ハラスメントを回避しつつどうやって人財育成していこうか
今日は、こちらのネットニュースが興味深かったので、私が人財育成に関して考えていることと絡めて書いていきたいと思います。
今の子どもや若者たちは、厳しくしてくれる大人や先輩が周りにいないので、自分で自分を厳しく律していかなければならなくて大変だ。という内容のネットニュースです。
この記事は、オンライン秘書サービスや教育など幅広い事業を手掛けておられるインフルエンサーのめぐさんのnoteで知りました。
めぐさんのnoteでも、ニュース内容を踏まえた教育や人財育成について詳しく考察されていますので、ぜひ読んでみてほしいです。
私は総合職として一般企業に勤めています。
今は平社員ですが、近い将来に部下をもち、マネジメントや人財育成に携わっていくことになります。
なので、日頃から自分のまわりの上司や先輩方が、
どんなことを考えているのか
どんな行動をしているか
それを部下はどう受け止めているか
と観察したり、「自分だったらどうするか?」と考えたりすることが多かったです。
その中で最も課題意識を持っていたのが、今回のニュースでも触れている「ハラスメントリスクがあるなかで、どうやって指導・教育していくか」ということでした。
この点について、私がこれまで考えてきたことをnoteに書いていきたいと思います。
一人一人に合わせた指導・コミュニケーションが大切
めぐさんもこのようにnoteに書いていましたが、会社での人財育成においても「一人ひとりに向き合うこと」が大切だと考えています。
▶一人ひとり考え方や特性が違う
仕事で得たいモノや、モチベーションの保ち方は人それぞれ違います。
「仕事でいろいろなことにチャレンジして成長したい」と思っている人もいれば、「できるだけ楽して稼ぎたい」という人もいるでしょう。
「昇進したい」と思う人もいれば、「昇進せずにプレーヤーとして働きたい」と思う人もいます。
ライフステージの変化や、価値観の変化によっても、仕事との向き合い方は変わっていきます。
得意なこと・苦手なことも一人ひとり異なります。
何か助言をされたときに、たいして気にしない人もいれば、メンタルを病んでしまいがちな人もいます。
これらの違いや多様性を可能な限り把握して、その人にあった成長の促し方や負荷のかけ方をしていくことが大切だと思っています。
難しいことだと思いますし、理想論だと言われるかもしれませんが、ハラスメントのリスクを回避しつつ効果的に人財育成するには、必要不可欠なのではないかと思うのです。
▶一人ひとりに向き合うためには組織づくりから
ただ。。。
上司が一人ひとりと向き合っていきたいと思っていても、そのために使う時間がなかったりするんですよね。
私の会社がそうですが、上司(特に中間管理職)がプレーヤー兼マネージャーになっている部署が多く、人財育成に時間を割けていないと感じています。
プレーヤーとしての業務が多すぎて、人財育成が中間管理職層の負担になってしまう。
「いやいや、その分お給料をもらってるんだから、がんばってよ!」という声も聞こえてきそうですが、
上司の負担が増えて「大変そう」に見えてしまうと、プレーヤー層の「がんばって昇進しよう」という向上心を削いでしまうことになりかねません・・・。
ただでさえ忙しい中間管理職に人財育成の仕事まで課してしまうと、心の余裕がなくなってしまい、それこそハラスメントの種になりかねないようにも思います。
人財育成を推進していくためには、上司の姿勢やスキルも必要ですが、
会社が人財育成に注力していける組織づくりをしないと、一人ひとりにあった指導や教育をしていくことは難しいなと感じています。
「自分は昔どう感じていたか」を思い出す
これは昔の武勇伝を語れという意味ではなく(笑)
「できなかった頃の自分」「若い頃の自分」を思い出しながら、指導・教育にあたるということです。
・どんなことにつまづいていたのか?
・どんなことに達成感を抱いていたのか?
・どんなふうに上司に声をかけられて、どう感じていたか?
このように振り返ることで、若手の気持ちに配慮した指導がしやすくなると考えています。
▶厳しさを使いこなす
人に注意しなければならないときや、負荷をかけて育てたい人財がいるときなどは、自身の過去の経験を踏まえて、
・どんな言葉をかけられて自分は落ち込んだのか?落ち込んだ経験は、その後の自分にどう作用しているか?
・上司のどんな姿勢・行動がモチベーションに影響したか?一番モチベーションになったのは何か?
・難易度のある仕事をするときに、どんなサポートがあるとよかったか?そのサポートがあったら自分の成長はどう変わっていたか?
というように、過去の気持ちをさらに掘り下げて考えてみます。
もちろん、「厳しく鍛えられて良かったから」とハラスメント的言動をするのは×です。
・「厳しい」と感じた要素はどこにあったか?
・上司の指導・アドバイスが成長につながったのか、それとも、負荷のある業務が成長につながったのか
と深掘りして、どんな厳しさが効果を発揮しそうかを考えて抽出し、「感情任せの厳しさ」ではなく「厳しさを使いこなす」ことを意識したいです。
▶部下・後輩の立場で感じたことをメモに残しておく
とはいえ、時間が経ったり、仕事に慣れてきたり、立場がかわってしまうと、フレッシュな時代の記憶や感情は忘れてしまいます。
ですので、私は上司や先輩の言動について、「うれしかったこと」「こうしてほしかったな」と思ったことなどをノートに書き留めています。
子育てについても同じ。
大人が当たり前と思っていることを、子どもにあてはめないように気をつけていきたいです。
ぬるま湯環境だと、やる気のある人が辞めてしまうリスクに
ネットニュースには厳しくすると心が折れて辞めてしまうリスクにのみ触れられていますが、逆のパターンもあります。
▶負荷をかけるべき人・タイミングを見極める
向上心のある人にとっては、「優しいだけの環境」は「成長できず、やりがいを感じられない環境」になってしまうことがあります。
厳しさのない「ぬるま湯」な環境をつくってしまうと、いい人財ほど会社を去っていくことになりかねません。
私が勤めている会社も、ぬるま湯感が強め・・・。(コロナで業績が下がってからは大きく変わりましたが)
仕事ができる同僚が辞めていくのを目の当たりにしてきました。
向上心がある人にはそれなりの負荷をかけて、チャレンジできる環境を用意する必要があると思っています。
この観点からも、一人ひとりに向き合った人財育成が重要だと言えそうですね。
▶働き方改革が成長の妨げになっていないか
ニュースのテーマから少し逸れますが。
昨今、働き方改革が強く叫ばれていて、私の会社でも取り組んでいます。
私自身が小さい子どもを育てながら働いているので、働き方改革にはメリットを強く感じていますが、
「定時で帰らないといけないから、プラスアルファのチャレンジができない」
「前年踏襲の仕事をする余裕しかなく、生産性や効果性を上げられない」
といった声が聞かれます。
働き方改革がもっと浸透してほしいと思う一方で、やる気のある人から伸びシロを奪わないように留意すべきだと考えています。
どこまで画一的に取り組むべきなのか、ということは立ち止まって考えたほうがいいと思うのです。
今も昔も「自分を厳しく律する力」が重要なのは同じ
記事では、「自分を厳しく律する力」が今になって必要になったかのように書かれています。
しかし、事業で人一倍の成果を上げてご自身の立場を築いている人は、今も昔も、「自分を厳しく律する力」を持っていらっしゃる人だと思うのです。
昔は「自分を厳しく律する力」がなくても、会社のルールに従い、マニュアルにそって行動できれば、それなりに給料をもらえて安定した生活ができていました。
平成の時代に単純作業は徐々に機械に奪われていき、これからの時代はAI化が進んでいきます。
思考力や創造力が重要視されるようになり、テクノロジーの進化に合わせて自分でスキルアップしていくことも必要になります。
「自分を律する力」がないと、生き抜くことが難しい時代になっていると思うのです。
「厳しい人がいるか/いないか」ということよりも、仕事に求められるスキルが変容していることによって、「自分を律する力」が昔よりも必要になっているのではないでしょうか。
【番外編】教える側にもメリットがたくさん
この記事を読んでいてつっこみたくなったところがいくつか…。
その一つが「教える側にメリットがほとんどない」と書いているところ。
そんなことないよ!
「教える」という行為にはメリットがたくさんある。
・人にかみ砕いて教えるために、自分の経験や知識を言語化することで、自分の中での理解が深まる。
・論理的に人に伝える訓練になる。
・教えるべき「重要なポイント」を意識して学ぶようになるので、インプットの質が高まる。
・教えた相手が成長すると、自分のモチベーションが高まる。
・周囲のスキルや知識が高まることは、巡りめぐって、自分が働きやすくなり、会社の生産性や業績があがることにつながる
実際「教える」ことが面倒だと感じている大人は多いと思います。
でも、教える経験の有無で、成長の度合いは大きく変わってくる。
繰り返しますが、「教える側のメリットはほとんどない」は間違いで「教える側のメリットはたくさんある」のです。
つっこみどころも含めて、考えることの多い記事でした。
自分が考えていたことを言語化する機会をいただいためぐさんに感謝です。
今日も読んでいただき、ありがとうございました。
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