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早期経口摂取獲得のための適切な食物形態の選定〜段階的水飲みテストでわかる‼︎〜

皆さん、こんにちは!!
急性期でスーパーSTを目指すyuccoです。
STの仕事と育児、脳外臨床研究会での活動に奮闘中です♫

脳外臨床メンバーから皆さんのもとに、皆さんから患者さんのもとに熱い想いと質の高いリハビリが届くように、バトンを繋いでいます。
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#臨床BATONスーパーST

《はじめに》

以前のブログでは常温水3ccが経口摂取開始の判断となることについてお伝えしました。
経口摂取開始のための嚥下評価ができる状態か否かの判断と、S T訓練開始の判断基準をお伝えしています。なぜ常温水を使用するのかもここに記載しています。よかったら参考にしてください。

早期経口摂取を開始し、経口摂取を実用域にするためにも、今すぐ安全に食べられる食物形態を判断する必要があります。


誤嚥のリスク回避、安全だけを優先するならばゼリーから段階的に上げていけば安全なのではないか?
しかし、安全だけを考えた選択は患者さんにとっては苦痛です。
全粥食や軟菜食が食べられるのにゼリーから始める必要があるでしょうか?

初回から適した食物形態を判断するために、ベットサイドに手軽に行える評価が段階的水飲みテストです。

《段階的水飲みテストによる食物形態の選定》

急性期では入院当日に提供する食物形態の選定をします。その初回嚥下機能スクリーニング検査として実施するのが常温水による段階的水飲みテストです。

ゼリー食での経口摂取開始基準は3cc、全粥とろみ食以上での経口摂取が実用域基準は8ccを目安に食物形態を設定します。

なぜこの水の量で設定できるのかを、臨床経験と病院でのデータ収集からお伝えしていきたいと思います。

《早期経口摂取の重要性》

まずは、なぜ経口摂取が必要なのかを確認したいと思います。
安全に食べられる食物形態を選定することはもちろんですが、可能であれば初回から常食に近いものを提供したいと考えています。


なぜならば、咀嚼が必要な食物を摂取することで口腔機能の廃用予防と腸管の蠕動運動廃用を防げるからです。ラットの研究では、固形物を自由摂取した群と中心静脈栄養(TPN)で1週間絶食にした群との十二指腸の絨毛上皮を比較しました。絶食にした方のラットの絨毛上皮が萎縮し、栄養摂取能力や腸管免疫機能が低下する(東口ほか,2009).


また、十分な栄養が摂取できることで脳へのエネルギーが十分に供給され脳浮腫の軽減が図れます。脳の回復には栄養が必要です。1日の摂取カロリーの25%が脳へ供給されています。

《嚥下食って本当に嚥下しやすい?》

嚥下食といえば、刻み食やペースト状食が思い浮かぶのではないでしょうか?
本当に嚥下しやすいのでしょうか?

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