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過激で下品な事を言うとウケる、というオタクのノリは現世ではちょっと危ないかも。

自分も昔『女子高生の脇汗舐めたい~~!グヘヘ(^p^)』とか言ってたけどさ…。




さて。私はオタクなので今期の気になるアニメを総チェックしたのだが。

放送前からOPのキャッチーさで話題となった『しかのこのこのここしたんたん』


ファンタジア文庫からのアニメ化『vtuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた』


ここら辺を見て思うものがあったので記録に残しておく。

結論から言うと

『過激で下品な事を言うとウケる、というオタクのノリは現世ではちょっと危ないなぁ』

という話だ。


あまりオタクのノリに詳しくない人に説明すると、一部のオタクの間では、自分の好みに合ったキャラクターに対して性的に過激な事を言うのが最大の褒め言葉…みたいな風潮がある。

『はぁ!?何だよこのキャラ!
シコすぎてブチ犯したくなるわ!』

とか

『シコらん方が失礼!』

みたいな。

これは別に本当に女性をレ○プしたいとか言ってる訳じゃない。


『とても可愛いね』
『僕はこのキャラクターが好きなんです』


という気持ちを誇張して伝える表現だ。



…だがこの表現もやや古くなってきているなぁと感じる。


別にジェンダー過激派の擁護をする訳じゃない。
どちらかというと私もエロ文化を探求するのが好きだ。

だからこそ『エロ=他人を傷つけるツール』にならないよう人一倍気を使わなきゃいけないなと思う。




『vtuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた』
略して『ぶいでん』の第1話はそういう意味でちょっとヒヤヒヤした。



ぶいでんは“清楚系で売ってたVTuberが、配信を切り忘れ、推しのVに過激オタク用語を吐いてたのが話題になり、一気に人気VTuberに駆け上がる”という話だ。


主人公の清楚系VTuber、淡雪が同じ事務所の女の子VTuberに

『セッ○スを前提に結婚してください!』

とか

『女性に魅力を感じた時はその場でシコるべき!真っ直ぐで正直な男が女は好きなんだよォォー!』

なんて言う姿はどこかコミカルだが、一歩間違えばセクハラ発言もいいところだ。



言われた相手の女の子VTuberが純粋無垢だったので『シコるってなぁに?』という反応で丸く収まったが、これが世間的にセーフか否か?というのはオタクの私もちょっと自信が持てなくなってる部分ではある…。

多分このご時世、オタク仲間以外の人にこのノリをしでかすと総叩きに合うだろうなぁ…。自戒したい。


まぁ、まだ『ぶいでん』はマニアックなアニメなのでいいだろう。
仲間内でオタクセクハラ構文を言ってじゃれあう範疇にある。


ちょっと可愛そうだったのが『しかのこのこのここしたんたん』だ。

これも『少年マンガエッジ』という、割とインディーズな雑誌に連載されてたオタク作品なのだが…。

オープニングの


『しかのこのこのここしたんたん♪
しかのこのこのここしたんたん♪』


というキャッチーな曲が大バズりし、放映前から注目の作品となってしまった。

今の時代、曲がバズるという事はどういうことか。


女子高生がその曲を使い、TikTokeで踊ったり、ショート動画のBGMに使われて小学生たちがそれを見るという事だ。

…だが『しかのこのこのここしたんたん』は女子高生や小学生向けのマンガではない。

作中に度々出てくる煽りフレーズ

『処女なの?』

というワードは案の定、世間にはあまり心地の良い印象を抱かれなかった。


00年代では確かにこのノリはウケていた。
少なくともオタクたちの間で。

ではなぜ今はビミョーなのか。


それはやはりアニメの配信がスタンダードになったからだろう。


00年代はまだ動画配信が一般的ではなかった。
スマートフォンも普及してない時代だ。



『オタクアニメ』を見る方法は“夜更かししてテレビの前に座る”か“円盤(DVD)を買う”しか無かった。


つまり時間帯や金でゾーニングが出来ていた訳だ。


オタクセクハラ構文がまかり通ってたのも、00年代の『時間』『金』というゾーニングがあったからだ。

だが今は動画なんてほぼ無料で誰でも見れる時代。


何時でも、どこでも、誰でも見れてしまう。


なので現世でのオタクセクハラ構文はちょっと苦しくなっている。


…とはいえエロを全面的に禁止するのもそれはそれで不健全だ。
じゃあ何がダメで何がオーケーなのか。

その先駆例は『お笑い』にあるのではないか。

ちょっと昔のお笑いは


『人を叩く』
『相方の容姿をバカにする』
『モテない女芸人を笑う』

などで笑いを取っていた。

だが、今の時代それは許されない。


多様性を認める昨今の社会情勢の中で“人を傷つけない笑い”が主流になり、容姿イジリは過去のものとなった。


しかのこの

『処女なの?』

発言は、この流れに逆行してるから嫌悪感を抱かれてしまったのではないか。


お笑いで言う『容姿イジリ』や『モテない女芸人イジリ』のように、『性経験イジリ』という、パーソナルな部分で笑いを取ろうとしてしまったのがダメだった。


まぁ、ぶいでんのようにオタクが影でコッソリ楽しむアニメだったら世間との衝突も起こらなかっただろうが、、


それでも18禁作品でない日常アニメで『処女~』という表現を使うのはちょっと考えないといけなかったかもしれん。



時代と共に価値観というのは変わっていく。


バカ殿でおっぱいが普通に放映されてたり、
みのもんたが公共放送で女子アナの尻を触ってセクハラしてたり、
アダルト週刊誌で電車痴漢のコツが平然と書かれていたり、


今見返せば

『流石にそれは…』

というものも多い。


だから今書いてる事も


『そんなの当たり前じゃん!!』
『えっ、昔のオタクって倫理観やばすぎ』


とか叩かれてるかもしれん。

とりあえず、今はオタク表現も過渡期にあるのかな。という所感。



ということで、未来のことは分からないから、今起きている事だけを記録に残しておいて、判断は未来の人間に任せることにする。