ホームページではまったく発表はなかった。
ようやく公式発表されたのは、公演まで1ヵ月に満たない、1月12日のことだった。
そして、ついにその日。
Il mio giorno dei giorni!
かねてよりの周到な計画どおり、入り待ちを決行。仕事を半休して午後2時過ぎに高田馬場 club Phase前に到着。すると、所在なげにたたずむイタリア人とおぼしき女性がひとり。
目が合うなり、異口同音に「Ligabue?」
聞けば、2日前にわざわざ公演のためにミラノから東京に来て、翌日帰るというのだ。同類発見!
おたがいに自己紹介して、そんな話をしつつ待機しているところへ、3時過ぎ、いっしょに入り待ちをする約束をしていたイタリア人の友人が到着。当然、ずっとイタリア語で会話。疲れる・・・。
ちょうど、わたしが到着した2時ころにスタッフが先着しており、その会話を小耳にはさんだところ、Lucianoの入りは5時くらいとのこと。
そして、4時ころにバンドメンバーが到着。
Fedeeeeee(目がハート)!!
ほかのメンバーには目もくれず、お目当てのギタリスト、Fedeこと Federico Poggipollini に突進、「sono una tua fan “made in Japan”」と自己紹介すると、“made in Japan”!と笑ってくれた。彼の曲のタイトルのひとつなのだ。そして、彼のソロCD“Caos cosmico”のジャケ写にサインをおねだり。すると“il mio disco~♪”と2回叫んで超ご満悦でサインをしてくれた。よもや東京で自分のCDにお目にかかるとは思わなかったのだろう。あの、笑うとタレ目がさらにタレる、とろけるような笑顔を間近に見られて幸せ・・・。
そしてツーショットで撮影。がしっと抱き寄せられ超接近してうれしそうに写真に収まっているわたし。
すでに興奮状態のなか、ようやく5時過ぎに Luciano 登場!
わたしたちの歓声のなか、はにかんだような表情で車を降り立った。
そのころには数人の日本人ファンも到着してともに待機していたのだが、真っ先に突進して“Mondovisione”のジャケ中面にサインしてもらう。名前を聞いてくれ、Ciao!と入れてくれる。そして友人と3人で記念撮影。FedeとちがってシャイなLucianoの場合は、背中あたりに手が回っている程度。なので、接近度はFedeほどではなかった。
ささやかな差し入れ(さんざん思い悩んだのだが、この日の朝突然思いついて、見た目かわいい練り切り)を入り待ち中に走り書きした簡単なメッセージとともに直接Lucianoに渡す。スタッフに渡すべきかとも思っていたのだが、本場イタリアのファンのアドバイスにしたがって直接渡すことに。“questo è un regalino per te“と言って渡したら、“Grazie”と言われた気がするが、舞い上がっていて記憶が定かではない・・・
数人とはいえ、東京で入り待ちのファンがいたことに明らかに動揺(?)したようすだった。
というわけで、開演前にすでにテンションMAX状態で迎えた本番。マイクスタンドのド正面2列めに立ち位置を確保。Lucianoとの距離は1メートルもない。しかも、ライブハウスなので、ステージの高さは50cmもないだろうか?近い!近すぎる!
開演時間より少し遅れて、“Il sale della terra”のイントロが始まる。ライトダウンのなか、バンドメンバーがスタンバイ。いよいよ! Ligaコール。始まった! すでに気が遠くなりそう・・・
続いて“I ragazzi sono in giro”のおなじみのイントロ。そしておなじみのFedeのギターソロ。おなじみだけど5回目のコンサートにしてライブで聴くのは初めて。感激!
2曲をぶちかましたところで、
「コンバンハ。ココニコラレテシアワセデス。キョウハココニキテクレテアリガトウ」
はにかみつつ日本語であいさつ。しかもカンペなし。
1メートル先ド正面で歌うLucianoといっしょに歌って、手を振り回して踊って飛び跳ねて、
Fedeのギターソロのときは声援を送り、あっという間の2時間。演目はほぼ予測どおり、“Mondovisione”から4曲+ライブのド定番。しかも“Fuori come va?”までの初期の名曲で構成。とくに“Buon compleannno Elvis!”から5曲と最多。2015年はリリース20周年なので意識したのだろうか?前年に続き聴けた大好きな“Quella che non sei”、前年夏のスタジアムでは聴けなかった2曲(わたしたちが歌わされた)、お約束の(immancabile!)MC、“gli oh oh oh a cazzo”の“Marlon Brando è sempre lui”も“Eri bellissima”も聴けたし。わたしの「第1次ヌマ期」の曲目で構成されたのは、偶然だろうか?
また、今回の来日公演では、Niccolò Bossini に代わって、初代バックバンドClanDestinoのギタリスト、Max Cottafaviが参加。FedeとMaxのギターという組み合わせのライブはもしかしたらお初なのでは。Fedeばかり見ていたけれど、初めて見るナマMaxは、DVDで見るよりシブい!
ラストは、前年夏のスタジアム・ツアーと同じ、“Con la scusa del rock'n'roll”。
大好きな曲。バンドメンバーの紹介のあと、「ありがとう」と日本語で2回お辞儀。
「今回のツアーはステージだけでなく、わたしもメンバーもすばらしい経験ができた。
Sempre, Con la scusa del rock'n'roll!」とあいさつ。Scusaなんていらないから、また来てね。
[東京公演セットリスト]
Il sale della terra
I ragazzi sono in giro
Ho messo via
Eri bellissima
Quella che non sei
Ti sento
Una vita da mediano
Il muro del suono
Marlon Brando è sempre lui
Sogni di rock’n’roll
Tu sei lei
Vivo morto o X
Urlando contro il cielo
Viva
Certe notti
Balliamo sul mondo
Tra palco e realtà
Questa è la mia vita
Piccola stella senza cielo
Con la scusa del Rock’n’roll
終演後、入りのときと同様、まずはバンドメンバーが撤収。
Fedeに突進して、Grazieを伝えると、“あ、il mio discoの~”とちゃんと覚えていてくれて感激!
満面の笑顔で握手してくれてお見送り。けど、ほんとはイタリア式のハグがよかったなぁ・・・
続いて、Luciano退場。サイン&写真をねだる出待ちの人だかり。入り待ちして大正解。
Grazieコールのなか、走り去っていくワゴン車。
数時間の入り待ち+オールスタンディングのライブは年齢的にしんどいのでは、と予測していたものの、まったく疲労を感じなかった。
しかも脳内麻薬分泌しすぎのせいか、その夜は睡眠3時間&24時間絶食していたことに翌日気づいたというしだい。
そして、とにかく、本国に勝るとも劣らない盛り上がりで、ほんとうにほっとした。
会場が埋まらなかったり、盛り上がらなかったりして、Lucianoをがっかりさせないか、心配でたまらなかったから・・・。
翌日のANSA(通信社)のインタビューでも、東洋人(平たい顔族?)がイタリア語で歌って踊ってノリノリでびっくりした、と語っていたし、おそらくご本人もこれほどとは予測していなかったのかも。
なによりも、ステージ上からわたしたちを見つめるときのLucianoの満足そうな微笑み。
そうよ、Luciano、あなたにはここ東京にも最高の観客がいる。世界中どこにいってもあなたの観客は、“il pubblico piu’bello del mondo”なんだから。
コンサート後は、SNSに東京公演のネタがアップされるたびに、Luciano本人、もちろんFede、MAX、スタッフにGrazie メッセージを書きまくったけれど、まだGrazieと言い足りない気分。
日頃、イタリアのファンがLucianoにGrazieと連発する気持ちをはじめて実感した。
ところで、2014年10月の北米公演を含め、このワールドツアーにおいて、Lucianoはここ東京でもっともライブ以外の活動をしたのではないだろうか?
InterFMへの生出演をはじめ、日伊双方の(しかも大メディアの)取材を受け、公式にアップされた写真も贔屓目かもしれないが、東京のカットがダントツ多かった気がする。東京発でLucianoの肉声が本国に届いたのはなんとなく誇らしい。ただその分、公式にも非公式にも東京でのプライベートショットが出なかったのが残念。
そして、願わくば・・・
Fedeのファンを名のる、おそらく唯一の日本人であるわたしを、Fedeが覚えていてくれますように(たぶん無理)! 言葉少なだったLucianoのほうが覚えていてくれているような気がする、なんの根拠もない、ただの希望的観測だけど・・・。
その、わたしの根拠レスな希望的観測はのちに大当たりする。
帰国後の2月25日付で、
「そして、完璧なイタリア語の手紙を添えてプレゼントをくれた、日本のファンたち。
日頃は礼儀正しいきみたちが、イタリア語で歌ってイタリアのファンと同じくらいノリノリだったのには、びっくりした。
ほんとうにありがとう」
というメッセージを公式に発表した。
「完璧なイタリア語の手紙を添えてプレゼントをした」わたしのことをやはり覚えていてくれたのだ(と勝手に舞い上がる)!
実際のところ、手紙というようなたいそうなものではなかったのだが。
でも、とにかく!
わたしにとって忘れようにも忘れがたいあの夜に、Luciano自身も強烈な感銘を受けてくれた、というのがなによりうれしい。
それに、謝意を表明してくれたのは南米と日本のファンにだけ。
イタリア系が多く言語的にも近い南米はともかく、わたしたち日本のファンを「イタリア並み」認定してくれたのが誇らしい。
さらに!
Lucianoの誕生日、3月13日に発表されたシングル、“C'è sempre una canzone”の公式ビデオに、なんと、まさに、Lucianoがサインをしてくれているシーンが一瞬登場していて、びっくり!
まさにbella sorpresa!! またもや想定外!
撮影されていたなんて、もちろんまったく知らなかったし・・・
そして、4月14日 発売のCD+DVD ”Giro del Mondo”の1分ちょっとの予告編にも同様のカットが登場!!!
本編のDVDでも、東京公演のもようとオフ映像を使用した、”Tu sei lei”に同様のカットが採用される!
延べ25公演の”Mondovisione”ツアー+バックステージの膨大な映像を編集したこのDVDを見るにつけ、わずか1分ちょっとの予告編にまであのカットをチョイスしてもらえて、あらためて感謝感激感涙!
2014年7月16日のフィレンツェ公演と2015年2月3日の東京公演、4万人収容のスタジアムと300人キャパのライブハウス、そこに居合わせることができた両方のステージが収録されている。
Lucianoにとっても初のワールドツアーというメモリアル的な要素が強い今回のCD&DVDボックス。まぎれもなく、わたしにとってはこのうえもないメモリアルだ。
“Quella che non sei”が、4回目の参戦にしてようやく生で聴けたフィレンツェ公演のヴァージョンというのも、わたしにとってはミラクルな贈り物。
帰国後の5月末~6月初めには、“Giro del Mondo”およびこのころついに発表された、デビュー25周年コンサートCampovolo2015のプロモーションのためにラジオ番組に出演しまくるが、どの番組でも、ワールドツアーの感想を訊かれると、東京公演の熱狂と驚きを語ってくれた。しまいにはMCのほうから「東京では日本人がいっぱい来てくれたんだって?」と振るくらいの鉄板ネタ。「そう、しかも入り待ちしてくれて、ほとんど完璧な手紙を添えたプレゼントをもらった」とわたしのこと(→Scusa per la mia fantasiiiiia)も語ってくれた!
さらに、Campovolo公演直前にRAI1で2回にわたり放送された特番のタイトルがなんと、“Da Tokyo A Campovolo”!Lucianoの東京公演に対する印象の強さが感じられてうれしくてたまらない!
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