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誰もが人生の主人公~その人らしくを支えるケア~

 先週末は、「Eastカフェ」(未来をつくるKaigoカフェ)さんが主催する介護、福祉、医療に携わる方また興味がある一般の方など誰でも参加できる語りの場のイベントに参加してきました。タイトルは「誰もが人生の主人公~その人らしくを支えるケア~」。
 映画、講演会、対話の時間という流れで、とても素敵なイベントだったので記事に残しておきます。

①映画「ぼけますから、よろしくお願いします」の上映会

 これは、認知症になった妻(おばあちゃん)を90代の夫が支える物語で、娘さんが数年かけてカメラを回し取材したドキュメンタリー映画です。認知症の診断を受け、生活が変わっていく中で色々なシーン(家事ができなくなる、希死念慮がでる、自分は迷惑かけてばかり、キツい、、)からリアルな気持ちが伝わってきます。ソーシャルワーカーである私は、実際に福祉や介護サービスの調整等もしているので、「早くサポートを受けたらいいのに」「頼ったらいいのに」とついつい思ってしまいます。でも、今まで二人三脚でやってきた夫婦には二人だけの物語があります。夫は外で働き、料理が得意な妻は家事に専念、台所は妻の城でいつもピカピカ。おばあちゃんの作るお魚料理はとても美味しそうで愛情がたっぷりです。
前みたいに料理ができなくなり、分からなくなっていっている自分の変化を感じ、おばあちゃんは不安と葛藤でいっぱいだったと思います。

「きつい、しんどい。けど、迷惑はかけられない。」

周りにSOSを出すってこんなにハードルが高いんだなぁと感じました。

②落水洋介さんの講演会

 私が尊敬している方でもあり、ファンでもある方、落水洋介さんと再会しました。以前の職場のネットワーク研修(ちゅうちゅうネット)で講演会を企画して以来の約3年ぶり?にゆっくりお話を聞かせてもらいました。
 落水洋介さんは、「PLS」(原発性側索硬化症)という100万人に一人の難病の診断を受け、医師からは将来寝たきりになるといわれているそうですが、全国で講演活動をされたり、医療と福祉の駆け込み寺をつくろう!起業されて精力的に活動されている本当にパワフルな方です。
何度も挫折し、生きている意味がないとずっと心を閉ざしていた落水さんが前を向いて生きて、「今が一番幸せ」と言えるのはどうしてでしょうか。

落水さんの活動や発信でどれだけの人が勇気づけられているのか。

私は何回もお話を聞いたことがありますが、落水さんからの言葉で印象に残っているものをいくつか紹介します。

「どんなにちっちゃなことでもいい、夢を持とう。大人が夢を持たないで、子どもは夢を持てますか?」
・「夢を言葉にしよう。言葉にすると応援してくれる仲間が集まる。」
・「前向きは技術。習慣化することで前を見ることができる。」
・「物事の意味付けをするのは自分自身。嫌なことが起きたとしてもそれは
  自分にとって必要なこと」
・「笑顔の周りには笑顔が集まる」

物事の意味付けの話が今の自分には刺さりました。今自分に起こっていることはすべて自分にとって必要なことだということ。

③最後は対話の時間

 映画と講演会が終わった後に、参加者で対話の時間がありました。皆さん色々な立場の方が多く、介護職やケアマネジャー、経営者の方、子どもさんが発達障がいで不登校の保護者さん等。他県から参加されていた方もいらっしゃしました。それぞれが感じたことについて感想をシェア。

カフェを通して私が感じたことは3つあります。

1つ目は、「誰もが人生の主人公」というタイトルにあるように
「認知症の〇〇さん」ではなく「90年の△△な人生を歩んできた〇〇さん」ということを理解し、一人一人の人生を大切にできるような支援者でいたいということ。
2つ目は、どんな状態になっても「ちょっときつい」「手伝ってほしい」「支えてほしい」がいえる社会、地域にしていきたい。そのために自分ができることについて頭で考えるだけでなく動き出したい。
3つ目は、地元で介護や福祉を盛り上げる活動をされてる方々とも繋がることができたので、何か一緒にやりたい。

そんなことを感じた、本当にあたたかくて幸せなイベントでした。

ありがとうございました。

リンクを貼っているので、興味がある方はぜひのぞいてください★

未来をつくるKaigoカフェ
映画「ぼけますから、よろしくお願いします」
落水洋介さんHP


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