見出し画像

LIVE参戦記① 2002/7/10 @Stadio Franchi, Firenze

“Fuori come va?”ツアー
フィレンツェ公演 2002/9/10

初めてLigabueのコンサートに行くことができたのは2002年、この年、わたしはフィレンツェ近郊の温泉につかって、ローマで買い物でもして帰国する、というのんきなひとり旅を計画していた。
日程を決め、往復のフライトも押さえたある日、なにげなく公式ホームページを見たら、ちょうどこの間に、目的地に近いフィレンツェで公演があるではないか!
まだ、チケットも残っている!
これは行くしかない!
急遽、ネットで公演チケットを購入し、公演当日はフィレンツェ泊に変更した。

公演会場は、郊外のサッカースタジアム Stadio Franchi
21:00開演だから、終演は23:00過ぎくらいになるはず。
いったい、市内のホテルまでどうやって帰ってこられるのか、4万人も来るんだから、きっとだいじょうぶなはず、と初めてのイタリアでのライブにどきどきしながら、会場に向かおうとしたところ、いきなりバスがストライキ中。
冷静に中央駅までとって返し、タクシーでスタジアムに乗り付ける。
そして、窓口でチケットの引き取り。これも、初めてのインターネット購入で、はたして無事に入手できるのか、どきどき。
20年以上前のことなので記憶があいまいだが、席種は当時は Prato(いわゆる土間のスタンディングスペース)とスタンド席の2種類で、全席自由席であった(と思う。指定席があったら買っていたはずだから)。
16時ころに会場着。わたしはスタンド席のチケットを買ったのだが、まだ人はまばらなので、どのあたりに腰を据えるか、うろうろ。最終的にはステージ下手側のけっこう前のほうに確保した。
開演までステージではなにやら前座の演奏があった気がするが、それまでの約5時間、どうやってヒマをつぶしたのか、まったく記憶にない。
しかも、開演してからの記憶も、興奮のあまりか、ほとんどない。
ひとつは、この年に発売されたばかりのアルバム“Fuori come va?”のお披露目公演だったのだが、わたしはこのCDをこのときの渡伊で購入しようと思っていたため、まだ聴いてなかったので、半分くらいは初めて聴く曲目であった。せっかく名曲ぞろいのこのアルバムをライブで聴けた機会であったのに、覚えていないなんて、いっしょに歌えなかったなんて・・・一生の不覚である!
鮮明に覚えているのは、終わりころに登場した、ライブの定番“Tra palco e realtà”で異様に盛り上がったこと、いちばん好きな“Quella che non sei”を聴けなかったこと、Mel(注1)がオレンジ色の鮮やかなスーツでおしゃれに決めているというのに、Lucianoのステージ衣装がその辺で売っていそうなTシャツだったこと、Fede(注2)はステージ後半でTシャツを脱ぎ捨て、自分の立ち位置である下手から上手まで走りまわっていて、Lucianoより目立つなよ~と思ったこと等々である。

《LIVEド定番曲。1997年ミラノ・サンシーロ公演より 》

終演後は、心配していた帰りの足も、スタジアム前で待機していた、市内までのバスに乗り込めてまったく問題なく、杞憂であった。
こうして、わたしにとっての Ligabue 初ライブは終了。
いまから思えば、La Banda(注3)時代のライブを聴けたのは貴重な経験であった。

注1:メル・プレヴィテ Mel Previte
1964年バリ生まれ。本名はカルメロ Carmelo。12弦ギターやサックスも操るシブいギタリスト。見かけによらず愛らしい歌声でコーラスも担当。ステージではいつもスタイリッシュにきめている。

注2:フェデリコ(フェーデ)・ポッジポッリーニ Federico Poggipollini
1968年ボローニャ生まれ。愛称カピターノ capitano(キャプテンの意)。La Banda 時代から現在にいたるまでかれこれ30年、Lucianoのかたわらでギターとコーラスをつとめる。
ライブではステージを右に左に駆け回り、ソロの見せ場では前面に出て恍惚と奏でる、目立ちたがりナルシスト系ギタリストだが、Luciano を支えるミュージシャンの中でも随一の人気を誇る。
Certe Notti”などのメロディアス間奏、“L’odore del sesso”などの美しいアルペジオはもっぱら Fedeの担当。また、彼の甘い歌声は Lucianoのシブいヴォイスと絶妙にハーモニーを奏で、コーラスとしても欠かせない(と、わたしは思っている)。
2008年ころまではステージ後半、盛り上がると半裸を惜しげもなく披露してくれたが、最近は年齢的にヤバいのか、彼の美しい肉体を拝む機会がなくて、残念きわまりない。


注3:ラ・バンダLa Banda
第2期バックバンド(1994~2008年ころ)
わたしが出会った1997年当時は、このバンドとの活動期だったため、いまだにわたしにとって Ligabueのサウンドはイコール La Banda
彼らとのサウンドづくりは複数のギターを駆使した、メロディアスなアレンジが特徴(と勝手に思っている)。
バンド名はボブ・ディラン&The Bandにちなんでいるらしい。そのまんまイタリア語(笑)。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?