「ソース臭い」騒動の顛末
先週のこと、アントネッラ・クレリチという女性がMCをつとめるTV番組で、2010年にサンレモ音楽祭のMCをした際、(彼女が料理番組の司会をしていたから)「ソース臭い」ので、一部の歌手に出演を拒否されてとても傷ついた、と語った。
その「ソース臭い」という発言の主が、我がLigabueだと名指ししたのだ。
誰かがアントネッラにLigabueがそう言ったと伝えたらしい。
「事実でないなら謝罪するし、事実であるなら謝罪を待っている」と。
番組終了後の深夜、Lucianoは公式SNSにコメントをアップした。
「親愛なるアントネッラ、いや、あなたがソース臭いなんて言ったことないし、笑ったら失礼だけど、ほんとうにばかげている。サンレモのあなたが司会の回に出演しなかったのなら、サンレモのほかの回にも出演しなかったからです」
Lucianoは動画で、続けて「サンレモはわたしにかなりの緊張をもたらす。わたしはもっとリラックスできる空間で歌うほうがいい。理由はそれだけです。誰かがこんなことをでっち上げたとしたら残念ですが、もっと残念なのは、あなたがわたしに確かめようともせずに、こんなばかげたことを長い間苦に病んでいたことです」。
さらに「いずれにせよ、このことが事実でないなら、謝罪してくれるそうですが、わたしはあなたの謝罪を受け入れてハグします」。
ゲスト枠での出演はあるものの、Ligabueはサンレモ音楽祭のコンクール部門には出場したことがない。
こんな噂がまことしやかに流れるのは、そのせいであろう。
ファンの間ではLucianoがそういうことを言う人ではないってわかっているとしても、炎上する前に、深夜にもかかわらずコメントを出して即座に火消しした対応はお見事!
SNSでは“Urlando contro il sugo”(ソースに向かって吠えながら)とか”piccolo sugo senza aceto”(酢が入っていない小さなソース)とか “L’odore del sugo”(ソースの残り香)などなど、Ligabueの歌のタイトルをもじった大喜利合戦で盛り上がった。
ところで、ソース臭い(sapere di sugo)って、要するにどういう揶揄なのか、最初はてっきりイディオムだとばっかり思って、いろいろ調べてしまった。
アントネッラが料理番組の司会をしていたということを知っていれば、文字通りの意味だとすぐに理解できたかもしれない。
文法や単語の知識だけでは腹落ちしない、背景の知識がないとぴんとこないことって多い。
日本語でなら「糠味噌臭い」くらいのニュアンスなのかなぁ。
知らんけど。