山本 右

大阪出身 20代 | 好きなことを書いたり、読んだり | ゲーム制作・小説

山本 右

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マガジン

  • 【小説】罪の赦し

    「はじめは、何が起こったのか全くわかりませんでした」 同棲していた彼を咄嗟に殺害してしまった一人の女性。捕まることを恐れた彼女は、当てもない逃避行の旅へと足を踏み出す。 流れ着いた先で出会った美しくも儚い村。彼女は、赦しを得るために村の奇妙な文化に染まっていく————

  • 短編小説

    手軽に読める短編小説を気ままに書いています。 「面白い」と思ったらスキを押すのがルールです。モチベが上がります。

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【短編小説】「悪魔のウイルス」

2028年8月4日 ブジウイルス対策委員会  製薬開発研究主任 藤原克彦 死去 首吊りによる自殺と見られる。 --------------------------------------------- 2022年2月24日 インド、グジャラート州のブジにて男が妻・娘を含む計4名を殺害する事件が発生。男は地元の警察により射殺される。 その際、男は素手による殴打・噛みつき等で殺害したと見られる。 この事件が確認されている『ブジウイルス』による被害の第一号とされている。 20

    • [第一話] 独白【1】

      はじめは、何が起こったのか全くわかりませんでした。横たわる彼を、一時間ほど眺めていた気がします。猫が餌欲しさに頭を擦り付けてきたときに、ようやく現実の世界に戻ってきました。 彼と同棲を始めたのは半年ほど前でしょうか。そして、彼の気性が荒くなったのも、同棲を始めた頃からでした。彼は私に対して日常的に暴力を振るうようになりました。暴力を振るわれること自体は私も出来が悪い女なので仕方がないのですが、傷があると周囲の方達から怪訝な目を向けられてずいぶんと困りました。 実は彼の気性

      • 悪魔が魅せた夢 | ショートショート

        早朝、目覚まし時計の音で、男は嫌な夢から目覚めた。 上司に嫌味を言われて、皆の前でからかわれる夢だ。 もっとも、現実でも会社に行けば同じことが繰り返されるので、男はげんなりした。 毎晩終電まで会社に居て、家に帰って飯を食って寝る。 毎日そんな生活なのに、上司はどうやら寝ている時すら許してくれないらしい。 「仕度しなくては」 頭では分かっているのだが、あの上司の憎たらしい顔が思い浮かぶと体が動かない。 今日みたいに、たまらなく会社に行きたくなる時が月に何度かある。 こ

        • 絵を描くことに再会した話

          先日、生まれて初めて美術館に行きました。 きっかけは「ブルーピリオド」という漫画から。高校生が東京藝大への入学を目指す漫画です。 僕は幼い頃、絵を描くのが好きでした。といっても落書き程度のものですが、漫画とかアニメのキャラクターを模写したりしていました。 しかし歳を重ねるにつれて、絵を描く頻度も下がってきて、ここ何年かは一切描いていなかったと思います。 でも絵に限らず、勉強やら遊びやら何やらで幼い頃好きだったものから徐々に離れていくことは、ある種当然でもあり、大人にな

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        【短編小説】「悪魔のウイルス」

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        • 【小説】罪の赦し
          1本
        • 短編小説
          3本

        記事

          「セブルス・スネイプ 悪人か聖人か?」

          小学5年生の頃、朝の読書タイムで「ハリーポッター」を借りてきてから、私はその世界に魅了された。 当時はまだ映画版はチラッと見た事がある程度だったので、J.K.ローリングスが描く魔法の世界を、ハリーの目を通して夢中で読んだことは今でも鮮明に覚えている。 あれから10年以上経った。私はもう何周も読破していて、いまだに年に何度かは魔法の世界に入り浸っている。 そして、ちょうど先日また読み直したくなり、「Kindle Unlimited」で1巻から最後まで読み耽てしまった。(K

          「セブルス・スネイプ 悪人か聖人か?」

          【短編小説】「キラキラ世代」

          「今回新発売されたXですが、前モデルのQに比べ、多くの機能が追加されており、大いな人気を博しています。今回は....」 空中に映しだされた女性が興奮気味に紹介されている商品を語っているのを横目に、エソプレッソメーカーのボタンを押す。 全自動で淹れられたコーヒーを片手に「男」はゆっくりとソファーに腰を下ろした。 窓から見える空は少し淀んでいる、聞いていた通り今夜は雨が降りそうだ。 時計は16時を指している。昨日はなかなか寝付けなかったので、強制睡眠のアイマスクを着用して眠りに

          【短編小説】「キラキラ世代」