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【オランダ双子育児ログ#1】1歳双子連れ14Hフライト奮闘記

子連れでの長時間飛行機移動は段取り八分

小さな子供を連れての海外転居の最初のハードルは、長時間の飛行機移動だと言える。
体調面、飲食面、機内での睡眠や遊び等の時間の使い方等々、予め考えて準備しておくべきリスクも多い。
双子の場合、様々なリスクに備えたグッズを2人分持ち込む必要が生ずるため、預け入れ荷物・手荷物の上限と睨み合いつつ準備する必要がある。

当時1歳11ヵ月のイヤイヤ期真っ盛り、中耳炎持ちの双子を、どうやって無事に飛行機に乗せ、オランダに降り立つか。
事前に経験者の方々にお話をうかがい、色々なリスクを想定して仕事並みに事前準備したので(笑)、同じ悩みを抱える方へのご参考として記事に残したい。


飛行機の予約はお早めに

あって良かった直行便

私達は、KLM航空の直行便を予約した。
乗り換え時間が限られる中、双子と大量の手荷物をもって空港内の移動をしなければならないのはかなり大変だろうという判断である。
実際に、到着時、双子は2人ともベビーカー乗車拒否をしたため、荷物受け取り場所に行くまでが本当に大変だったので、結果的に直行便で大正解だった。

時間帯は、子供たちが機内でぐっすり眠れる夜便が望ましかったが、オランダへの直行便はAM発しかなかったので、今回は諦めるしかなかった。
その結果、双子それぞれで寝るタイミングが入れ違いになってしまって大変だったので、もし選択肢がある場合は夜便をお勧めする。

座席も食事も一人前

1歳未満の小さい赤ちゃんであれば、バシネット(bassinet)という赤ちゃん用の簡易ベッドを座席の前*に取り付けてもらうことができる。
* 但し、座席の前が壁でないと取り付けられないので、予約が遅くなるとバシネット設置可能な席が空いていないリスクがある。

しかし、バシネットの耐用体重は凡そ10kg未満(航空会社によって異なるので要確認)等、1歳を超えると重量オーバーとなることが多い。
かといって、13kgにもなる双子を膝の上で14時間など、親子ともに想像を絶する苦行である。

従って、我が家は双子にも1人1席予約した。
子供たちは、一人前の席をもらってご満悦!
前後2列で窓際を予約したので、2人そろって窓の外を眺めて楽しんだり、自分だけの空間で遊んだり、邪魔されることなくぐっすり眠ったり。

ふかふかの枕になめらかブランケット、心地よい揺れ。
ベビーカーよりも寝心地が良かったらしく、離陸後すぐに4時間ほどお昼寝をした娘(笑)

大人:子供=1:2は無理・・・

夫は先にオランダに赴任していたため、私と子供たちだけで渡航するという選択肢もあった。
が、幼い双子連れの場合、本当に本当に、それはやめた方が良い!
大人:子供=1:1でなかったなら、空港内の移動も機内での食事やおむつ替え等も到底できなかったと、フライトを通して改めて痛感した。

一時帰国して迎えに来てくれた夫よ、本当にありがとう。

あな難しや、子供のコンディション調整

規則正しい生活リズムで感染症予防

飛行機に乗れる体調であるよう、コンディション調整は重要である。
発熱や嘔吐がある状態での飛行機移動はかなり厳しいし、小さい子供の場合急遽の体調不良時に市販薬を飲ませることも難しい。
従って、フライト直前約1ヵ月間は特に、双子が感染症を発症しないよう、手洗い・うがいの徹底、栄養バランスの良い食事、十分な睡眠時間の確保を意識した。

加えて、フライト2日前まで保育園に通園させた。
感染症をもらうリスクはあるものの、それ以上に、生活リズムの乱れによる体調不良のリスクを危惧したためである。
家の引き払いや成田空港への前泊等、どうしても直前数日はホテル泊にならざるを得なかったので、昼間だけでもいつもの生活リズムや食事を維持したことが、結果としてコンディション調整に貢献したと感じている。

半年かけての中耳炎対策

そして、忘れてはならないのが中耳炎対策である。
飛行機の離着陸時、気圧変化により耳がツーンとする。
その際、唾を飲み込む等耳抜きをすると、耳管が鼓膜の外側との気圧調整を行ってくれる。

しかし、中耳炎になると、鼓膜が腫れたり水が溜まったりし、さらに悪化すると鼓膜が破れ、耳垂れ(膿)が出てきたりする。
従って、耳管が気圧調整ができない状態になってしまうので、激しい頭痛や耳鳴りがして、飛行機に乗ることができないのだ。
子供は耳管が短く、中耳炎になりやすいため、注意が必要である。

我が家の双子は2人揃って、生後11ヵ月頃から1歳9ヵ月頃まで、毎月のように中耳炎を繰り返していたので、中耳炎は大きなリスクであった。
そこで、渡航半年前ぐらい前からかかりつけ医に相談し、毎週のように耳をチェックしてもらって中耳炎の早期発見と治療を繰り返した結果、奇跡的に渡航1~2ヵ月前から中耳炎がかなり改善された。

しかし、フライト5日前に最終チェックとして小児科に行った際、娘①の鼓膜が赤く腫れていることが発覚!軽度の中耳炎であった。
急ぎ軽めの抗生剤を処方してもらい、5日間飲み切ることで完治し、無事に、娘も耳が痛くなることなくフライトを乗り切ることができた。

抗生剤は合う合わないがあるため、飲んでも治らないこともしばしばである。また、下痢等の副作用のリスクもある。
かかりつけ医で継続的に診てもらっていたからこそ、娘にとって最適な薬を処方してもらえたと感じている。
軽度であれば、5日~1週間程度の抗生剤服用で完治するので、飛行機に乗る1週間前ぐらいにお耳のチェックをお勧めする。

双子のご機嫌機内日誌

離着陸時はとにかく飲ませる!

中耳炎の文脈でも触れたが、離着陸時の気圧変化で耳がツーンとする時、大人は唾を飲み込む等して解消するが、子供は耳管が未発達のためそれが難しい。

そこで、幼児には飲み物を飲ませるのが一般的だ。
ただ、離着陸時は飛行機が傾くため、コップでは飲ませられない。
従って、吸うタイプの飲み物を持ち込む必要がある。
蓋つきのマグで持ち込んでも良いのだが、荷物を少しでも減らすべく、我が家は飲み終わったら捨てられるものを持ち込んだ。

今回選んだのは、子供たちも大好物のこの2つ。

ポイントは、子供たちが確実に飲んでくれること、こぼれにくいこと、そして、長持ちすること!
「離陸直前に紙パックのジュースを与えたところ、ものの数分で飲み切ってしまい、肝心の離陸後に残っていなかった」というママ友さんの失敗談を聞いていたので、離陸時はこの3条件を最も満たす「みかんゼリー」を選択。
2人ともご機嫌に上空へ旅立つことができた。

機内用おもちゃは「当日のお楽しみ♪」

2歳手前の双子たちは、とにかく動きたい盛り。
いかに座席で集中して遊ばせるかが課題である。
散らばらない、嵩張らないおもちゃが望ましい。

そこで、子連れフライト経験者の方々からのプレゼントや情報に基づき、様々なおもちゃを持ち込んだ。(皆様、ありがとうございました。)

特に、ビジーブックは叔母様からのいただきもので、「欧米では移動時のおもちゃとしてメジャーなものなのよ」とのこと。
布製でとても軽く、旅行のお供に最適であるし、自分で考えながら手遊びができるので、長時間集中して遊ぶことができるし、知育にもなる。

ビジーブックは娘たちのお気に入りに!夢中になってはりはり。

KLM航空からお絵かきセットや小物類のプレゼントがあったため、実際に機内で使ったのはビジーブックとシールブックの一部のみではあるが。
お陰様で、数回機内を徘徊したものの、2人とも、総じてご機嫌に14時間を乗り切ることができた!本当にありがたい限り…(号泣)

KLM航空オリジナルの子供用手遊びキット。
コーポレートカラーの青いフエルトのポーチに、色鉛筆、やわらかいパズル、お名前タグ等が入っていて、取り出すところからわくわく♪
塗り絵もパズルも、思う存分楽しんだ2人。

なお、経験者ママさん方が口を揃えて仰ったのは、
「機内用の玩具は、絶対に、事前に見せちゃだめよ!」
ということ。
見慣れてしまうとすぐに飽きてしまうので、当日初見の玩具が望ましい。
いたずら双子に詰めたばかりの荷物を漁られそうになるのをなんとか防御するのもまた一苦労であったが、無事に(ほぼ)初めまして状態で、機内で玩具たちと対面させることができた。

キッズミールは未知の世界

予めキッズミールを予約していたものの、子供たちが実際に食べられるかどうかは分からない。
経験者の方々から「念のため、おにぎりやパンを持ち込むと良いよ」と聞いていたので、今回はBASE BREADとレトルトのお粥&ふりかけを持ち込んだ。

結果、我が家の食いしん坊ツインズは、ボリューミーで味付けがしっかりした欧風キッズミールに大喜び!
「もうやめて~」というまで食べ尽くしましたとさ(笑)

キッズミールが美味しすぎて、手が止まらない娘

大人は寝られない覚悟で・・・

双子の片方(娘①)は、機内食のタイミングでぐっすりお昼寝してしまい、機内食のタイミングを大幅に逸脱。
機内が暗くなり、みんな寝るモードの中でのご飯タイムに。

真っ暗な中でのランチ?ディナー??

その後もご機嫌に遊んでいた娘①。
すると、ランチ後寝ていた娘②も起きて、2人して暗闇の中遊び始める事態に!
ついうとうとしていると、おもちゃをばらまいたり、通路を徘徊しようとし始めるため油断も隙も無い!
結局、私は14Hのフライトの間中、細切れにうとうとしたものの、しっかり眠ることはできなかった(泣)

その代わり、オランダに到着した晩はぐっすり眠り、早々に時差ぼけ解消ができたので、結果オーライということにしておこう(笑)

双子ベビーカーは預け入れか機内持ち込みか

KLM航空は「機内持ち込み」対応!!

一般的に、ベビーカーは手荷物とは別に、機内持ち込みが許されることが多い。(←但し、航空会社によって詳細なルールは違うので要確認)
チェックイン後、搭乗口までベビーカーで移動し、機内に入るときに畳んで、搭乗口付近で預かってもらうか、自席の荷物棚に入れるか、という流れになる。
KLM航空も基本的なルール上はそのように規定されているのだが・・・

問題は、双子ベビーカーは、車椅子並みの横幅があり、搭乗ゲートを通らないほどの大型サイズであるということ!
我が家は双子ベビーカーの中ではコンパクトなエアバギーのCOCO DOUBLEを利用しているが、同じベビーカーを利用していた双子ママさんから、ある航空会社では機内持ち込みができなかったという事前情報もいただいていた。
日系の航空会社なら事前に問い合わせて確認すればよいのだが、如何せん、海外の航空会社の場合、日本のような適切な回答は期待できない。

そこで、双子ベビーカーが機内持ち込みができない(=預け入れ荷物)場合のバックストップとして、空港内移動用としてポキットの超コンパクトな一人乗りベビーカーも2台持参した。

そして、当日、チェックインカウンターで交渉した結果、

  • 双子ベビーカー…搭乗ゲートまで子供を乗せたまま移動し、ゲート前で畳んで機内のドア付近で預かってもらえることに
    (着陸後は、機体前で受け取り)

  • 1人乗りベビーカー×2台…事情考慮し、預け入れ荷物として無料預り

という好待遇で、対応していただけた。
KLM航空さん、本当にありがとう!!

ベビーカーのタイヤの空気圧にご注意

なお、エアバギー本店の店員さんいわく、空気を入れるタイプのタイヤの場合、気圧変化でタイヤが割れるリスクがあるので、タイヤの空気を少し抜いておく必要があるとのこと。
離陸前に少し空気を抜いた上で載せるのをお忘れなく。

ちなみに、我が家のエアバギーは、到着直後は気圧変化の影響でタイヤがいい感じにパンパンだったので、結果的に空港で空気を入れ直す必要がなかったのでご参考までに。
(やはり、時間経過に伴い徐々に萎んでいったので、翌日自宅で空気を入れた。)

何を飛行機に積んで、何を別途送るか

預け入れ荷物には1か月分の生活必需品を

事前に経験者の双子ママさんにお話をうかがった時、びっくりしたのが、
「飛行機の預け入れ荷物に段ボール13箱分の荷物を積んだよ!」
というお話。
おむつ、飲食物、衣類や生活用品等々、子供たちに合うものがすぐ手に入るとは限らないため、当面1ヵ月ぐらいは生活できるものを全て飛行機に積む方が安心、とうかがった。

なるほど確かにそうだ、ということで、私もそれに倣ってみたものの。
双子分のおむつや飲食物、衣類等々、その容積たるや、想像をはるかに超える量であった(笑)
結局、大きなスーツケース3個、段ボール6個を預け入れることになった。

別途、船便や航空便で荷物を送ってはいたものの。
オランダの場合、発送してから届くまでに船便は2ヵ月強、航空便は2~3週間かかるし、遅れることも往々にしてあるため、結果的に、飛行機にある程度積んでおいたことで、到着後すぐの生活は比較的スムーズだった。

手荷物は機内で想定しうるあらゆるリスクに備えて

機内に持ち込む手荷物に入れた子供用グッズは、以下の通りである。

  • 飲みもの(離着陸時用のゼリー飲料、予備の飲み物を含む)

  • 予備の食べ物、おかし

  • おむつ、おしりふき、手口ふき

  • 機内用おもちゃ

  • 着替え複数セット(万が一大幅に汚れたら捨てても惜しくないもの)

  • 使い捨てエプロン

  • 使い捨てカトラリー
    (参考:KLMの場合、子供にも大人と同じカトラリーの提供であった)

  • 使い古したガーゼふきん(汚れたら捨てても惜しくないもの)

  • 子供用歯ブラシ

  • ディディモスのベビーラップ
    (嵩張らずとっても便利!日常的にも外出時は常に持ち歩いている)

  • 薬(保湿剤、ワセリンのリップ、カロナール等)

  • ビニール袋たくさん

結局、子供用の荷物だけでボストンバック5個分となり、手荷物も上限の計8個となったのはご愛敬である。

最後に

今回のフライトに先立ち、幼い双子を連れて海外渡航をされたことのある双子ママさんや子連れ海外居住経験のある方々に、たくさんお話をうかがっておいたことが、本当に役に立った。

上記は一例ではあるが、限られた時間の中で日常の子育てと両立しながら海外渡航準備をされる方々へ、少しでもご参考になれば幸甚である。

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