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【治療レポート⑧】右視床出血による弛緩性麻痺のリハビリ〜運動麻痺の治療の原理原則〜

脳外臨床研究会会長 作業療法士 山本秀一朗
セミナーレポート作成 言語聴覚士 yucco
フルリカバリーを目指し、全国のセラピストと共に成長し続ける脳外臨床大学校で学ぶyuccoです。
脳外臨床大学校、脳外臨床研究会にてセラピストを育成し、自費診療で患者さんをフルリカバリーへと導いている山本先生の治療をレポート化しました。
全国の悩んでいるセラピストや困っている患者さんの力になる学びを届けたいと思いお届けしています♪
皆さんの治療が1ミリでも変わり、患者さんの人生が変わりますように‼︎

《症例紹介》

60代・男性
疾患:右視床出血(保存的治療)
障害:左上下肢麻痺、弛緩性麻痺(急性期入院時はMMT1)
現病歴:仕事中にゴルフカートに乗っている時に急にふらつき転倒し、左上下肢の麻痺発症し救急搬送。
回復期退院後は、独居にて週2回のヘルパーを利用しながら生活している。
発症からは8ヶ月が経過。
趣味:ゴルフ

《運動麻痺の治療の原理原則》

脳卒中の運動麻痺の治療の結論とは、分離運動の練習をする必要があります。
運動麻痺の1番の始まりは弛緩の状態です。
その後、反射が亢進して連合反応や共同運動が起こってきます。
麻痺が治ってくると反射を抑制できて分離運動ができるようになります。

実際リハビリしている時に、分離運動だけ練習しているのでしょうか!?
何の分離運動をすれば歩行が変わるのか!?
よく練習しているのは複合運動。。。。
しかし、何かの分離運動が足りないのです。
キッキングは股関節も膝関節も足関節も足趾も動く、複合運動です。
同じ肘の屈曲運動でも位置によって全く違います。
1つ1つの分離運動ができるからこそ、複合運動ができるのです。
複合運動してしまうと、できないところを代償して運動してしまうので、できないところの運動はずっとできないままになってしまいます。
どの分離運動が必要なのかがわかり、1つ1つの関節運動をする必要があります。

リーチができない、だからリーチの練習をする(動作反復練習)ことではよくなりません。
リーチする時に必要な運動は、肩の屈曲、肘の伸展、肩の内転、内旋や外旋がいります。
何かができない時に、肩の外転や肩甲骨の挙上で代償します。
できない理由は分離の障害なので、分離の練習をする必要があります。
分離運動のバリエーションいくつありますか!?

《左上肢麻痺の評価のすすめ方》

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