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「ある日突然、喪主代理になったら」〜2日目告別式・火葬場・初七日編〜

前編〜1日目お通夜編〜はこちら

2日目、告別式、葬儀の日。
お盆真っ只中。お天気よく晴れ日和。
寝たけど寝れてないような状態で、お通夜控え室からの起床。喪服等の着替え準備へ。

9:30司会者の方と打ち合わせ。
司会者の方は葬儀の流れを教えてくれるのだが、この方もほんとに優しくて、全部動くタイミングとかは指示するので覚えんくていいですよとか、
故人への想いに集中してもらえたらとか言うてれる人。
お母さんぐらいの女性で、穏やかではあるが、お仕事のできそうな方だった。

次にまた焼香の順位の確認。私スタートで喪主長女という肩書きアナウンス有りにしてもらった。
その後は親戚から一般の人で前から席順でやってもらう事とする。
止め焼香という最後の人もアナウンスがあるので決めるらしく、同行の地域の人にお願いすると聞いてはいたが、誰がやるのか分からなかったので司会の人が受付に直接聞いてくれる事になった。もし議員さんとか偉い人が来る場合、止め焼香がその人になったり、アナウンスがあったり順位が上がるらしい。
たぶん偉い人来ないですと答えといた。

後は、故人の人柄を書くようなシートがあり、それはお母さんが書いてくれたので葬儀場にFAXしてもらった。それをもとに、司会者の人にも人柄で伝えてほしい事を伝えて打ち合わせた。

故人の人柄を聞かれることにより、おばあちゃんとの思い出が思ってたより沢山ある事に気付けて良かった。

葬儀前、親戚からのお供物が増えたので、どこに差し込むか親戚順位の確認有り。
昨日親戚リストも見たし大体分かったので、ここにと指示。まぁなんとて、状況も状況なので細かいところで順位がどうとか言う親戚はおそらくおらん。と思いながら、大体配置。大体。

持って帰るお花の本数を聞かれるので、2つお墓用と家仏壇用でと伝えた。後はお供物を分ける数の指示。来てもらった人+今後家に来てもらった人に渡す分でと多めに分けてもらう数を伝える。

分かった事はもう何でも数の指示が必要なんや。

告別式で来るお寺さんは計3人。
メイン1人、弟子2人
お弟子2人は葬儀後帰るので、告別式前の時点で「諷経料(ふぎりょう)」を2人分お渡しする事になる。←これは香川県での言い方らしい
渡し方は習ってないけど、おぼんに乗せて正座してお坊さん向きに文字が読めるようにお渡ししてみた。
この渡すタイミングは葬儀場の人が呼んでくれた。

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告別式スタート。
がんじがらめの緊張と、これからやる事の考える頭と、さすがにここまでくるとおばあちゃんとの思い出が駆け巡り、段取りと悲しみの感情の天秤が激しく揺れる。終始、半泣きか泣いてるかどっちか。

お焼香スタート。ここでちょっと事件。
一緒に祭壇の隣りで立ってくれている叔父さんの珠数の糸が切れてボトボトとこぼれ落ちる。これがまた巨峰ぐらいの大きめの珠数。冷静に拾うしかないが、いとこが半笑いである。

喪主の挨拶。それはさすがに私は諦めた。
司会の方にお願いをして伝えてもらい、わたしは司会の方の隣に1人立ち、喪主不在の件について一礼する事にした。この時も司会の人が細かく指示をくれて、本当に優しい方だった。

そして出棺前、棺に祭壇のお花をいっぱいいっぱい入れる。顔が見れるのはもうここが最後。
さすがに感情が抑え切れず、爆泣き。
家族に見せる用の写メを撮らせてもらう。おばあちゃんはお花を栽培していた人だったので、お花いっぱいにできてよかったと思う。

いよいよ出棺。役割が発動。
・位牌→私
・遺影写真→叔母さん
・骨壷→いとこ
・分骨用骨壷(高野山に納骨する用の小さい骨壷)→いとこの子、おばあちゃんからしたらひ孫
・棺を持ってもらうメンバー→叔父さんやいとこ含む親戚男性6人
が持つ。

火葬場へ行く人数も報告。
おじいちゃんの時のリストを見たり、叔母さんが近しい親戚に声を掛けて人数把握。

私は霊柩車へ。
その他の火葬場に行く人はマイクロバスへ。
マイクロバスはみんな一斉に付くし、便利で良い。

霊柩車については、葬儀屋の方からのお心遣いがあり、来れなかった家族の為に家の近くの道を通ってもらえる事になった。
お母さんにも連絡して、出棺の時間になったら家の近くの側道に出てきてもらう事に。

霊柩車が発車し、家の近くへ。
道の横にお母さんと弟が立っていた。
そのまま通り過ぎるかと思っていたけど、運転手さんの計らいで車を少し停めてくれた。
「ゆっくり見送ってくださいね」
と、運転手さん。お母さんと弟も合掌。
泣いていた。

そろそろ行きましょうかとなった所、そこから見える実家の窓の方を見ると、なんと、療養中のお父さんが手を合わせて見送っていた。

思わずお父さんー!と泣き叫ぶ私。
かなりのソーシャルディスタンスではあるけど、やっと、やっと家族揃って見送る事が出来た時間だった。
本当に良かった。
家の近くを通ってもらう事を提案していただいた葬儀屋さんには感謝でしかない。

ちなみに後日談だが、お母さんは霊柩車と間違えて関係ない普通の黒い車に拝んでたらしい。

霊柩車の運転手さんとは静かな時間を過ごした。
粛々と、火葬場へ。

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火葬場着。
ここまで来るといよいよ終盤なので気持ち的には落ち着いてくる。
でも本当の最後のお別れだ。

火葬場についたらお坊さんもいて、
え!なんで!またなんか渡さないかんのかな?!
とか思ってたら、火葬する前に焼香するのでその時にお経を唱えてくれる為だった。

喪主だけ、焼き場?の前へ。
火葬スタートのボタンは火葬場の方が押してくれるか、自分で押したいか聞かれた。
押してもらうことにした。

火葬スタート。
カギをもらい、1時間半ほど待機へ。

待機時間中は待ち合い室で軽食。
注文をとったりお水配ったりするのは、いとこが手伝ってくれた。有難い。
うどんを頼んでみたが、続いてる緊張でうどんが喉を通らない。
お会計を済ますのも喪主の仕事。

火葬終了のアナウンス。採骨室へ。
サクサクの骨骨になったおばあちゃん。

火葬場の方が足から頭の順で骨の説明を丁寧にしてくれる。
箸渡しで骨壷に入れる事に。骨の近くはまだ温かい。
喪主は全部の骨の骨壷に入れるラスト担当。落とさないかの緊張と集中で張り詰めるが、なんとか遂行。
最後に喉仏の骨を分骨用骨壷に入れて終了した。

位牌は一緒に燃やしてたので、骨壷達と遺影を持ってマイクロバスへ。葬儀場に戻る。
後もう少し。

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葬儀場着。
割とすぐに初七日スタート。

そろそろお経を覚えてくる。
また焼香あり、滞りなく終わる。

初七日では告別式の時に数珠をバラ撒いたおじさんが、お経読んでる時にピロン♩と携帯が鳴るというアクシデントあり。
このおじさんはこーゆー人なのである。

初七日の後、本来なら会食の予定だったがお持ち帰りのお弁当になった。
お弁当と、分けてもらったお供物を来てもらってた方々に渡してお見送り。親戚みんなにお疲れさん言うてもらえてありがたかった。
親戚が帰り叔母さん一家のみになった途端、緊張の糸が切れて最後にまた泣いてしまった。

やっとお家に帰ってきた。
荷物運んだり、お母さんと少し話ししたり、
ぐったり疲れてとりあえず寝た。

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こんな経験中々ないよね。
思った事は喪主はやる事多くて、故人へ想う時間や頭が回らない。
おばあちゃんみたいに、ある程度覚悟があって挑むお葬式ならまだしも、突然死の場合の喪主はもう考えられない。

それでも、葬儀は淡々と粛々と終わる。

本当に大変だったけど、こんな形でも寄り添う事ができて良かったと思う。

誰かの参考になりますように。

おつかれ自分。
おつかれおばあちゃん。

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