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Webディレクターの価値

こんにちは。yubuneです。
最近は使ったツールやソフトの話が続いていたので、一旦初心に戻ってディレクターの価値について考えていた頃を思い返してみます。

Webディレクターは本当に必要なのか

今でも「Webディレクターとは」を考えることがありますが、当時は雲を掴むような職種だと思っていました。要するにどこまでが担当の領域なのかわからず、それによるストレスが溜まることも多々ありました。
特に未経験だったせいで、余計に無尽蔵な悩みを抱えていたと思います。

当時の自分がよく考えていたことは、

「制作サイド(デザイナーやフロントエンド、バックエンド)の仕事を何も理解していないのに、偉そうに指示なんてできない」
「ディレクターって本当に必要なの?(しかも未経験!)」

仕事を理解していない=実際にやり方がわからないという意味なのですが、今にして思えばディレクターはその他の職種より偉いとか立場が上だとか、そんなことはないのに指示する側だからと勝手に勘違いをしていました。

基本的に社内は皆平等であるべきですし、指示するだけがディレクターの仕事ではないということが今はわかります……。

そんな中、当時見つけたとある方のブログ記事が一つの大枠の答えを示してくれていました。

悩める子羊の方は是非こちらのブログ記事を読んでみてください。このnoteよりかなり有意義なことが書いてあります!

当時の自分はこれを読んで視界がかなりクリアになりました。文体もとても面白く、とても好きです。

Webディレクターに必要なスキル

提示されていたスキルセットが面白かったので、下記に引用しました。
「Webディレクターは万能の神ではない」というパワーワードが生まれるのも納得なほど膨大です。確かに神レベル。

Webディレクターに必要とされるスキル

01. リーダーシップ
02. マネジメントスキル
03. コミュニケーションスキル
04. スケジュール・予算管理能力
05. 課題抽出スキル
06. アクセス解析の知識・スキル
07. 統計学の知識・分析スキル
08. Webマーケティングの知識・運用スキル
09. 一般的な広告・PRの知識
10. 企画力
11. ドキュメント作成スキル
12. プレゼンテーションスキル
13. インターネットビジネスの知識
14. 情報収集・活用スキル
15. Webデザインの知識・スキル
16. 編集・ライティングスキル
17. フロントエンド言語の知識
18. バックエンド言語の知識
19. デバイスの知識
20. 権利関連の知識
21. 経営関連の知識
22. 英語力・英会話スキル

マイナビクリエイターより引用:https://mynavi-creator.jp/blog/article/skills-necessary-to-web-director

改めてこの中からWebディレクターにまず必要なスキルはなんだろうと考えたら、個人的には下記を挙げたい。

03. コミュニケーションスキル
04. スケジュール・予算管理能力
05. 課題抽出スキル
11. ドキュメント作成スキル
14. 情報収集・活用スキル
19. デバイスの知識

会社が新人ディレクターに対してどのような仕事をまずはさせるのか、会社がどのようなスタンスで仕事をしているのかにもよるのですが、まずは上記の6点が必須なように思います。

19. デバイスの知識はそんな大したことではなく、制作途中や納品直前に制作物の確認をしっかりできる程度の知識は知っておいた方が良いと思ったためです。

デバイスも日々新しいものが発売されていくので、ディスプレイサイズだったり解像度だったりをどこまで網羅・対応していくのかという話は要件定義の段階でも話題になるかと思います。最近ではIEを対象にするのかどうかとか。

IT企業に属するなら14. 情報収集・活用スキルは必須ですし、残りの4つのスキルはWebディレクターとして基本的な必須スキルになると考えます。

しかしここまで視界がクリアになってきたにも関わらず、当時の自分の気持ちを思い返すと、どうしても納得できないことがずっとあったのです。

それって当たり前のスキルじゃない?

下記4つのスキルについて、「Webディレクターに関わらず、デザイナーでもエンジニアでも誰でもできるでしょ。そもそもスキルと呼ぶなんて大げさだな〜」と考えていました。

03. コミュニケーションスキル
04. スケジュール・予算管理能力
05. 課題抽出スキル
11. ドキュメント作成スキル

転職をして、いくつかの会社に属しただけの経験で語るのはおこがましいですが、これらのスキルは当たり前ではないです。

以下、未経験でWebディレクターになった頃の自分にすごく伝えたいことを述べています。

03. コミュニケーションスキル

典型的でわかりやすい例では、単に口数が少なくてコミュニケーション不足な人がいたり、あるいは自分が大丈夫だろうと思っていたことが相手に伝わっておらず自分のコミュニケーション不足が発覚することがあります。

会話は少なくても多くてもどうでもいいですが、認識違いは不幸しか生まないので当たり前と思っていることもMTGでしっかり改めて伝えることが大切に思います。正直回を重ねるごとに面倒になってくるのですが、ここで手を抜かずに丁寧に行うことで誰とでも仕事がしやすくなります。

あとは案件でチームになった人同士の相性が悪いこともあり、そういったときもディレクターがうまく進行していかなくてはなりません(理想を言えば相性悪くても仕事中はうまく交流して欲しいですが)。

また社内だけでなく社外やクライアントとのやり取りでは、相手のITリテラシーレベルも様々なので、専門用語は極力使わずに説明できるスキルも必要になります。逆にリテラシーが高ければそれはそれで話に付いていくのが大変なので、Webの知見に対する勉強はやはり必要になってきます。

04. スケジュール・予算管理能力

「スケジュールなんて全員把握してるでしょ」、そう思っていました。

ディレクターが「進捗どう?」と声を掛けなければずっとボールを持ったまま、という状況はよくあることです。自分のリソースを把握するのに精一杯の人もいますし、デザイナーがエンジニアの進捗を把握するのが難しい状況もあり得ますから、ディレクターがスケジュール情報も集約させておく必要があります。

スケジュールをオンスケ、なんなら巻くぐらいの気持ちでスケジュールを管理すると吉です。そのためにはディレクター自身も指示に抜け漏れがないか注意しなければなりません。

予算管理についてはスケジュールよりも気にしていない人が多いかもしれません。これは制作会社に入って驚いたのですが、制作サイドは結構お金のことに対して無頓着です(それどころではない?)。分業制だと尚更。

05. 課題抽出スキル

例えばクライアントから「サイトのアクセス数が少ない。サイトも古いものだからリニューアルしたい」と言われたとき、

①「じゃあサイトをリニューアルしてアクセス数上げましょう!」とそのまま要望に応える
②「なぜアクセス数を上げたいですか?目指すゴールとしてどのようになりたいですか?」と今までの背景や求める目的を探る

①と②のどちらで進めるのが良いでしょうか。
恐らく未経験だった当時の自分なら①も②も結局同じ内容に思えました。同じ内容であれば②の選択肢は遠回りに感じるため、実際の選択肢としては①を選んでいたと思います。

課題抽出の視点から考えるとこの2択では②を選び、クライアントの本来の要望を探ることが結局のところは近道になると考えています。なぜなら本来の要望がこのヒアリングだけではわからないからです。

クライアントの要望=アクセス数を上げることだと捉えてしまいがちですが、アクセス数を上げてどうなりたいのか?どんなサイトなのか?商品は何か?等を深堀りしていかなければ、単にアクセス数を上げるだけでクライアントは喜ぶでしょうか?当時の自分はそれを理解しておらず、言われた通りの要望に応えることに終始していました。

課題を見つけるためにはクライアントの要望を鵜呑みにせず、目指すゴールを客観的に探る必要があると考えています。

11. ドキュメント作成スキル

個人的に最も当たり前度が高かったスキルです。
併せてドキュメント管理スキルも含めてお話したいのですが、例えると学生時代に授業中とっていたノートです。ノートは生徒によってキレイにきっちり板書されていたり、なんなら教科によって色を決めて管理している子もいました。反面、ノートそのものがぐちゃぐちゃ、板書は抜け漏れがある、そもそも無くす子もいますね。

そういうことです(?)。

Googleドライブだろうが会社のローカルだろうがesaだろうが構うことはないのですが、問題はその中身。カオスになっていたらそれを隙あらば整然とさせるのがディレクターの役目かもしれません。個人的に勝手に思っているだけですが。。

ディレクターは社内でも社外でも資料を作成します。ほとんどの場合は凝ったものでなくて構わないですしそんなことよりも大事なのは「わかりやすさ」「読みやすさ」。新人は8割くらいアジェンダと議事録作成になるかと思うので、わかりやすさと管理しやすさを考慮してドキュメントを作成するスキルが必要に思います。

あとは説明コストを削減するためにドキュメント管理は重要です。誰が見ても「この資料は多分このあたりにあるだろう」くらいの当たりが付けられるようなファイル構造になっている・あるいはファイルの命名規則になっていれば、気になることはまずドキュメントを探してもらえるからです。

Webディレクターの価値

転職活動をして実感していますが、未経験であってもWebディレクターの需要は確実にあると思います。Webディレクターの役割は案件の要件を決め、それに沿って納品までこぎつけることです。

案件は数ヶ月単位かそれ以上であることが多いので、そういった面でも常に要件内容やスケジュールを管理しているポジションはとても重要と思います。少なくとも他の職種の方が片手間にできるようなことではないはずです。

先述の通り必要とされるスキルは多種多様ですが、これら全てを身に付けるのは現実的ではないですし、ゆくゆく自分が得意な分野を見つけていく形で進めていくのが良さそうに思います。

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