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【タンザニア🇹🇿】当たり前は、当たり前でない| 6/54ヶ国目 | 世界一周ふりかえり

★世界一周6ヶ国目、タンザニア
★滞在日数:2022年10月10日〜10月18日(8泊9日)
★かかった金額:¥87,934 /2人

アフリカの楽園ザンジバル島と、首都ダルエスサラームを巡ったタンザニア滞在。

ダルエスサラームは、ネット上では世界凶悪都市の一つと言われており、昨今も邦人被害のニュースが聞こえてくるような場所だが、こちらも夫の徹底したリサーチと、目立たぬ格好で貴重品はズボンの中にしまうなどの基本対策の甲斐もあり、また現地駐在中の夫の先輩にお世話になれたおかげもあって、特にトラブルなく滞在することができた。

タンザニアの何が面白かったかと言われれば、文化の多様性だろう。
多様という言葉では到底収まらないような、常識を覆されるエピソードも含めて、紹介したい。

◆文化が融合した島、ザンジバル

ザンジバル島はインド洋に浮かぶ島で、美しい海が広がるリゾート地。ヨーロッパ人がバケーションを楽しみにたくさん訪れている。

元々はタンザニアとは別の国で、というかタンザニアという国名は、タンガニーカとザンジバルを合体させた名前と知ったときはアハ体験だった。

リゾートの印象がある島だが、実は元はアラブの商人が済み、その後ポルトガル、オマーン、イギリスと統治者が変わっていったというさまざまな歴史がある島で非常に面白い。黒人奴隷貿易の拠点となった地でもある。

そういった歴史背景を持つ島の中心地ストーンタウンの街並みは、まさにアラブとヨーロッパの文化が融合したスタイルの建物が並んでいて、アフリカでは確かに他に見当たらない様相をしている。

しかしこれが面白いことに、バーレーンやオマーンに行くと、確かにストーンタウンと同じような建物が並んでいるので、あ〜本当にザンジバルはアラブ人に統治されていたのだ!とそこで再度合点がいく。そういう歴史を確かめるような感覚は、世界中を巡る旅の醍醐味だ。

ストーンタウンの街並み。オシャレな小窓や店先の作りが特徴的

ストーンタウンの街を歩いていると、ジャンボ!(スワヒリ語の挨拶)と声をかけてくる人や革サンダルを売りながら歩くマサイ族、髪をオシャレにコーンロウに編み上げたような人もいれば、クッマという帽子とディスターシャという衣装(オマーンのムスリム男性のスタイルと同様)を纏ったおじいさん、ヒジャブを被った女性、アッサラームワライクム(アラビア語の挨拶)と会話を始める人々もいて、共存している。

10世紀ごろからすでに住んでいたアラブ人、黒人奴隷貿易の商人としてインドから来た人、オマーンによる統治時代に新しく移り住んだアラブ人、アフリカの内陸から移ってきたり、連れてこられたりした人たちなどなど、元からこの地に住む民族と、さまざまな歴史の過程でこの地に人が集まり、今もそこで暮らしていることがわかる。街中で出会う人は黒人系の人も多い印象だったがもちろん血の混ざった人もいるし、スパイスがたくさん売っているところはいかにもアラブっぽい。本当に文化が混ざってできた島なのだと感じられて楽しかった。

左から、ムスリムのおじさん、アフリカパンツを履く夫、マサイ族
ザンジバル島はこんなに綺麗なところです

◆なんでもポレポレ文化

ダルエスサラームでは、夫の先輩で現地に駐在されているSAORIさんの家にお世話になり、タンザニア生活のあれこれを教えていただいた。

なんと言っても、本当にコトが時間通りに始まらないらしい。笑 何か会があると言ったら、開始時間の1~2時間後に行ってみても、ほとんど誰もまだ来ていないとか。
「ポレポレ」とはスワヒリ語で「ゆっくりゆっくり」という意味で、タンザニアにいるとよく耳に入る言葉だ。

タンザン鉄道というダルエスサラームから、隣国ザンビアのカピリムポシまでを結ぶ、アフリカを旅する人には有名な鉄道があるが、私たちが訪れた時期の少し前に故障か何かでストップしていて、ちょうど私たちが乗るタイミングで再開するという情報がネットに書かれていたが、結局書いてある日程では全く動く様子がないとか、そういうことも当たり前のように発生する。
なんでもこの国では「ポレポレ」なのだ。

現地で結婚し事業を立ち上げているトビタテの友人のMioのお店にも会いに行かせてもらった。彼女の奮闘ぶりは彼女の友人であれば知っているかもしれないが、思った通りにコトが運ばないのレベルが想像を超えている。。。

お金を先に払わないと仕事をしてくれない、払ったら払ったで結局仕事をしてくれない、明日できると言ったことは明日できないどころか何ヶ月もできない、できたと思ったら完成度が低い、みたいなことが頻発しているようだった。

みんなお金が潤沢にあるわけではないし、むしろ困っているのに、結局ちゃんと働かない、というのはどういうことなのだろうか、と考える。ちなみにタンザニア人は副業をしている人がほとんどのようだ。そうじゃないと収入が足りないから。けれど結局、イスラム(タンザニアは40%がイスラム、40%がキリスト教)の文化として困っていたら助け合うし、究極野菜や果物がそこら中で育つあたたかい国なので凍えて餓死することがない、というのも、その国の働くという意識に影響は少なからずあるのだろうと感じる。でもこのあたりは、もう少し現地に入り込んでみないと真意はわからないところだと思った。

想像を絶するポレポレを乗り越え開店した友人Mioのお店

◆想像を超えてくる結婚のカルチャーと、カリブ文化

タンザニアでは、夫の世界青年の船の同期であるタンザニアデリゲーションがいると言うことで、彼らとdinnerに行かせてもらった。

そこで聞いたイスラムの結婚のカルチャーが非常に面白かった。(イスラムでは同性愛・同性婚は許されていないから基本異性婚になるのだが)なんでも、結婚までに壮大なプロセスがあり、男性側が結婚時に払うコストが莫大らしい。

結婚に際し女性の家庭側にお渡しするものリストがあり、牛10頭だの山羊10頭だの、あらゆる家財をせっせと揃えて、女性側の家に一家総出で赴いてひとつひとつ紹介していくんだとか。そこで、「牛10頭は難しかったんですが7でなんとかなりませんかねぇ」という交渉をしたりするんだそうだ。

オモロイ。
その彼が落語のように面白おかしく話すもんだから尚オモロイ。

さらに、スワヒリ語には「カリブ」(=welcome)という言葉があり、他者に対して非常にオープンだ。ダラダラというローカルバスに大荷物と赤ちゃんを抱えた女性が乗ってくると、荷物をポイと車内の知らない人に渡し、なんと赤ん坊まで誰かに預ける。ちょっとよろしく、みたいな言葉も無い。そのまま激混みのバスの中で赤ちゃんがリレーされて、そのまま知らない人がお母さんの代わりに抱えてたりする。そして、ありがとう的なお礼も特になく、当たり前のように赤ん坊を返してもらって去っていく。彼らにとっては、これくらいの支え合いがお礼を言うまでもなく当然の日常ということだろうか。

右のおじさんが抱えている子は多分おじさんの子ではない

日本の当たり前を生きる人と、タンザニアの当たり前を生きる人を、交換してみたらどうなるんだろう。友人の奮闘を見ていると、きっちりルールも期日も守る日本人の方がストレスがひどそうな気もするが(笑)、ポレポレやカリブな文化に、忘れている何かを気づかされるなんてこともあるかもしれない。

当たり前は当たり前じゃない
、そんなことを象徴する出来事にたくさん出会えた国だった。

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