吐血よじ

hakuchi yozi/ 27歳高卒無職、納税経験なし。午前四時に書く言葉が誰かの光…

吐血よじ

hakuchi yozi/ 27歳高卒無職、納税経験なし。午前四時に書く言葉が誰かの光になりはしないか。

最近の記事

海が見えた。僕は医学部を辞めた

旅をしていました。医学部に7年在籍していました。 医者になりたいと思っていました。 でもここで終わりにすることにしました。 2018年に医学部に入学して7年。 2年生の基礎医学で理不尽な名物教授に当たって1留。3年生を過ごして、4年生に上がるタイミングで医者になる前に遊んでおきたくて1年間の休学。それが楽しくて、もう1年休学。 でも今年の春に復学してからは無数の試験を越え、CBTとOSCEにも受かり、これからようやく、ついに臨床実習に入れる。やっとだ。夢にまで見た臨床実習。

    • 午後4時半のバスに乗りたい

      午後4時半のバスに乗りたい。 授業は4時半までだけど、大学の前から午後4時半に出るバスに乗りたい。 だから5分くらい前にこそっと荷物をまとめて講義室を出て行く。ドアを出ると先生の喋る声が一気に遠のく。 運悪く先生を迎えにきた秘書がこちらに歩いてくるのが見えた。秘書は歩みを止めて、講義の途中で出て行く学生を非難がましくじっと見ている。 あんたに関係ないのにご苦労なこった。 陰険な秘書ににっこりウインクして大学を出る。 初夏の生暖かい空気。今日は晴れてる。 丁度来たバスに駆け

      • EMDR(眼球運動感作療法)と私の人生

        私が人生を明るいものだと思うときに 今までただの単語だったものに色がついたと気づく瞬間がある。 その一つがEMDR(眼球運動感作療法)だ。 ※このノートでは一切EMDRの医学的な側面に触れません。EMDRを受けた人のレビューでもありません。悪しからず。 医学部を休学する直前、ほとんど最後の授業がこのEMDRについてだった。 目を動かすとトラウマが治るとか眉唾に見える内容が書かれた講義資料を先生はいかにも当然のようにボソボソ読み上げていて、つまらないなと思っていた。 医学

        • あの時道案内してくれてありがとう、イスラエル兵さん

          前回に引き続いて。 去年の今頃、私は医学部から逃げたくて中東を旅していた。 カタールでW杯を見て、サウジアラビアへ。陸路でヨルダンに抜け、そのまま同じく陸路でパレスチナ、そしてイスラエル。 ヨルダンからイスラエルにはバスで入った。 ヨルダンからのバスが届くのはイスラエルの中でも、パレスチナ自治区の範囲までだった。 パレスチナ側におろされて、歩いてイスラエルに入った時、 ここはヨーロッパかと思った。 整備された石畳、綺麗なブティック、緑豊かな公園、ブロンドにおしゃれな服の

        海が見えた。僕は医学部を辞めた

          去年の今頃、わたしは医学部から逃げてパレスチナにいた

          去年の冬、私は医学生をやめたくて中東を旅していた。 カタールW杯からサウジアラビアへ、 サウジアラビアからヨルダンへ。 そしてヨルダンからパレスチナへ。 移動はすべて陸路で行なった。 理由は空路よりずっと面白そうだったから。 実際そうで、たくさんの人と話し、お茶を酌み交わし(イスラム教は酒が禁忌である)、あれやこれやも酌み交わし、そしてたくさん助けてもらった。 感情的になってすまないが、パレスチナの人々には沢山の思い出がある。 自分は異教徒の女だから、戒律で異性の女

          去年の今頃、わたしは医学部から逃げてパレスチナにいた

          25歳元医学生ニート、知能検査を受けるの巻

          ニートになり大変暇なので、医療機関で知能検査でも受けてみることにした。 WAIS-Ⅲというやつで、俗にいうIQが分かる。 こちとら小学校受験、中学受験、大学受験と知能ばっか気にして生きてきたんだ。自分がとても賢いような気もしていたし、非常にバカなような気もしていた。でもずっと自分の知能と向き合ってきた人生だった。だからIQが数字として分かってしまうのはワクワクすると同時に、怖くもあった。 IQが分かるといってもあなたもIQはこれです!以上!となるのではなく、そのIQの内訳

          25歳元医学生ニート、知能検査を受けるの巻

          「カウンセリングに行ったの。」

          どうも。超てんちゃんです。嘘です。 このネタが通じる人ってnoteにはどのくらいいるのだろうか。 普段ツイッターばかりしているので100%通じる気がしてしまっている。 そんなことはさておき、人生で初めてカウンセリングに行ってきました。昨日。 結論、カウンセリングはこころの整体だった。最高だった。 受けた後足取りもこころもめちゃくちゃ軽くてなんでもできる気がした。 何もかもが興味深くて、何か新しいことに挑戦したくてたまらなくなった。 異常な集中力でスタバで4時間読書して帰っ

          「カウンセリングに行ったの。」

          或る人生の失敗記

          やってみて失敗したことを書きつらねていこう、と思い立った。人生がずっと空回りしている感覚がある。 周りを見るとみんな仕事なるものをしていて、失敗もありしつつもその結果いろんなものを得ている。地に足つけて歩いてる。 どういうわけか25歳にもなってニートをしている。高校生の自分はこんな不甲斐ない25歳の自分を想像しただろうか。今年26歳になっちゃうよ。どうすんだよ。 自分は1年ちょっと前に大学を休学し、ニートになった。ニートなりにちょこちょこ新しいことをしてみたりしたけど、今

          或る人生の失敗記

          私は逃げた

          私は逃げた 2つの国試と3年間を残して 私は逃げた 逃げた先が旅だった 音楽だった どこか遠くへ歩き続ける いつか逃げた場所に戻る私が 足取り軽くあるように あるく 風を聴く 知らない空気に ふれる

          私は逃げた

          「あなたはあなたのままで大丈夫」 わたしはわたしのままでいい。 うん、大丈夫。

          「あなたはあなたのままで大丈夫」 わたしはわたしのままでいい。 うん、大丈夫。

          私たちは皆レジスタンスだった

          医学部軽音楽部に所属していた。4年間。 勉強の合間を縫って、 時には勉強を後回しにしてまで、 酒を飲み、馬鹿話をして、楽器を弾き続けた。 なんのために楽器を弾いていたのか。 私たちは皆レジスタンスだった。 医学部の抑圧された環境に、過酷な勉強に、 医者になるためという大きな流れに、 無意味であることで抗っていた。 楽器を弾くことで闘っていた。 ディストーションのかかったギターが闇を切り裂き、 ベースが確かな音の礎をつくり、 ドラムは性格無比にそれらを支え、 ボーカル

          私たちは皆レジスタンスだった

          人生の午前4時、旅立つ前のちいさな手記

          この家で育ってきたことが悔しくて 実家のものをたくさん捨てた すっからかんになった棚 生きてきた時間に積もった物が なくなってしまったかのような喪失感 初めて手にしたメイク道具 よくわかんない母親のハンカチ 貰い物の紙袋の山 なくしたもの ベッドの隙間から一枚の紙が出てきた 高校を卒業した直後だろうか 自身の高校生活を後悔した手記であった 私はここから変わらない きっと一生変わらない どれだけの思い出を捨てたとしても 明日へ足を踏み出すだけだ

          人生の午前4時、旅立つ前のちいさな手記

          休学と自由の境目で

          休学をしたいと思っている 休学のための話し合いばかりしている 一つのことをずっと考える 大事なことだからたくさん考える そうしているうちに 自分の考えと他人の考えが 減法混色され 黒に近づいていく 自由のための休学なのに どんどん自由から遠ざかる もっとおおらかに 人生を 未知のものとして 捉えられないか 加法混色みたいに 混ぜて混ぜて白に近づけばいい 自由に 何にも縛られず 自分は自分として 夜逃げするみたいに旅に出ようよ

          休学と自由の境目で

          このクソッタレた医学部の中で自分らしく生きることが困難だから休学する

          医学部休学論3月編 自分はなぜ医学部を休学したいと思っているんだろうと 散々考えて、 連日連夜、医学部休学論なるものをこねくり回していたが、最後の定期試験中にふと形を捕まえることに成功したらしい。 クソッタレの中で真っ直ぐにあることが困難を極め、 生きることに大事なその自分なりの真っ直ぐさのようなものが削れて無くなっていくからだ。 この医学部という場所は、おかしいものをおかしいと言うのにかかる労力が半端じゃない。 それを変えられた事例は無いかもしくは対応がクソ遅い。

          このクソッタレた医学部の中で自分らしく生きることが困難だから休学する

          存在理論

          我々は治すものであり治すために学ぶ者である 医者とはそういう存在である 思考にも 行動にも先立って 物としてそう在っている 教師、物として、教え導くもの 研究者、物として、未知を探究するもの それならば私はどんなものとして在りたいか どんなものとして

          尾道奇譚

          中華屋のにいちゃん 4年間文字通り血反吐を吐いて店を持ったと語る、 25の青年らしい生温さと熱さ 生命の素を創り出す強さ 古本屋の青年の含羞 あぁ美しいと思った 店の前で交わした煙草一本分の会話 貰った火とライターに書いてあったスナックの名前 渡せなかったお礼の缶ビール 18の女の子と過ごした3日 世界から飛び出すことが当たり前みたいな子だった またはっさく食べようあなたとならば この詩をくれたあなたとならば ノマドワーカーの珈琲屋 イケメンだけが持てる自由の雰囲気を纏