親に死にたいって言われた話

いつだったか。小学4年くらいだろうか。
母が「死にたい」と言葉で表明した。
幼少期から親にいらないとか言われ続けてきた結果らしい。
だから、そのとき発症したものではない。
でも、正直小学生の私には重かった。
ここでもまた、私はなにを言えばいいのかわからなくなって、言葉に詰まった。
「私の代わりなんていくらでもいるでしょ」
「便利だから私が必要なんでしょ」
「私なんか死んだほうがいい」
「なんで生きなきゃいけないの」
「金稼いでくるから必要なんでしょ」
「私じゃなくてもいいじゃん」
そう泣かれた。
初めはそりゃあ、「死なないで」「そんなことないよ」って言ってたけど、
続けばめんどくさいし、また始まった、って感じになってくる。
疲れた。
ので、うんうんって言うだけにした。
そこから彼女の自分語りが始まって、幼いころに受けたひどい仕打ちをひたすらに聞かされた。
もう飽きた。
正味そんな話聞くより本読みたいしうるさいしめんどい。にげたい。
自室を持たない私には逃げ場がなかった。
トイレに引きこもったりもしたけど、全て逃れることは不可能に近かった。
今でもどこに地雷が埋まってるかわかんなくて、踏んだ日には長い話が始まる。
わたしは何を言えばいいんでしょうか。何をすればいいんでしょうか。どんな表情をしてどんな声音でいればいいんでしょうか。
正解をください。ガイドブック攻略本取扱説明書。どれでもいいのでください。
死にたいって言わないでください。
わたしに言ったところでなんの解決にもなりませんから。
わたし医者じゃないんで。やめてください。
正直言ってそう思ってる。
言わないけど。
思ってるよ。