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ゆうわたWorld 夫婦世界一周録

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2022年9月〜2023年8月、1年間の世界一周の旅。 訪れた54カ国+南極での気づき、学び、思い出の記録。
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#海外旅行

先進国で生きることの「自由と不自由」について〜【チリ🇨🇱】18/54ヶ国目 | 世界一周ふりかえり

南米の南部に細長く伸びる国、チリ。 東西約170km、 南北は全長 4300kmで、世界で一番細長い国らしい。 南部は青々とした氷河と緑豊かなパタゴニア、 北部は月面のようなスケール感のアタカマ砂漠と、 国土にさまざまな特色がある。 首都のサンティアゴは大都会だ。 バスも地下鉄も上下水道も、極めてインフラが整っている。 田舎の街にいっても特に不自由がなかった。 3週間も滞在していたのに、 書きたい言葉がなかなか溢れ出してこないのは、 チリでの毎日が、旅というよりも むしろ

「陽気さ」の秘密は〇〇の中に。山・食・人すべて最高の国【アルゼンチン🇦🇷】17/54ヶ国目 | 世界一周ふりかえり

2022年12月。 アルゼンチンに降り立った。 1年間の世界一周の半年間を過ごすことになった中南米の旅が、ここからはじまったのだ。 世界最南端の都市ウシュアイア*から南極クルーズの旅を終え、世界一周でわたしが一番楽しみにしていたパタゴニアのトレッキングをしながら北上し、南米のスイスと言われるバリローチェで年越しをした。 (*正確には数年前にチリのプエルト・ウィリアムズが集落から市に昇格したことで、世界最南端の街の称号は奪われてしまったが、今でもウシュアイアはFin del

変化する石油王国〜サウジ人の暮らしと母の愛の話。【サウジアラビア🇸🇦】16/54ヶ国目 | 世界一周ふりかえり

アラビア半島の大部分を治める巨大な王国、サウジアラビア。 イスラム教の二大聖地を擁する、イスラム世界の中心的な存在だ。 2019年に日本を含む49か国に初めて観光ビザが解禁されるまで、その姿は私たちのような一般市民に対しては謎に包まれていた。 足を踏み入れるまで、私のサウジアラビアへの印象は ・相当敬虔なイスラム教国家 ・女性は皆両目以外の全身を真っ黒の布で隠している ・店や施設は男女の入り口が全て分かれている といった厳しいイスラム教のイメージが強く、 他に知っている

お酒が飲めて、自由な服装。イスラム教戒律の"緩さ"の裏にあった、深い教え。【バーレーン🇧🇭】15/54ヶ国目 | 世界一周ふりかえり

W杯の賑わいに後ろ髪をひかれながらカタールを後にし、やってきたのはバーレーン。 バーレーンはカタールよりもさらに小さい、奄美大島ほどのサイズの、ペルシャ湾に浮かぶ島。 サウジアラビアとの間には全長25mのKing Fahd Causewayという橋がかけられており、私たちも一度カタールからサウジアラビアのダンマームへ降り立った後、この橋をヒッチハイクで渡りバーレーンへ入国した。 さて、非常に敬虔なムスリム国家として知られるサウジアラビアと繋がるこの島国は、実は湾岸のイスラ

W杯開催国カタールは、どれだけお金持ちなのか?【カタール🇶🇦】14/54ヶ国目 | 世界一周ふりかえり

2022年11月。 森保ジャパンがドイツとスペインに対し歴史的勝利をおさめた感動のカタールW杯。 観戦しました✌️ W杯は世界最大のスポーツの祭典というが、その熱気はドーハの空港に着いた瞬間、いや、着く前からすでに感じられた。 イスタンブールtoドーハ便では機内ですでにメキシコ観客勢がメキシカンハットをかぶって着陸前から歌っていたくらい、人々は浮かれ気分だった。 イミグレを通過し外に出ると、出場国の国旗を掲げた鼓笛隊グループのような人々がパフォーマンスをしていて、空港ロ

女性は〇〇を食べてはいけない〜アフリカ最古の王国の男尊女卑文化について【エスワティニ🇸🇿】13/54ヶ国目 | 世界一周ふりかえり

約2ヶ月に渡るアフリカ縦断もラスト1カ国。 最後の国はエスワティニ。 旧名はスワジランドだったが、2018年独立50周年記念式典に国王が突然国名の変更を発表し即日で国名がエスワティニとなった。国民は本意でない人もいるのか、会話していると自分の国を未だに「スワジランド」と呼んでいる人も多かった。 アフリカ最古の王国の一つと言われ、今でも国王の権力は非常に強く、すべての店に国王の写真が貼ってあった。正確に言うと写真の通り3セットの写真がどこにでもあって、一番上が国王ムスワティ

帽子着用率90%超?アフリカにある『天空の王国』とは【レソト🇱🇸】12/54ヶ国目 | 世界一周ふりかえり

この国旗の国を知っているだろうか。 答えは、「レソト」。 アフリカ大陸の南部、南アフリカの中にポツンと存在する小さな国で、アフリカ最貧国の一つだ。 国旗のポイントは、 真ん中にあるマーク。 これはレソトの伝統的な帽子である。 そう、この国は帽子大好きな国で、 国民の90%は帽子をかぶっている。 といっても、伝統帽子をかぶっている人は少なく、 キャップやニット帽など、みんな今どきの帽子をかぶって生活しているのだ。 そんなユニークすぎる国、レソトの珍道中を振り返る。

ケープタウンに存在する無自覚なバイアスと特権性について【南アフリカ🇿🇦】11/54ヶ国目 | 世界一周ふりかえり

アパルトヘイトという言葉を聞いたことがあるだろう。 かつて南アフリカで国家規模で行われた人種隔離政策。 白人と非白人を明確に区分し差別した凶悪な政策が廃止されたのは1991年、わずか30年前のことだ。 戦前の植民地政策の系譜から白人優遇が続いたアパルトヘイト期間に、南アフリカには多くの白人が住むようになり、今でも人口の10%は白人なのが、この国の特徴だ。 もう一つ、南アフリカの特徴といえば、経済大国であること。 アフリカのサハラ以南の全GDPの20%を占め、アフリカ経済