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水曜日の湯葉 #20

たまにリアルの友達にこの「水曜日の湯葉」を定期購読されることがあり「いや、お前に金もらって日記読まれるの妙な感じなんだが」と思っている。しかしそれはある意味でプロ意識の欠如という気もする。日記とはいえ金を取っているのだから、価値のある日常をお送りできるように頑張りたい。

4月13日 水

iPad を買い替えた。これによって Lightning ケーブルから解放されることが決定。僕は自由だ!

My new air…

というわけで Kindle for iPad をダウンロードして『メタバース進化論』を読む。Facebook が社名を変更したことで一挙にバズワードと化したメタバースだが、現状でもっともメタバース的な存在であるソーシャルVRの文化について、その原住民(本文中の表現)である著者が詳細に解説している。

(文化盗用などの)問題に慎重な Meta が将来的に、メタバースでも物理現実と同じ性別・人種の姿できるべきだといった「なりたい自分になれる権利」を大きく制限するガイドラインを制定し、世界的なプラットフォームとしてそれがデファクトになってしまう未来を私は非常に憂慮しています。

『メタバース進化論』2章(31%)

これは本当にそう思う。メタバースが特定少数企業の所有物になり、その内部の文化が押し付けられた状態で全世界に普及してしまうのが現状最大の懸念事項だろう。

ところで僕も(ソーシャルVRにはあまり縁がないものの)覆面作家として長らくバーチャル世界の住民のように振る舞ってきたのだが、最近は物理世界の身体と真剣に向き合うことに取り組みはじめている。「発声練習」で地声を公開したのもそのためだ(定期購読者のみ視聴可能)。

このあたりの変遷は少しややこしい経緯があるのだが、要するに僕はこの物理世界が好きだということである(でなければあんなに旅行ばかりしない)。だからこそ、いいかげんに自分の物理的身体を「自分の好きな世界の一部」と認識してやろう、てなことを思い始めている。

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